「あははっ……」
もう何度目か、腹の奥から湧き起こる笑いの波に、軽く背を丸める。
「……はあ」
そんな私の隣で、呆れたのか、諦めたのか、飽きたのか、いずれとも判断がつかないような吐息をつき、彼が背もたれに身体を預けて、腕を組んだ。
さすがにそろそろ笑いを収めないといけない。
しかし、理性で止めるには、少しばかり冗談が過ぎたようだ。
脳裏に浮かぶ、彼の古典的な幼少期の姿が、痛いくらいにツボに入る。
いっそのこと不穏な気配でも漂わせてはくれないだろうか、と、彼に勝手な救済を求めて顔を上げた刹那、視界の端に、小さく口元に微笑を湛えた、担当プランナーの塩崎の姿を捉えた。
大きな目を細め、長い睫毛で影を落とし、注意深く見ていなければ見逃してしまいそうなくらいにささやかな笑みを零す。
その控え目さが、プロである塩崎が束の間に見せた、素の表情であることを告******
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