平日とは違った賑わいを見せる休日の駅前。
装いも多様に入り混じり、見る度に違う色を見せる。
雑然、そして、騒然とした景色の中、私は、八センチのヒールを更に浮かせて、つま先立ちで改札口の奥を覗いた。
「んー……」
待ち侘びる気持ちに比例するように、前に傾いだ私の身体を、彼がさっと腕を伸ばして抱き留めながら、不機嫌さを押し出した憮然とした表情で言った。
「……なあ」
「うんー?」
一応、返事はしておくが、意識の大半は、人探しに向かっている。
彼の腕に掴まりながら、更に背伸びをする。
「……おい」
「なぁによ」
先を促しているつもりなのだが、一向に話し出さない。
それなら、それでいい。と放っておこうとしたのだが、無言のまま彼が私の頭を大きく開いた手の平で掴んだ。
「ちょっと! UFOキャッチャーじゃないんだからっ」
掴むんじゃないわよ。
ていうか****************
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