テラーノベル
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ゾットビアの幼児虐殺があった翌年。世界の各地で異変が起きた。各地で魔霊……実態は自然の精霊……を封じていったためか、それとも殺された幼児たちの、あるいはその親たちの呪いか、突如としてゾンビ・スケルトン・ゴーストなどの死霊系モンスターが各地を襲ったのだ。
その数は多く、しかも対モンスターも専門としていた黒騎士団もすでになく、正規の騎士団は黒騎士団討伐で消耗していた。結果、王国騎士団に各地のアンデッドを討伐する余裕はなく、首都周辺の防衛がせいぜいだった。
代わりに活躍したのが神聖教団だった。多くが女性で構成され、神聖魔法を得意とする彼女らの使う「退魔の法」はアンデッドを簡単に撃退した。
だが。相手の数はあまりに多かった。物量で押し切られ、優秀な神聖魔法の使い手が次々と倒れていった。
そんな中、神聖教団の中で意見の対立が起きた。教団は、教義により信徒に武器としての刃物の使用を禁じていた。そのため、彼女らの主武器はメイスなどの打撃武器である。だが、そのためゾンビとの戦いに苦戦した。ゾンビは頭を落とせば動かなくなった。刃物であれば首を切り落とせばいい。だがメイスであれば、頭を完全に粉砕しなければならない。さらに、刃物であれば手足を切断して動きを封じることもできたが、メイスではそれも難しい。1対1ならともかく、複数を相手にするとき、武器のために苦戦を強いられた。
そこで、対アンデッドに限り、聖別された刃物の使用を認めようという一団があらわれた。しかし、教団の保守派はそれを認めなかった。教義とは、状況によって変えていいものではなく、絶対的なものである、というのが保守派の主張であった。
両者の意見は平行線をたどり、その間にも有能な神聖魔法の使い手は減り続けた。ついに、刃物の使用を主張した一団は神聖教団とたもとを分かち、自らを「銀(しろがね)騎士団」と名付け、教団とは別に行動を始めた。
銀騎士団の活躍は目覚ましかった。しかし、もともと疲弊していた教団が、さらに分裂してできた団体であり、数はそう多くなかった。ゆえに、世界の大勢を変えるほどの力は持たなかった。
こうして、この世界には首都周辺を防衛する王国騎士団、魔霊狩りを専門にしていた妖虫騎士団、神聖教団、銀騎士団、どこからともかくわき続ける死霊の群れといった勢力がせめぎあうことになる。
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コメント
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10話、読み終わったよ……世界が一気に動いて、すごく重くて切なかった。魔霊封じの代償みたいなアンデッドの大発生、黒騎士団がいない穴、そして教団の内部分裂——「銀騎士団」の誕生、かっこいいけど苦しい決断だよね。現実的なジレンマの中で少女たちが背負うもの、重田さんの世界観が本当に丁寧で泣けそうになった。次はどうなるんだろう、すごく気になる……🤍