「そんなふうに思ってくれていたなんて」
改札からすこし離れた場所に彼女を見つけた時、にわかには信じられなかった。
今日一日、仕事中は考えないようにしていても、ずっと美穂のことが頭から離れなかった。
だから早く会いたいあまり、脳が美穂の幻を見せているのかとも思った。
けれどいつまで経っても美穂の幻は消えないどころか、こちらへ駆け寄ってきて―――。
弾かれたように足を速めると、美穂は俺の目の前で立ち止まり、嬉しそうに「お帰りなさい!」と笑ってくれる。
美穂が来てくれいるなんて思わなかった。
ここまで出迎えてくれて、俺が「帰ってきた」ことをこんなにも喜んでくれて……胸が甘く締め付けられる。
「まさか美穂が来てくれてるなんて思わなかった。びっくりした」
「あっ、えっと……。すみません、家で待っていられなくて……」
赤い顔ではにかむ美穂がかわいくて、今駅前にいることを忘れて、****************
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