私
には夢がある。それは、いつかは小説家になること。そのために今できることといえば……読書しかない! だから今日から本を読みまくろうと思う。まずは小説からスタートして、ライトノベルとか読んでみてもいいかもしれない。
とりあえず本屋さんに行ってみようっと。
***
私は近所の大きな書店にやってきた。店内は広くて天井も高い。通路も広くてゆったりしている。私が好きなタイプのお店だ。それにしても平日なのに人が多い。みんな暇なのかしら? なんて思いながら、ぶらぶらしていたその時だった――。
『新刊コーナー』と書かれたプレートの下に一冊の本が置いてあったのだ。
表紙のイラストを見てみると、そこには一人の女の子が描かれている。背丈は高くもなく低くもない平均的な身長で、髪型はやや長い黒髪のポニーテールをしている。目はくりっと大きく、可愛らしい印象を受ける顔立ちをしていた。服装は赤を基調とした服を着用しており、スカートを履いていた。しかし彼女の体には胸の部分がなく、腕も肘から先がなかった。それを見た僕は彼女が幽霊であることを理解すると同時に、その容姿に見覚えがあることを思い出す。それは以前見たアニメに登場するヒロインのキャラクターだったのだ。
(そういえばあのアニメって確か……)
僕がそのアニメのことを思い出そうとした時、目の前にいる幽霊の少女が再び口を開く。
「さて、そろそろお別れの時間ね」
彼女は僕のことを見つめながら言葉を続ける。
「君のおかげで私は満足して成仏できそうだわ。ありがとう」
「いえ、こちらこそ貴重な体験ができました。本当にありがとうございます」
「ふふっ、面白い子ね。それで君はこれからどうするのかしら?」
「まずは、ここでの生活に慣れていこうと思います。」
「そう……じゃあ、案内してあげるわ。ついてきてちょうだい。」
「はい!ありがとうございます!」
「それと君の名前はなんと言うのかしら?」
「えっと……僕の名前ですか?僕の名前は……あれ?名前なんてあったかなぁ……んー……思い出せません……すみません……」
「謝ることないわよ。名前がわからないんじゃ不便でしょうから私がつけてあげましょうか?そうね……じゃあ”アイシア”なんてどうかしら?」
『……うん』
「決まり!よろしくね、アイシア!」
――こうして、私達は出会ったのだ。
◆ 私は、夢を見ていました。
懐かしくて温かい気持ちになる、不思議な夢の世界でした。
そこにはたくさんの人がいましたが、誰一人として見覚えのある顔はいませんでした。
それどころか、自分が誰なのかすらわかりません。
どうしてこんなにも懐かしく感じるのか不思議に思いながら、私は歩き続けました。
しばらく歩いていると、小さな男の子を見つけました。
その子は泣いていたのですが、なぜかとても嬉しそうな顔をしています。
私はなんとなく気になり、話しかけてみることにしました。
「こんにちは。どうしたんですか?」
「ひゃあっ!?お姉さんだれ!?」
「えっと……ごめんなさい。名前はまだ思い出せなくて」
「ふーん。ねぇ、君はどこにいくところだったの?」
「どこって言われても……」
困ってしまいました。そもそも私はなぜここにいるんでしょう? さっきまで見ていたはずの夢の内容も忘れてしまいました。
「ここは暗いけど……あたたかいね……」
そう呟く彼の目には……もう何も映っていない。
まるで壊れかけた人形のように……
ただ静かに佇んでいるだけだ。
彼を救う者は現れない。
なぜなら彼はすでに狂っていたから……。
そして彼は今もまだ独りぼっちなのだ―――。
病名:泡沫夢幻病 最近、日本で奇妙な病気が発見された。それは、「人の頭が突然花畑になる」というものらしい。そして発病すると体が急激に若返っていくのだそうだ。
明治に入ると近代化が進み、人々の暮らしは豊かになっていった。しかしその一方で文明開化の名のもとに西洋文化が流入したことで、それまで日本の人々に根付いていた様々な価値観が崩壊してしまった。
例えばクリスマス。キリストの生誕祭であるはずのこの日は、今では恋人たちのイベントへと様変わりしている。だが本来の意味を知る者は少ないだろう。
他にもバレンタインデーなども本来ならば女性が男性へチョコレートを渡す日だったはずだが、今では友チョコだとか逆チョコだとかいった言葉まで生まれてきているくらいだしな。
それに最近ではバレンタインデーなんてものはただ単に女の子が好きそうなイベントを作りたかっただけじゃないのかと疑わしく思うときもあるのだが……それはともかくとしてだ。
そういったように日本というのは昔から恋愛に関する文化が盛んな国であったわけだが、もちろんのことながら俺が生きている時代ではそれだけではなくて他にも様々な文化が生まれ育まれてきたのだ。
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