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私
の名前はアスタロト。
魔界では公爵の地位にいるわ。
魔王軍の中でも重要な役職についていてね、私には部下がたくさんいるのよ。
そんな私にも悩みがあるの。
最近とても忙しくてね……少し疲れ気味なの。
だけど仕事だから仕方がないわよね! 今日も頑張っちゃうんだから!!
***
私が執務室で書類仕事をしていると、ノックの音とともに見慣れた顔が現れた。
「失礼いたしました」
俺は静かにそう言うと、ソファーから立ち上がった。
「いえ……こちらこそ、申し訳ございませんでした」
男は俺の顔を見て少し驚いた表情を見せた後、再び謝罪の言葉を口にして深々と頭を下げた。
「では……失礼致します」
俺は軽く会釈をして応接室を出ると、そのまま真っ直ぐ玄関へと向かった。
******
『ピピッ』
「ん?」
玄関を出て駐車場に向かおうとした時だった。ポケットに入れていたスマートフォンが鳴る音が聞こえてきた。
(誰だよ?)
内心で愚痴りながらスマホを取り出して画面を確認すると、そこには見覚えのない番号が表示されていた。
「はい、もしもし?」
一瞬無視しようと思ったが、電話の向こう側から微かに聞こえてきた泣き声のようなものが気になったので、とりあえず出てみる事にした。
『もしもし?』
『あ……』
『もしもーし?どちら様ですかぁ?』
『えっと……その……』
どうにも要領を得ないので、俺はちょっと強めの声を出すことにした。
『もしもしぃ!?』
『ひゃいっ!』
『あんた誰だよ?なんで俺ん家の番号知ってんだよ!警察呼ぶぞコラァッ!!』
『ごめんなさい!許して下さいっ!!僕、怪しい者じゃないんですぅ~』
『だったらさっさと名乗りやがれぇっ!!』
『ぼ、僕は一ノ瀬悠太といいます。先日こちらのお宅でお世話になりました者でございます。それであのぉ……今日はその件について謝ろうと思って連絡しました』
『……あっそ。じゃあそういうことで切るわ』
そう言って受話器を置こうとした瞬間──。
『待ってくださいよぉ!お願いしますから切らないで!』
『俺だってね、あんたの役に立とうと思ってるんですよ』
『もうちょっとだけ、話を聞いてくれてもいいじゃないですかぁ~?』
【名前】赤野 玲央(あかの レオ)
【性別】男 【年齢】17歳 【誕生日】4月2日 【学年】1年生 【クラス】C組 【部活】なし 【身長】175cm 【体重】70kg 【容姿】黒髪短髪。中肉中背だがやや筋肉質 【趣味】散歩 【好きな食べ物】甘い物全般 【苦手な食べ物】苦い物全般 【特技】特に無し 【一人称】俺 【二人称】君/貴方 先生には○○さん、先輩には「○○センパイ」呼び捨て 同級生以下だと名字を呼び捨て 【口調】誰に対しても敬語 ただし目上の人相手であっても口が悪い 【台詞サンプル】
「僕は赤野玲央と言います。よろしくお願いします!」
「ああー!それ僕のシュークリームですよ!?勝手に食べないで下さい!」
「えっ?僕が怖くないかって?」
「はい、大丈夫です!これくらい平気ですから!」
「ああっ!僕のイチゴショートケーキ!!ひどいです!!」
「嫌だなぁ、ちゃんと生きてますよ……まだ」
「ごめんなさい、僕には無理です」
「僕はただ普通に生きていたかったんですけどねぇ……」
「あの時は本当に助かりました。ありがとうございます」
「こんな時こそ笑顔でいないとダメですよね」
「えぇっと…………それじゃあ今日からよろしくね!」
そう言って彼女は僕に手を差し伸べた。
僕は彼女の手を握りながらこう思った。
(なんでこんなことになってしまったのか)
***
高校入学して1ヶ月くらいたった頃だったと思う。僕は友達を作ることができずにいた。
別にいじめられているわけじゃない。話しかけられれば返事をするし、休み時間に話したりだってする。ただそれ以上先には進まなかった。
僕には2つ下の妹がいる。名前は真白と言って、とても可愛い妹なのだけれど、なぜか昔から僕のことを慕ってくれていて、いつも一緒にいたがった。だから学校では兄妹であることを隠しているのだけれど、それでも周りの男子からは睨まれることが多かった。
真白はその見た目の良さもあって学校ではかなりの人気者らしくて、毎日のように告白されていた。もちろん断っていたみたいだけど、やっぱり僕と一緒にいることを優先してくれるようで、断るときは決まって「お兄ちゃんが好きなので」と言うらしい。
当然僕としては複雑な気持ちになる訳で、中学の頃も何度か呼び出しを受けていて、その都度呼び出される理由を聞いていた。大抵は妹の彼氏かどうかの確認だったので、「違いますよ」と答えるようにしていたけど、たまに本当にそういう理由で呼び出す人もいるので、正直面倒くさいと思っていた。
そんなある日、いつも通り真白がクラスメイトに呼び出されたので、仕方なく付いて行くことにした。
教室を出て少し歩いたところで立ち止まる。
呼び止めた男子生徒は背が低くてひょろっとしていて、眼鏡をかけた如何にもオタク臭い奴だった。
名前は……えーと確か……あぁそう、佐久間恭介とかいう名前だったと思う。
ちなみに僕はフルネームを覚えていない。
真白さんは相変わらず笑顔を浮かべているが、僕にはわかる。あれはかなり怒ってるぞ。
「あのさ、ちょっと話があるんだけど……」
「ごめんね! 今から竜くんとお昼ご飯食べる約束してるから!」
先手必勝と言わんばかりに真白さんが答えた。
それにしても『お昼ご飯』なんて言葉を聞くと、なんかドキドキしてくるな。