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ガッコウガーYは、先程まで学園長達が乗っていた
ドーム型の体育館の屋根を蹴りあげ、そしてキャッチ。
丸い形は盾にぴったりだ。
ちなみに学園長達は全員避難済み。
事の成り行きをひそかに見守っている。
そして、エマが閉じ込められていた剣の塔もひっこぬき、剣として構えた。
なんと剣の塔は、名の通りの剣だったのだ!
ガッコウガーYは剣と盾を構え、勇ましくキメる。
そして足元からジェットを噴射し、メテオに向かって一直線だ!
マタロウ「ほ、本当に大丈夫かな…」
この期に及んで、マタロウが今更の不安を口にする。
ミノたち「…奥底に妖気が溢れてるんだけど…ま、気のせいか。
人間の妖気使いがあんまり増えちゃ、怨霊としても地味にマズいもんね」
ミノたちがそうボソッと呟いたのは、誰にも聞こえなかった。
アゲハ「メテオって赤い月みたいね~」
アゲハも呑気な事を口にする。
ジンペイ「赤い太陽だったらまともだったのにな~」
アゲハのお隣のジンペイも呑気な会話を続ける。
アゲハ「まともじゃない太陽って言えば、緑とか青とか?黒い太陽とかも!」
──コマのその何気ない一言を耳にしたアゲハの動きが、見る間に固まった。
?『空を見ろ』
アゲハは反射的に空を見上げた。
?『忘れてはいけないよ、いつか…君を…つようとする…れる』
ジンペイ「…い、…ーい…」
もやもやした煙みたいな声が響いてくる。
ジンペイ「おーい!聞こえてますかー!!」
アゲハ「うわぁっ!!」
現実に勢いよく引き戻されたアゲハ。その原因は、ジンペイの大声だった。
アゲハ「き、聞こえてます!」
つい片手をあげるアゲハ。
フブキ「どうしたのよアゲハちゃん。急にボーッとしちゃって」
フブキが眉を困ったように下げる。
アゲハ「ご、ごめん!(あの人のことはまだ言えない)」
(ウフフ…そんなアゲハさんも可愛いなぁ…)
呑気な事を考えるマタロウ。
メラ「…おい、黒い太陽が何だか知らないが、このままだとメテオに激突するぞ!」
メラが焦った感じで、皆を我に返す。
みんな「ハッ!」
アゲハ「メテオを止めないと!」
ジンペイ「止めてみせるーーっ!」
ジンペイが操縦席のレバーを思いきりの力を込めて押す。
それに合わせ、ガッコウガーYは腕を伸ばし、構えていた剣をメテオの真ん中に突き刺した!
バキバキッ!と音をたて、メテオは剣が刺さった部分からひび割れていく。
ジンペイ「うぉおおお!」
ジンペイも最大の力でレバーを押し込む!
「「「「「いっけえええええー!!」」」」」
皆も喉を枯らす勢いで大声を張り上げ、声援を送る!
ピキピキピキッ…
メテオのひびは皆のやる気と比例してどんどん大きく、広範囲に広がっていく。
そして!
ガッコウガーYの持つ剣がメテオを勢いよく貫いた!
ボッ!ドオオオオオ~!
メテオは轟音を立てながら、粉々に砕け、散っていった…
ジンペイ「おっしゃああーっ!」
ジンペイが今にも飛び上がりそうなぐらいの大声で歓喜する。
コックピット内の6人はハイタッチして喜びの声を上げている。
メラ「やったな!」
アゲハ「成功した!良かったぁ!」
メラとアゲハも満足げに言う。
だが、コマが慌てた様子になる。
「大変だ!メテオの破片で火の海だ!」
その通り、メテオの残骸が学園の様々な所に降り注ぎ、至る所で火事を引き起こしてしまったようだ。
喜びで浮かれていたフブキは素早く操縦席に着いた。
フブキ「ガッコウガーYには消火機能があるわ。起動するわね!」
フブキが慣れた手付きでパネルを操作すると、
ガッコウガーYの股間部分にあった支柱が音をたてながら正面を向いた。
その柱から、合体時に取り込んだ噴水が出てくる。
フブキ「消火ウォーター噴射機能ON!」
フブキがそう言うと、ジンペイが勢いよくボタンを押した。
ジンペイ「消火ウォーター、放水開始っ!」
ガッコウガーYはその合図に合わせて噴水から水を勢いよく放水しはじめた。
学園内の火の海に降り注ぐ水は次々と消火完了していく。
九尾「そのポーズ、なんとかしよ!」
九尾が地上からガッコウガーYのお世辞にも教育に良いとは言えない消火ポーズにツッコむ。
ともかく、メテオも二次災害も無くなった。これでミッションコンプリートである。
みんな「これで危機は去ったな」
皆で安心していると、今度はアゲハが何かに気が付いた。
アゲハ「皆、ちょっと待って!あれを見て!!」
アゲハが指差したのは、メインモニターに映る何やら大きな岩のような物体だった。
それはモゾモゾと動き、人のような形になって立ち上がった。
アゲハ「もしかしてメテオの破片!?」