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🧠あきめると🍥
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それでは、
どうぞ。
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💛「はは、来たんだ〜」
綺羅は、古い喫茶店の窓際に座っていた。
柔らかく笑い、ぼんやりと紅茶をかき混ぜるその姿は、世界と少し距離があるように見える。
🤍「別に綺羅のために来た訳じゃないし、…」
💛「ふーん?笑。」
この子の前で嘘なんて通用しない事は分かってる。
私はいつもそんな無駄な言い訳をしながら、同じ時間に、同じ場所へと足を運んでしまう。
綺羅だけの為に。
💛「くれあ、今日は3分遅刻だね。」
🤍「、…ストーカーなの?」
💛「ううん。観察者。」
綺羅はそう言って、にこりと笑う。
その笑顔はいつも優しくて、いつもどこか冷たい。
ーーーー
私達が出会ったのは、数年前。
同じ職場、同じ部署、同じ“周囲から浮いてる者同士“だった。
私はまず他人と関わる事も話すことも嫌いだった。
問題や悩みなんて結局は、他人から始まる事だから。
どうでもいい人達に頭を悩ませるくらいなら、孤独の方がよっぽど心地がいい。
綺羅はそんな私と違い、友人も多かった。
だけど、彼女の優しく柔らかい言葉の中には“偽善“と“無関心“が隠れていて、全て計算し尽くされていて、彼女は相手を下の立場へ落とすようなクズだった。
気が付けば彼女も人々から距離を置かれる、そんな存在になっていた。
最初に声を掛けてきたのは彼女だった。
💛「ねえ…人を嫌うのって疲れない?」
🤍「…別に貴女に関係ないでしょ。」
💛「そうだね。でも、君が怒っている理由が面白そうだったから。」
その一言で、私は完全に理解してしまった。
この人は“普通“じゃない、と。
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私がこんなに綺羅を好きになった理由なんて、私が1番分からなかった。
綺羅は決して私を縛らない。束縛も、要求しない。
ただ、全てを見てくる。
誰と話して、誰を嫌っていて、誰に傷つけられたのか。
まるで実験でもされているかのように。
🤍「、もう私の事見ないで。」
🤍「どうしてそんな、…見てくるの?」
💛「…壊れちゃいそうだから。」
愛なんて籠ってもいないその言葉に心が満たされる。
何時の日から視線が中毒みたいになってる。
『ソレ』が無きゃ、生きられないような気がする。
🤍「…、綺羅……私って変、?重い、?」
💛「…うん、くれあは変な子だよ。疲れちゃうくらい愛だって重い。」
💛「でもね、」
綺羅は私の頭を撫でる。
猫を撫でるみたいに、優しく、逃げ場を塞ぐ角度で。
💛「変な子は普通の世界じゃ生きられない。」
💛「だから私が君の世界になってあげる。」
その言葉が救いなのか、檻なのか。
正直そんな事はどうでも良かった。
🤍「離れないで…」
子供みたいな、剥き出しの言葉。
綺羅は少しだけ目を細めて、微笑む。
💛「どこにも行かないよ。」
そう言って、綺羅は私の額に自分の額をそっと当てた。
吐息が混ざる程近く、でもそれ以上は踏み込まない距離。
🤍「…今日は、撫でて……」
綺羅の服の襟を掴み、少しだけ距離を作る。
💛「猫みたい。」
綺羅の手が、私の髪に触れる。
指先で、ゆっくりと、本物の猫を撫でるかのように。
💛「甘え方下手だね。」
🤍「……うるさい、」
そう言いながらも、私は目を閉じた。
喉の奥で、小さく息を鳴らす。
end
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