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#願いを叶える
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一方隣の部屋では─
『っぁあ!んぁっぁあハァハァっんぁあ!』
同僚と後輩は慣れたように主の嬌声を聞きながら、クロウザーと会話をしていたのだがクロウザーにとっては初めての事に興味津々だった。
「俺のご主人様はこんな可愛い声を出しながら善がってくれるんだね。…君達は俺のご主人様とは繋がった事がありそうだけど?」
同僚も後輩も、どうしてもクロウザーの”俺のご主人様”という言葉に引っかかりを持っていた。
「何度もあるぜ!そのいちいち俺のってつける必要あるか?◯◯はそもそもお前のじゃねぇよ!」
「…◯◯さんは貴方の事を執事にしているけどどこが良かったんでしょうね…」
クロウザーはやれやれといった感じで布団を被った。
(…俺はご主人様から目が離せないっていうのは本当だし、あの子の物怖じせず俺に話し掛けてくれるところは居心地が良いんだけど、 この事を言うのはまだ先になるのかな…?)
同僚と後輩はクロウザーに疑念を抱いてはいるものの、主が執事にしている以上何かしら良いところはあるのだろうかと思っていた。
翌日の早朝─
「っん…朝?」
主は体を起こし、ベッドから降りて着替えをし身支度をした。今日は休みなので皆で何処か行こうかと相談しようと寝室から出るとベレンとシロが朝食の準備をしていた。
「おはよう、ベレン、シロ。」
「主様!おはよう、起きたんだね。まだ早いけど寝てなくても大丈夫?」
「…起きたのか。早いな。」
ベレンは主の体を心配したが主は大丈夫と言い朝食作りを手伝おうとしたが、ベレンに座っててと言われソファーに座りゆっくりしていた。
同僚と後輩とクロウザーも起きてきて集まって来て、皆で朝食を食べた後何処か行こうかと話し合い買い物に出掛けた。
†††
さいわい主の車は大きめのバンタイプなので皆を乗せる事は可能だったので、主の車で行く事になった。
「主様はこんな格好良いものに乗ってるんだね!」
ベレンは主の車に興味を持ったみたいで興奮気味に主の車をまじまじと見渡し、 クロウザーも興味有りげに主の車を見ているとシロはすかさず助手席に乗り込んだ。
「あ、ずるい!俺だって主様の隣が良かったのに!」
ベレンはシロに文句を言うと、鼻であしらい早いもの勝ちだと言い放った。主はシロにシートベルトをする様に言ったがシロがなかなか出来ずに居ると、主がシートベルトを締めてあげた。
その際シロの顔近くに主の顔があり、主の甘い香りがシロの鼻をくすぶった。
(…良い香りがするのだな。)
シロは少し照れたのか窓の外を見て、やり過ごした。皆の準備が出来たところで主は車を走らせた。
いつものショッピングモールで買い出しをしてプールに行こうとしていたため、皆は水着を選んでいた。
皆は割りとすぐに水着が決まり、主がベレンとシロとクロウザーの水着を預かり会計しようとすると、同僚が来てスッとカードを出し会計を済ませてしまった。
「え…隼人が出す必要ないよ!」
「たまには良いだろ?…ガソリン代だと思ってくれたらそれで良い。」
同僚はそう言いながら主の手から水着が入った袋を取り上げ、車に向かって行った。
プールへ行く途中の車中─
「先輩!◯◯さんの会計、俺がしようとしてたのに何で止めるんですか!?」
後輩は同僚の座席に身を乗り出し、問い掛けた。
「後輩なら後輩らしくしとけ。それに結城に後輩が出来た時に奢ってやれば良い。」
同僚はそう言いながらぼんやりと窓の外を眺めながら、窓を開け胸ポケットからタバコを取り出し吸い始めた。
「先輩!…○○さんの車ですよ!?よく人の車でタバコ吸えますね…」
後輩は呆れている時に同僚がタバコを咥えながら主の方を指差すと、主もタバコを取り出し吸い始めた。
「え!?…○○さんもタバコ吸うんですか!?今まで吸ってるとこ見た事ないですけど…」
主は窓を開けながら、外科に居た時に吸っていたのと今でもたまに吸う事をカミングアウトした。
プールに着き全員が着替え終えると─
「水着姿の主様も可愛いね♡」
ベレンがそう言うとその場に居た皆が主の水着姿に見とれていた。ビキニから見える谷間と、パレオタイプで足は少し隠れるがチラッと見える足がとても色っぽかった。
「…皆見過ぎだよ!せっかく来たんだし皆でプール入ろ?」
主はこっちの世界に居る間だけでも下の名前で呼んで欲しいと執事達に伝えた。ベレンもシロもクロウザーも郷に行っては郷に従えという事で下の名前で呼ぶ事にした。
「◯◯、一緒にアレやんね?」
「ウォータースライダー?良いよ♪」
早速同僚は主の腕を掴んで連れて行ってしまった。残された後輩と執事達は先を越されたと思い、次こそは!と意気込んだ。
2人一緒に滑る事が出来るようで、同僚が後ろから主を抱き締めるかたちになり主は内心ドキドキが止まらなかった。
(…どうしよ。隼人とは寝た事あるのに変に意識しちゃってる…)
水着越しに伝わる同僚の体温と息遣いがとても堪らなく色っぽく感じて、主の鼓動を高鳴らせていた。
「…どした?怖いか?」
黙り込んだ主を見て同僚は怖いと勘違いをしてしまっていたが、主は照れ隠しをしながら大丈夫だと伝えた。
「照れてんのか?…本当◯◯は可愛いな。」
同僚が主が聞こえるくらいの小声でそう言ったと同時にウォータースライダーに放たれていった。
「きゃっ!ふふ…なんか今日の隼人格好良過ぎでずるいよ。」
主の言葉1つで同僚は顔を赤らめてしまうが水を思いっきり被り、それどころじゃなかったが あっという間に滑り終わり、主と同僚は係員にゴムボートを渡した。
同僚が前髪をかき上げると、主はなお一層胸の高鳴りを感じ、同僚から目が離せないでいた。
(…隼人ってそういや元々格好良い方ではあったよね…執事達程ではないけど程良く筋肉も付いてて、私が喜ぶ事を常に考えてくれる。
確か前はこんな感じじゃなかったな…女遊びが多かった気がするけど、最近の隼人は良い意味で変わった気がする。)
「…そんなに俺の事見つめてどした?◯◯からの熱い視線なら大歓迎だけど、キスしたくなるからダメ♡」
同僚は片手で主の事を抱き締め、もう片方の手で胸元から下半身にかけてゆっくりと主の体を撫でていった。
「そこまでですよ、先輩!早くプールから上がってください!」
良い所だったのにという感情はありつつも同僚はプールから上がり、主は先に上がった同僚に手を差し出されプールから上がった。
その後、後輩とベレンとシロとクロウザーは交代で主と一緒に遊び倒した頃 ちょうど昼時になり、何か買おうかという事になった。
「じゃぁ俺なんか買ってくるわ。結城も来てくれ。」
「じゃぁ俺も一緒に行くよ♪たくさんは持つの大変だろうしね。シロも行くよ!」
こうして主とクロウザーを残し、同僚達はお昼ご飯を買いに行った。 残された主とクロウザーは、プールサイドに並んで座りプールに足を付けていた。
「…ご主人様は隼人にご執心かな?」
心の中を見透かされたような感じがしてドキンと大きく心臓が鳴った。
「…そ、そうじゃないけど、何だか最近前と変わった気がするってだけだよ。
私…クロウザーの事、最初どんな人かな〜って思ってたんだけど、最近は私に自信を付けてくれる気がしてるの。
それだけで私は嬉しいんだよ。隼人は頭に血が登りやすいけど1度信用出来ると思ったら、ちゃんとその人を見てくれるから。」
主はそう言いながら、クロウザーの肩に自身の頭を乗せ、身を任せた。クロウザーはその時、確かに胸の高鳴りを覚えた。
(…もしこれが恋というのなら、俺がご主人様と心から繋がりたいと思うこの気持ちは自然な事なのかな?)
クロウザーが想いを馳せていると、主はお手洗いに行ってくると言ってプールサイドから離れて行った。
(…もう少し一緒にこうして居たかったがお手洗いじゃぁしょうがないね。)
「俺は流石について行けないから、此処で待っている事にするよ。」
クロウザーはそう言って、主が戻って来るのを待っていたのだがしばらくしてもなかなか戻って来る気配がなかった。
そしてお手洗いの方向から主の声がした気がしたので、急いで主が行った先にクロウザーも向かって行った。
「離して下さい!っ嫌!」
主が男の人に囲まれて腕を掴まれているのを見付けたクロウザーは、主の腕を掴んでいる手を捻り上げた。
「痛っ!何すんだよ!?」
チャラそうな男の人3人が下卑た表情を浮かべながら主の方を見ているのを見て、クロウザーはキレそうになるのを抑えつつ追い払おうと思ったが男の人がクロウザーに手を出して来た。
クロウザーは、男の人の拳を受け流していった。その際、入れ墨を隠すために着ていたラッシュガードの袖を捲ってしまっていた。
それを見た男の人3人はヤバい人に絡んでしまったと思い、逃げるように去っていった。同僚達はプールサイドに居ないので探して居るとその様子を一部始終見ていた。
「ありがとう、クロウザー。来てくれて助かったよ。」
主はそう言いながら、震える自身の体を抱き締めていた。その様子を見たクロウザーはそっと優しく抱き締めた。
「無理はしなくて良い。…○○、俺は君に恋をしてしまっているようだ。この俺の気持ちに対して君はどう責任を取ってくれるのかな?」
クロウザーは主の顎を持ち、キスをしそうな勢いで見つめ合っていた。すると主はクロウザーを抱き締め返した。
「クロウザーの気持ち、確かに受け取ったよ。こんな私の事を好きになってくれてありがとう。」
後輩は抱き合っているのをずっとは見ていられないため、主とクロウザーを引き離した。
「…○○さんの事を助けてくれた事は感謝してるけど、それとこれとでは話は別です!早く○○さんから離れて下さいね〜!」
後輩はそう言って近くのテーブルに主とクロウザーを案内し、待っていた同僚とベレンとシロの元へと行った。
こうして皆はお昼ご飯を食べていると、主の隣に居たシロが主の口元にハンバーガーのソースがついている事に気付いた。
「○○口元にソースがついている。」
シロはそう言いながら主の口元のソースを指で拭い、自身の指を舐めた。それを見たベレンはいやらしいんだ〜と言ってからかうが、シロは鼻であしらった。
その日は皆プールを思いっきり楽しみ主の部屋へと帰ったのだった。クロウザーは主の部屋に着くまでほとんど話す事はなかったが、視線は確実に主の方へと向けていると同僚に話し掛けられた。
「おい!…◯◯の事、助けてくれてありがとな。お前の事、ちょっと見直した。」
その時、クロウザーはプールサイドで主が言っていた言葉を思い出していた。
『…隼人は頭に血が登りやすいけど1度信用出来ると思ったら、ちゃんとその人を見てくれるから。』
(俺のご主人様は…1人1人としっかり向き合ってるんだな。そんなの好きにならない方がおかしいってものか。)
コメント
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クロウザーがついに主様への想いを告げたシーン、ドキドキしながら読みました。プールでのハラスメントから助けて、優しく抱きしめて「恋をしてしまったようだ」って…。彼の「ご主人様と心から繋がりたい」という気持ちが自然に育っていく過程が丁寧で、すごく良かったです。 同僚の変化やシロのソースを拭う仕草など、それぞれの愛情表現の違いも面白いですね。次はクロウザーと主様の関係がどうなるのか、楽しみにしてます!