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💛side
インターホンの音で目が覚めた。
せっかくのオフの朝だったのに、と思いながらものそのそと玄関まで歩き、ドアスコープを覗く。
すると舜太がいた。柔太朗も。
ガチャ、と玄関のドアを開ける。
💛「2人揃ってなに、?」
寝ぼけた声で言う。
❤️「もしかして寝とった、?オフやのにごめんな…」
申し訳なさそうに上目遣いをする舜太が可愛くて、ひじきのように細かった目はぱっちり開いた。
💛「寝てたけど、、もう目覚めたからいいよ」
❤️「相談があるんやけど、、」
💛「……わかった。上がって」
律儀にお礼をする舜太と、上がらせてもらうのが当たり前だと思っていそうな柔太朗。
そんな2人をリビングへ招き入れ、座らせた。
なるほど……、
柔太朗のトラウマ故に、2人は離れられないと。
俺の恋は、報われないんだな…
神様、俺は過去になにかしてしまったのでしょうか。
初めてこんなに人を好きになったのに、既に恋人がいるなんて……
酷い話じゃありませんか。
もういい。
2人は勝手に暮らせばいい……
その代わり…、最後にひとつだけ夢を叶えさせて。
愚かな俺を許してください。
❤️side
❤️「だから…、柔とまた暮らしたいんです。どうか、お願いします」
頭を下げる。少し遅れて柔も下げた。
💛「……。」
じんちゃんは黙っていた。一体、どんな顔をしているのか。
💛「いいよ」
返ってきたのは軽い返事だった。反射的にえ、と声が出る。
💛「その代わり、条件がある。」
嬉しさが混ざって油断していたのかもしれない。その“条件”は、俺と柔ならなんでもできそうな気がしていた。
💛「舜太、俺とセックスしよ」
❤️「………………………………は…」
長い沈黙を置いて、出たのはたった1文字だった。本当にそれしか言葉が出ない。
💛「柔太朗の目の前で。」
しかも、だ。
世界一愛してる人の目の前で、メンバーとの性行為を晒す。
こんな地獄他にない。
🤍「……本気で言ってんの?」
家に入ってからの、柔の第一声だった。
怒りと、焦りが混じった声。
💛「これができないなら2人は離れてもらう。」
もう、やる以外道はないんだ。そう思い知らされた。
❤️「……なん、で」
そう問うと、
💛「俺がしたいから。舜太と」
🤍「俺が見る必要無いだろ」
💛「見てないのもそれはそれできつくない?なら見てもらおうかなって」
じんちゃんは、淡々と、そして堂々と話していた。
俺らは状況が呑み込めないまま、じんちゃんの寝室へ連れて行かされた。
🤍side
そこからの時間はというと、地獄だった。
いや、地獄という言葉では表しきれない。
俺しか知らない舜太の声、俺しか知らない舜太の顔、全部全部あいつに見られる。
ただ、あいつとやっている時の舜太は、
心做しか本当に気持ちよさそうに見えた。
俺は、扱い方を間違えていたのだろうか。
確かに今、舜太は泣いている。
でも気持ちよさそうじゃん。
俺よりも、じんちゃんの方が良かったのかな…。
地獄の時間は長かった。
いつも俺と舜太がする時よりも変わらない、なんなら短いくらいで終わったが、心に溜まった疲労は随分だった。
じんちゃんがシャワーを浴びに寝室を出ていった。
❤️「っ、ごめんなさっ…、ごめんなさ、い……っ、」
あいつに挿れられた時から、今に至るまで舜太の涙が一回も引いていない。
脱水になるんじゃないか、というくらい。
🤍「舜太。」
声をかけると肩をびくっと震わせる。
怒られると思っているのだろうか。
🤍「よく頑張ったね」
優しい声で言うと、舜太はさらに泣き出した。
大きく潤んだ目からぼろぼろと涙が落ちていく。
本当なら今すぐにでもそれを舐めて飲みたいくらいだが、今は耐えた。
🤍「家帰ったら、上書きえっちしよ?♡」
舜太の涙が引っ込み、笑顔に変わった。
その笑顔には、強い色気が混ざっていた。
それは、先程までの余韻なのか、これからの期待か。
💛side
報われなかった俺が、唯一できたことはたった1回の性行為だけだった。
その1回の性行為は、今に終わってしまった。
でも、とてつもない幸せだった。
いつもは見れない舜太の体、顔、声。
これを当たり前のように見れている柔太朗には、毎度嫉妬してしまう。
きっとそれはこれからも。
だからこの気持ちに一生開かない蓋をしようと思う。
もう二度と、恋愛なんてしない。
❤️side
優しくて、暖かかった。
柔とは、また違う愛。
優しく、壊れ物でも扱うかのように。
ゆっくり、でも確かに、俺を燻っていたとも思う。
正直に言うと、気持ちよかった。
柔はいつも激しくて、俺のことを酷く愛してることをそのまま伝えてくれる。
そんなところも含めて好きだ。
けどじんちゃんは、優しくゆっくりで、お前が好きなんだって静かに伝えている。
そういう愛も感じられて、良い体験だったのかも…
そう思ってしまう自分が、酷く嫌だった。
柔のときは、気持ちよくても泣いたりなんかしない。
でも、じんちゃんのとき、柔以外ので気持ちよくなってしまったことが、嫌で、怖くて、ずっと泣いていた。
あの時柔が言ってたみたいに、俺も、無意識のうちにじんちゃんへ離れようとしてしまっているのではないか……、。
🤍「っ、あれ…」
柔の声で我に返る。考え事をしすぎではないか。
❤️「どうした……ん……、」
柔の手から、大量の血が出ていた。
ほんと、信じられないくらいの量。
よく見ると、手のひらに赤黒い爪の後のようなものがある。
強く握りしめすぎていたのか。
❤️「っえ、!?柔、大丈_______」
どさっ、と音がして、柔が床に倒れた。
🤍side
無意識に手を強く握りしめていた。
痛みもわからなかったくらいに、俺は追い詰められていたのか…、?
貧血か、大量の血に気づいた途端ふらっときて、俺は倒れてしまった。
もう、舜太の声は聞こえなかった。
目が覚めると、ソファーの上だった。
顔に何かが触れている。暖かくて、柔らかくて……
❤️「……ん、ぅ」
耳元で声が聞こえてきて驚いた。
舜太が俺のすぐ隣で寝ていた。
🤍「舜太?」
声をかけると目を見開きながらこっちを見つめる。
❤️「柔…!?起きたん!!!!?!」
🤍「うん。おはよ」
❤️「おはよ、う……」
泣き腫らした顔から、またぼろぼろと涙が溢れていた。
🤍「え、ちょ、」
❤️「ごめ、俺…、心配で……」
🤍「……んもう…(笑」
手で舜太の涙を拭い、その指をぺろっと舐める。
舜太は一瞬驚いた顔をしたが、その後笑顔になって、
❤️「……ぇへへ、」
と小さな声で笑った。
可愛い。
なんでこんなに可愛いんだろう。
🤍「だいすきだよ」
そう言って笑いあっていると、リビングのドアが開く。
💛「あ、柔太朗起きた?」
さっきまでの笑顔が消える。
無意識に睨みつけるような顔をしていた。
💛「大丈夫?一応手当したけど」
🤍「……あ」
そういえば手のことを忘れていた。
確かに包帯が巻かれていた。
🤍「……ありがと」
ぶっきらぼうにお礼を言う。
💛「うん。」
あっちも、業務用の返事だった。
❤️「柔、歩けそ?」
🤍「うん」
❤️「じゃ俺らは帰るな!」
💛「……そっか。またね」
舜太と手を繋いで、玄関まで歩く。
後ろをじんちゃんが歩いていたが、どこか後ろめたそうな視線を感じた。
玄関のドアを開け、外に出る。
💛「じゃあね、」
❤️「また仕事でな!」
💛「……あと、2人とも俺の家にはもう来ないで。俺も誘わないから。」
意外だった。またお邪魔してね、とか挑発的な発言をすると思っていた。
❤️「え?、…わかった、」
舜太も、疑問に思いながらしっかり返事をしていた。
🤍「じゃーね」
舜太の手を引いてずかずかと歩く。
早く帰りたかった。
ひとまず、俺らのこれからは守られたのだろうか。
この先も、ずっと幸せが続きますように。
コメント
3件
じんちゃんが切ない🥹🥹今回もめちゃ良かったです‼️‼️いつかはるかさんのそのじんも見たいです(>ᴗ<)💛❤️
読み終えたよ……。 なんかもう、じんちゃんの切なさが胸に刺さったな。ずっと想ってたのに、叶ったのはたった1回だけって考えるだけで辛すぎる……。しかもそれが他人の目の前っていう地獄のような状況で。でも本人はそれすらも「幸せだった」って言い切ってるところに、じんちゃんの強さと弱さが詰まってた。 柔さんの手の血のシーンは本当に怖かった。無意識に自分を追い詰めてる感じがリアルで、読んでるこっちまで苦しくなった。 三角関係ってこんなにも重いんだね……。でも最後の「ずっと幸せが続きますように」って願い、届いてほしいって思っちゃった。🥀