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「今晩・・・僕は億万長者の五十嵐渉でもなく・・・・俳優の佐々木洋平でもない、君に狂おしいほどの恋心を抱いているただの一人の男だ・・・・初めて君をひと目見た時から・・・・ずっと僕は君が好きだった・・」
クスッ・・・・「初めてって・・・あの韓国カフェで同じパンを取り合った時?」
くるみは微笑んで彼の頬に手を当てた
ああ・・・キスしたい・・・・
彼は言葉を失ったようにじっとくるみを見つめて、頬に置かれている手を握り、小さく首を振った
「いや・・・・そうじゃないんだ・・・そうじゃなくて・・・君と初めて会ったのはもっと―」
「好きよ・・・洋平君・・・・」
思いもよらない、くるみの愛の告白に洋平は目を見開いた
「洋平君・・・大好き・・・・私の心臓の音・・・聞いて? 」
くるみはそっと洋平の手を取り自分の胸に押し付けた
「あなたの事を考えると・・・どうして体がこんなに妙なのか・・・何年も男性に無関心だったのに・・・教えて欲しいの・・・洋平君・・・ 」
「くるちゃん・・・・ 」
「朝まで一緒にいたいの・・・・抱いて欲しい・・・・わ・・・私・・・・洋平君とそういうことしたい・・・と・・・とっても・・・・ 」
くるみが頬を赤らめてもじもじしながら言った
どうしよう・・・・恥ずかしくて、彼と目が合わせられない、こんなに男性に対して強い衝動は初めてだ
「あ~~~っ!もうっ!なんだこりゃ!どうしてこんなに可愛いんだっっ!」
「んんんっ!」
ガバッと洋平が覆いかぶさってきて、熱いキスをされた
両想いでとっても嬉しい・・・彼も私と同じ気持ちでいてくれている
ずっと待っていた・・・・今夜彼に会った時からこの予感はずっとくるみの中にあった
口の中を暴れ回っている彼の舌をくるみも答えるように自分の舌でからめる
すると彼が気持ちよさそうに唸り声を出した
もっと欲しくて、思わず全体重を預けて彼にもたれる、お腹に彼の熱くて硬いモノがあたる
ハァ・・・
「まったく・・・君には驚かされるよ・・・・ついこの間まで全然僕に無関心だったのに、僕はゆっくり進むつもりだった・・・でも、こんなド直球な愛の告白されたら僕がどうなるかわかる?もう止められないぞ?」
「だって止めて欲しくないんだもの・・・」
「クソッ・・・今のは下半身にきたぞ 」
天にも昇る気持ちでまたくるみは洋平の貪るような長い長いキスを受け止めた、なんだか夢みたいだ
彼はおでこに・・・頬に・・・唇に・・・優しいキスの雨を降らし
そしてやがて低い声でくるみの耳元で囁いた
「今夜は思い出に残る夜にしよう・・・・」
・:.。.・:.。.
・:.。.・:.。.
カーテンの隙間から朝日が差し込む中、くるみは笑顔で目覚めた。自分が寝起きに微笑んでいるのが不思議だった
まったく・・・まあ、確かに洋平君はほとんど眠らせてくれなかった
とにかくレム睡眠はなんとか取れたみたいだし、なんだか体のあちこち痛いけど・・・とっても幸せだ、 まるで嘘みたいとくるみは思った
今まで自分がこんな経験をするなんて思ってもみなかった。男性と裸で一晩中愛し合った後・・・・そのまま朝まで眠ってしまったのだから
今のくるみは分厚くて、たくましい彼の胸板に乗っかる形で横になっている。彼の胸に抱かれていると、硬い材質の床にホッとカーペットを敷き、その上で体を休めているような感覚だ
胸にピタリと耳が当たっているので、彼の心臓が脈打つのが聞こえる
ゆったり・・・確実な拍動・・・一分間に六十回・・・くるみはもうずいぶん前に目が覚めていたのでずっと数えていた
いつもこうやって、乱れることのない機械のように正確な音が聞こえるのだろうか、これからはそんな事を彼の隣で考えるようになるのだろうか。くるみの口元がフフフッと緩んだ
「笑顔が聞こえたぞ・・・・ 」
くるみの頭の上で太い声が響き、胸から伝わってきた。笑顔が聞こえるという言い方が面白かった
う~ん・・・「おはよう・・・くるちゃん」
彼がやさしく頭を横に倒し、二人は見つめ合う格好になった。寝乱れている彼にドキドキする
うっすらとひげの伸びた顔に浮かぶ、セクシーな微笑み、幅の広い肩、細くしなやかな筋肉、暗い瞳に燃える熱い炎
うっとりと見つめていると、彼が片方だけ口を歪めてまた微笑んだ
「そういうの、好きだな・・・」
くるみはふっと息で落ちてきた前髪を吹き上げた
「そういうのって?赤くなること?いやだわ・・・私・・・もう恥ずかしいったら」
「う~ん・・・そういう風に無意識に僕を誘っている所だよ、もっと恥ずかしい思いをさせたくなる」
くるみのおなかにぴったり当たっている、彼の分身は今まで休めの姿勢を取っていたのに、今ではあっという間にムクムクと硬くなって行く
「まぁ・・・これ・・・」
「うん(はぁと)」
昨夜で、すっかりエネルギーを使い果たしているとばかり思っていたのに、信じられない
「夕べのくるちゃんはとっても素敵だった・・・信じられなかったよ・・・何でも素直に僕の言う事聞いて・・・・最後は君とっても積極的になってくれて・・・僕がどんなに嬉しかったかわかる?」
「そ・・・そんなこと・・・口に出さないで・・・恥ずかしいよ・・・」
そう言いながら、彼の視線がくるみの口元に移動する
自分が昨夜ひと晩で二回も彼に抱かれて・・・そのまま寝た感じに見えるのはわかっている。髪はもつれすぎてブラシも通らないほど乱れている