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テラーノベル(Teller Novel)
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今回のお題は


カラオケ

です


それではスタート!





人の視線が怖い


みんな私が動くたびに


ジロジロ見て


コソコソと話したりするのだ


自意識過剰だってわかってるけど


怖いものは怖い




学校の敷地に入った途端


きゃー


という声が聞こえてきた


私何もしてないじゃん


そんなに私のこと嫌いなの…?


教室に入ると


学級委員長がプリントをくれた


会釈だけして下を向いた


声を出したくないから


私の声を聞いたことがある人は


この高校にはいない



思ってたのに






バサバサと大量の資料が落ちる音がして


前を向いた


すると凄く綺麗な男の子が目を見開いていた



「み、さ…?美彩…だよね?」



えっ?なんで名前…



「覚えてる?奏介だよ、」


「…そ、ちゃん?そーちゃん?」



久しぶりに出した声は小さくてかすれた



「ほんとにいた…」



綺麗に光る涙を流した



「喋れるじゃん…心配した…」



はっ


そういえば


声出しちゃった


急いで口を抑えた



「僕の前ではそんなことしないで」



首を振って顔をそらした



「お願い」



必死な声で言われて



「…わかった…」



と答えた



するとまわりが騒がしくなった




美彩様が喋った!?


えっまじ?



えっ?んーと?


なんで様付け?



「美彩人気者」


「そんなわけ無いじゃん!」



思わずおっきな声を出してしまった




えっまじじゃん


きれいな声…



みんなに見られるのが怖くて


奏介の服の裾を握った


すると手を掴まれいきなり走り出した



授業後なのになんであんなに人がいたのかわからないが


なんでみんな私に様つけるの?



「美彩〜?」


「ん?」


「久しぶりにさ、一緒に歌わない?」



幼稚園の時から二人でよく歌っていた


テレビに出たこともある


でも


お父さんの転勤で私達は離れてしまった


それからも私は歌い続けた


それは


幼い頃奏介と約束したから



「うん、良いよ」


「カラオケでも行くか」






「やっぱりそーちゃん歌上手い」



低音から高音まで出せる上に


ビブラートとか何もかもが小さい頃から美味かった


そして私はそーちゃんの歌が大好きだ



「それ言うなら美彩もでしょ?」


「私は…全然だよ。でも約束したから」


「覚えててくれたんだ」



そりゃあもう凄く覚えてる





僕、大きくなったらウタイテになるのー!


ウタイテってなぁに?


お歌を歌う人だよ


今も歌ってるじゃん


確かに


でもそーちゃんがなりたいなら私もなる


うん!


約束ね





「じゃあさ、あのことも覚えてる?」


「あのことって?」


「将来の夢、2つ言ったじゃん」



確かあの時…



「まさかっ!あれ本気だったの?」


「嘘なんかついても意味ないでしょ?」



ほんとに?


私はすごくうれしいけど


嘘だと思うと怖い



「嘘だと思うならもっかい言う」



次の言葉がわかるから


恥ずかしくて耳をふさぎたくなった


けど


これを聞かないとそーちゃんに失礼だと思って


しっかり聞いた



「僕のお嫁さんになってください」



あの頃のことを思い出す


無邪気に笑うそーちゃんが



ぼくのオヨメサンになって



といったこと


そして



もちろん



といった私のこと



「もちろん!と言いたいところだけど、まずは彼女からでも良い?」


「そうじゃんw忘れてた。なら、

僕の彼女になってください」


「もちろん」



いつも一人できていたカラオケに


大切な人もいて、


大切な約束もしてくれた


ひとりじゃないって


思わせてくれた


君の夢が叶うように


私達の約束が果たせるように



今日も頑張って生きるよ

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