テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第参期魔王討伐隊は、もはや静寂とは無縁の「超にぎやか集団」へと進化を遂げていた。何しろ、全員が底抜けに明るい。
「よし! 全員集まったな! これより、我が討伐隊の初陣を飾る作戦会議を始める!」
大河蹴介が机をバンと叩いて音頭を取ると、石神秀都が「よっ、待ってました!」と拍手で応じる。
「作戦会議の前にさ、俺の新ネタ見てよ!」
すかさず前に躍り出たのは、お笑い担当の笠原裕人だ。魔王軍の幹部のモノマネを全力で披露すると、部屋中が大爆笑に包まれる。
「ぶはは! 裕人、それ全然似てないって!」
井上泰輝が、いつも持ち歩いている愛用の白球をポンポンとトスしながら笑い転げる。まあまあイケメンな野球少年の泰輝は、どんな時でもチームの士気を上げる応援団長のような存在だ。
「ちょっと、静かにしてくれない? 裕人のネタのせいで、僕の計算式が3行もズレたんだけど」
末田渉がメガネの奥の目を吊り上げて怒る。しかし、口元がピクピクと引きつっており、今にも吹き出しそうだ。本当は裕人のネタがツボに入っている。
「別に怒らなくてもいいじゃん、渉。ただのギャグなんだし」
可愛い顔をした綿部翅が、普通のトーンで淡々と言った。
「おい、そこ。何サボろうとしてるわけ?」
背後から鋭い声が飛ぶ。童顔イケメンでサッカーの右サイドバック(DF)を担う緒方晴翔だ。
「別にお前の心配なんかしてないから。ただ、お前が足引っ張って作戦が遅れるのが迷惑なだけ。勘違いしないでよね」
プイッと顔を背ける晴翔だが、その耳の裏は少し赤い。本当は渉の体調を気遣って声をかけたのに、素直になれずにきつい言葉になってしまう。
「なっ…! 僕が足を引っ張るわけないだろ! 余計なお世話だ!」
渉も負けじとツンとした態度で返す。お互いに素直になれないツンデレ2人の無駄な小競り合いが始まると、周囲はさらに笑顔になる。
「まあまあ2人とも。晴翔の言う通り、僕たちの守備と機動力なら、どんな魔物相手でも遅れは取らないよ」
上埜瑠偉がメガネなしのイケメンな顔で爽やかに微笑み、2人をなだめる。
「そうそう。みんな怪我さえしなければ、僕はそれで十分だからね。はい、これおやつ。みんなで食べて」
檜村賢太が、穏やかな笑顔で自家製のクッキーを全員に配り始めた。誰に対しても優しく、困っている人を放っておけないお人好し。彼の存在が、チームの最高のクッションになっていた。
「全員、準備はいいか」
最後に長田零が、完璧な容姿で一同を見渡した。
「頭脳、運動神経、そして笑い。まあ…あと容姿。俺たちに隙はない。魔王城へ向けて、出発するぞ!」
「おう!!」
野球の掛け声、サッカーのチャント、そして裕人の一発ギャグが混ざり合い、第参期魔王討伐隊はどこまでも明るく、賑やかに歩き出した。
コメント
1件
わあ、めっちゃ賑やかで楽しいチームですね!それぞれのキャラが個性豊かで、ページをめくる手が止まらなかったです。特に渉と晴翔のツンデレやりとりが可愛くて、思わずニヤニヤしちゃいました🥀 賢太くんがクッキー配るシーンでチームの優しさが伝わってきて、このメンバーなら魔王討伐もきっと乗り越えられる気がします。初回からこんなに惹き込まれる作品、久しぶりです。続きが気になる〜!
如縣 遼太
435
5