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如縣 遼太
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第参期魔王討伐隊が最初に対峙した魔王軍は、彼らの明るさに負けず劣らず、どこか抜けたところのあるコミカルな前衛部隊だった。
「ヒャッハー! 人間どもめ、ここから先は通さんぞ!」
現れたのは、下級悪魔を率いる魔王軍の小隊長。しかし、その手にはなぜか巨大なハリセンが握られている。
「おいおい、なんだあいつ! 武器がハリセンって、俺への挑戦状か!?」
お笑い担当の笠原裕人が目を輝かせ、真っ先に前に飛び出した。
「いいだろう、どっちのツッコミがキレキレか勝負だ!」
「裕人、突っ走るな! …って、もう行っちゃったよ」
綿部翅が、可愛い顔にいつもの普通の呆れ顔を浮かべてため息をつく。
「よし、裕人の援護に行くぞ! 晴翔、右サイドは任せた!」
大河蹴介が抜群の俊足で地を蹴り、敵の側面に回り込む。
「言われなくても分かってるし! 別に、あいつらを助けたいわけじゃないからね! さっさと片付けたいだけ!」
童顔イケメンの緒方晴翔が、強烈なツンデレ台詞を吐きながらも、サッカーで鍛えた神業的なステップで敵の突撃を次々とシャットアウトしていく。まさに鉄壁の右サイドバック。
「ナイスディフェンス、晴翔! いくよ、プレイボール!」
野球少年の井上泰輝が、魔力で燃え盛る白球をバットで強振した。放たれた光の弾丸が、敵のど真ん中で大爆破を起こす。
「よっしゃ、ホームラン!」
「泰輝、ナイスバッティング! 俺も負けてられねえ!」
好奇心旺盛な石神秀都が、素の明るい笑顔のまま跳躍し、凄まじい運動神経で残った魔物を一網打尽にしていった。
「ふむ、僕の計算通りだね。敵の陣形は完全に崩壊しているよ」
後方で末田渉がメガネを押し上げ、フッと不敵に笑う。
「…まあ、前衛のバカどもが予想以上に動けたおかげだけどね」
素直に仲間を褒められない渉のツンデレ発言に、隣の上埜瑠偉が
「はは、そうだね」
とイケメンスマイルで微笑む。瑠偉の明晰な頭脳が、すでに敵の逃走経路を完璧に予測していた。
「みんな、怪我はない? はい、回復魔法とお水だよ」
お人好しの檜村賢太が、戦場のど真ん中とは思えない穏やかな空気でみんなに駆け寄る。
「フッ、他愛もないな」
長田零が、完璧な容姿で剣を引き抜き、最後の仕上げとばかりに小隊長を圧倒した。
「参りました〜!!」
ハリセンを持った小隊長は、絵に描いたような捨て台詞を残して逃げ去っていく。
「やったぜ大勝利!」
蹴介と秀都がハイタッチを交わし、裕人が勝利の一発ギャグを披露して、現場は再び大爆笑に包まれた。誰もが信じて疑わなかった。この最高の仲間たちとなら、どんな苦難も笑顔で乗り越えていけるはずだと。
ーーしかし、彼らはまだ知らなかった。魔王軍の奥深くで、彼らの「明るさ」と「絆」を根こそぎ破壊する、最悪の洗脳術を持つ幹部が冷酷な目を光らせて待ち受けていることを。
コメント
1件
読了しました🌙 いやあもう、冒頭からハリセン持った敵とかツッコミ対決とか、狂気すら感じるくらい明るくて笑った😂 でも一人ひとりのキャラが立ってるから、それぞれの動きが目に浮かぶみたいで楽しかった! 特に渉の「計算通りだけど…前衛のバカどもが予想以上に動けたおかげだけどね」ってツンデレ台詞、好きすぎる🥀 そして最後の「洗脳術」の伏線、一気に空気が変わって鳥肌が立った。この明るさがどう壊されていくのか…続きが待ちきれないです。千導さんの作品、初めて読んだけど、もう引き込まれてる。