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鋭い痛みが全身を走った後、
目を開けると、
「ッ、涼ちゃん、若井?」
花畑にいた。
「「元貴?」」
2人は俺に気づいて、少し驚いたような、でも少し悲しいような顔をしていた。
「涼ちゃんッ、若井ッ」
足を1歩1歩踏み出すと、死んだはずなのに感覚がリアルで驚いた。
「涼ちゃんッ」
決めてた。
あの頃のままの君に、
また出会えたら、
今度はちゃんと手を握ると。
「涼ちゃん、会いたかった、」
ギュッと涼ちゃんに抱きついても、若井も涼ちゃんも黙ったままだった。
「ぇ、涼ちゃん?若井?」
よく見ると、2人は白い服を着ている。
俺は自分の手を見ると、
「ッ、ぇ、」
半透明で、今にも消えそうだった。
「涼ちゃん?!、若井?!」
涼ちゃんは、抱きついた俺からばっと離れ、
「まだ来れないみたいだね。」
そう言って、
ドンッ
また突き飛ばした。
今度は唇の形が、ごめんね、ではなく、ありがとう、と動いていた。
そして、果てしない空に落ちていく感覚に陥る。
やっと会えたのに。
なんでまた突き放すの?
違うか。
俺は人を殺したから
此処にはいてはいけないのか。
なら、なんであんなことを言ったの?
『まだ来れないみたいだね。 』なんて。
まだ、って。
いつか会えると、信じていいの?
次回、いよいよ最終話です。(めちゃくちゃ長いです。)