テラーノベル
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体調も順々も回復し、今はもう普通の生活をしている。
普通というのは、先輩が毎日起こしに来てくれて、沢山ご飯を食べて、沢山話して、勉強すること。
それが今の俺の普通。
特別裕福な生活ではなくて、誰にでもあるようなそんな幸せ。
それは俺が望んだ以上のものだった。
先輩とはまだ慣れなくて、敬語は完全に抜けきれなかった。
呼び方もそのままだ。
ななもり「体調良くなって良かったね」
ななもり「今日、初めて学校だもんね」
さとみ「俺らはないから、2人でいきな」
ジェル「心配やし、着いてこか?」
るぅと「大丈夫です!」
ころん「心配だよぉぉ」
るぅと「母親じゃないんだから笑笑」
莉犬「…」
さとみ「莉犬は緊張してる?」
莉犬「いえ…そんなことはないですよ」
さとみ「ほぉん笑」
ジェル「怖かったら帰っておいでな」
ななもり「そんなことないと思うけどね笑」
るぅと「そろそろだ!」
るぅと「いってきまーす!」
莉犬「行ってきます…」
正直言うと、馬鹿みたいに緊張している。
心臓が出てしまいそうになるぐらい、どくどくと鼓動を鳴らし吐き気まで襲ってくる。
るぅと「莉犬がクラス同じで良かった!」
莉犬「俺も」
るぅと「元気になって良かったね」
莉犬「そうだね」
るぅと「お、ここじゃない?」
部屋の前には1年A組と書いてある。
正真正銘、俺たちのクラスである。
この学校はクラスによって成績が異なり、
ABCDの順に成績優秀者が集まっている。
つまり、俺たちA組は学年の中でトップの
クラスだと言うことだ。
そう思うと、中学の頃頑張った俺の頭を撫でてやりたい気持ちになる。
生徒「やっほー!」
生徒「君、A組の人?」
ふたり「はい!/はい」
生徒「おぉ!じゃあおんなじだね!」
生徒「これからよろしく!」
生徒「名前は?私は春奈。」
るぅと「僕はるぅと!こっちは莉犬です!」
春奈「いい名前だね!これからよろしく!」
莉犬「よろしくね」
春奈は話を聞くと、親が単身赴任中で家におらず今は1人で暮らしいているらしい。
お金の面は両親から毎月入金があるから大丈夫なんだという。
中学の頃、いじめられたためそれから逃げるためにこの学園に入学したと聞いた。
るぅと「大変でしたね…」
春奈「まぁね!」
春奈「でも、いい思い出もあるからいいの」
“いい思い出“というのは、文化祭のことらしい。
中々生徒の名前を覚えてくれない先生が、私の名前だけは間違えずにしっかり答えてくれたらしい。
その先生は学校の中でもかなりのイケメンでとてつもない人気があっそうで、その話はすぐに広まり、凄い仕打ちにあったらしい。
春奈「嬉しかったなぁ」
彼女はよく笑う。
俺とは真反対な性格なような気がする。
どんなに暗い過去であっても今の彼女は太陽のような暖かさを感じてしまう。
それはきっと彼女の良いところなのだろう。
春奈「あ!先生きた!」
春奈「また話そ!」
そう言って席に着く、春奈さんはとても楽しそうに生き生きとしていた。
ここに来れた嬉しさを噛み締めているようだ。
先生「このクラスの担任になりました」
先生「五十嵐和馬です。」
先生「これからよろしくね」
その先生は若手の先生で、いかにも熱血教師という感じであった。
顔は童顔で、特別イケメンなわけではないが思わず見てしまうような親しみやすい顔をしている。
先生「名前は少しずつ覚えさせてもらうよ」
先生「相談はなんでも受け付けてます」
先生「質問ある人!」
生徒「彼女さんいますか!」
先生「残念ながら笑」
春奈「はい!先生はなんの科目ですか?」
先生「お、それ大事だね」
先生「私は数学教師だよ、君たちの担当だ!」
先生「質問ありがとう、春奈さん」
春奈「名前…」
先生「大体の子の名前はもうわかるよ」
生徒「先生やっさしい〜」
春奈は少し遠いところから来ているとは聞いてはいるが、やはり有名な学校であるがために数人の知り合いはいるようだ。
先ほどから彼女に矢のような視線を向けている女の子がいる。
俺がその被害者だったら耐えられない。
少しずつ心の中に黒いモヤが広がっていく。
まるで楽しかった記憶を消していくように。
虹色のキャンパスを真っ黒に塗りつぶされたように。
るぅと「莉犬?大丈夫?」
指先が冷たくなって、冷や汗をかいていた。
確かに心配にもなるだろう。
莉犬「大丈夫」
先生「莉犬さん、保健室いきましょうか?」
先生「少し顔色が悪いですよ」
プリントを配りつつ、生徒からの視線をくぐり抜け横に座り声をかけてきた。
莉犬「大丈夫です、」
先生「無理はダメですよ?」
莉犬「わかってます、」
るぅと「まぁまぁ、見ておきますから」
るぅと「今回だけは…!」
先生「そこまで言うなら…」
先生「お兄さんから聞きましたよ」
先生「この前まで体調悪かったんですよね」
先生「本当に大丈夫?」
莉犬「大丈夫だって言ってますッ!!」
莉犬「何回も言わせないで下さい…」
先生「ごめん」
先生「ちゃんと言うんだよ」
そう言って席を離れる先生はとんでもなく過保護だと思う。
まるで、両親と同じように。
前まで感じなかった鬱陶しさを身に沁みて感じてしまう。
成長を過ごしずつ実感していった。
身長も顔も体重もあの時から変わらない。
だから、これが最初で最後の成長を感じた時なのではないかとそう思った。
もっと、身長が高ければ良かったのに。
好き嫌いがなくて、なんでも食べられれば良かったのに。
もっと大人っぽい顔つきで、俺がいるだけで皆が安心できれば良かったのに。
そんな後悔がいつまでたっても、頭をよぎる。
コメント
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待ってました😍 今回も最高です 続き楽しみにしてます😊