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おお、第97話読んだわ…この通りすがりの侍、めっちゃかっこよすぎぃ!柄頭で軽く触れただけで二人仕留めるって、もうね、強者の余裕が滲み出てて震えた。それに「名乗るほどの者ではありやせん」って台詞が渋すぎるだろ。唯我の胸騒ぎも気になるし、次の展開が待ち遠しい🔥
老人・貞中慈鬼の案内で、三人は神社へ向かうことになった。
ガタガタと揺れる軽トラック。
舗装もされていない山道を、ゆっくりと進んでいく。
タイヤが砂利を踏むたび、車体が大きく揺れた。
「この先に神社があってな」
ハンドルを握る慈鬼が静かに口を開く。
「昔、山を掘った時に妙な刀が出たって話がある。たぶん、お前さんたちが探している場所はそこじゃろう」
「ありがとうございます」
一祟は丁寧に頭を下げた。
ふと何かを思い出したように尋ねる。
「そういえば……まだお名前を聞いていませんでした」
老人は穏やかに笑う。
「わしか?」
「**貞中慈鬼(さだなか・じき)**という」
「よろしくお願いいたします」
一祟が再び頭を下げる。
それきり、車内は静かな空気に包まれた。
響くのはエンジン音だけ。
唯我は窓の外へ目を向けながら、そっと胸に手を当てる。
(……何だ、この胸騒ぎは)
ただの任務ではない。
何かが、この山で待っている。
言葉にできない不安が、胸の奥で静かに膨らんでいく。
――その頃。
山奥の神社。
朽ちかけた鳥居の前には、二人の男が立っていた。
「この道で間違いねぇんだろうな?」
「ああ。ここにあるらしいぜ」
男はニヤリと笑う。
「あの伝説の名刀――鬼哭丸がな」
「神話級の刀だって話だ。戦争でも使われたとか何とか」
「見つけりゃ一生遊んで暮らせる金になるぜ」
下卑た笑い声が森へ消えていく。
その時だった。
――コツ。
――コツ。
静かな下駄の音が近づいてくる。
二人が振り返る。
そこに立っていたのは、一人の男。
武笠を深く被り、古びた和服を身にまとっている。
腰には、一振りの刀。
まるで時代劇の世界から現れた侍だった。
「……何だ、あの格好」
「コスプレか?」
「それとも頭でもおかしいのか?」
侍は答えない。
二人の横を、そのまま通り過ぎようとする。
「おい、待ちな」
無視。
「てめぇ、人を無視するとはいい度胸じゃねぇか!」
男が腕を掴もうとした、その瞬間――。
トン。
刀の柄頭が、男の腹へ軽く触れた。
本当に、それだけだった。
「……え?」
次の瞬間。
男は白目を剥き、その場へ崩れ落ちる。
ドサッ――。
あまりにも速すぎた。
何が起きたのか、誰にも見えなかった。
#いじめ
るあ🩵🦊🌙(病み期)
213
#近未来
鳳蓮荘
1,017
80
玖(キュウ)
343
残された男の額から汗が流れる。
「な……何者だ、お前!」
侍は足を止める。
静かな声だけが返ってきた。
「……名乗るほどの者ではありやせん」
「ふざけやがって!」
男は怒鳴る。
「よくも仲間を!」
侍は振り返ることなく答えた。
「先に仕掛けてきたのは、そちらですぞ」
「この野郎!」
男はナイフを抜き、一気に飛びかかる。
しかし――。
「哀れな」
侍は半歩だけ身体をずらした。
そして。
コツン。
再び柄頭が腹へ触れる。
たった、それだけ。
男は膝から崩れ落ち、そのまま意識を失った。
森に静寂が戻る。
侍は倒れた二人を一瞥することもない。
ただ、神社の奥へ視線を向ける。
風が武笠を揺らした。
「……鬼哭丸か」
低く漏らした、その一言。
何を思っているのか、その表情は見えない。
やがて侍は踵を返し、静かに歩き始める。
コツ……
コツ……
コツ……
下駄の音だけが、静かな山奥に長く響き続けていた。
その姿は、まるで幻だった。