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まぁ今回も…ね?読みにくい
照の車が消えてから数時間。康二が向かったのは、阿部のマンションだった。深夜、突然の訪問者にもかかわらず、阿部は薄いシルクのガウンを羽織り、優雅にワイングラスを傾けながら康二を迎え入れた。
「……ひどい顔だね、康二。雨に濡れて、泥だらけだ」
阿部は楽しそうに目を細め、ソファに深く腰掛ける。康二はその場に崩れ落ちるように膝をつき、冷たいフローリングに額を擦り付けた。
「阿部ちゃん……お願いや。めめを、めめを助けて……!」
「僕に? 蓮をあんな風にした僕に、助けてくれって言うの? 冗談が上手だね」
「わかってる! アンタが一番めめを傷つけたことも、全部わかってる……。でも、照くんのところにおったら、めめは本当に死んでしまうんや!」
康二の叫びが静かな部屋に響く。
照の独占欲はもはや病気だ。あのまま自宅に閉じ込められれば、めめは二度と光を見ることなく、ただの「肉塊」として飼い殺されてしまう。
「照くんからめめを奪い返せるのは、アンタしかおらん……。阿部ちゃんの頭脳なら、照くんの裏をかけるやろ? お願いや、何でもする。俺の命でも何でもあげるから……っ!」
阿部はしばらく無言で康二を見下ろしていたが、やがてクスクスと低く笑い出した。彼はゆっくりと立ち上がり、康二の髪を優しく、けれど逃がさないように掴んで顔を上げさせる。
「何でもする、ね。……じゃあ、もし蓮を奪い返せたら、そのあとはどうするの?」
「それは……俺が、俺が一生支えて……」
「ダメだよ、康二。君みたいな『良い子』じゃ、蓮を癒せない。……僕が蓮を奪い返してあげる。その代わり、蓮の新しい飼い主は僕だ。君は、その隣で一生、僕たちが愛し合うのを特等席で見ていなよ」
阿部の瞳は、照とはまた違う、底知れない狂気に満ちていた。
康二は絶望に顔を歪める。めめを照から救い出すことは、阿部という別の地獄に突き落とすことと同義だった。
「……わかった。それでもええ。めめが、あの部屋から出られるなら……」
「いい返事だ。……契約成立だね」
阿部は満足げに微笑むと、手元のスマートフォンを操作し始めた。その画面には、照のマンションのセキュリティをハッキングしているような、複雑なコードが流れている。
「準備して。照が蓮を『壊しきる』前に、僕たちのところへ連れ戻しに行こうか」
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