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私は今見たものが信じられなくて、その場で固まっていた・・・
ゆっくり柚彦君が私に近寄ってくる・・・・
「鈴ちゃん 大丈夫?」
途端に彼から放たれている電磁波のようなエネルギーが、スイッチを切ったように収まった
心なしか、髪の毛も逆立っていたような、血気も嘘のように消えていた
・・・今見たものは・・・なんだったの?
私は咄嗟に思った
さっきの未知の世界から来た戦士のような柚彦君は、完全に消え去っていた
「ええ・・・大丈夫よ・・・」
大嘘だったが、私を労わってくれている柚彦君は、間違いなく私の好きな柚彦君だ、嬉しくて涙が出た
ちっとも大丈夫なんかじゃない、俊哉に捻られた手首はズキズキしているし、震えは収まらない
「よしよし・・・酷い目に合ったね・・・ 」
彼に優しく胸に抱き寄せられ、顔がくしゃくしゃになり、喉がわななく・・・
私は彼の柔らかいTシャツに顔を押し付けた、彼の家の柔軟剤の良い匂い・・・私が選んだ柔軟剤だ
いっそのこと彼の胸ポケットにもぐりこんでそのまま丸まってしまいたい
私は泣きながら考えた
でもちゃんと説明しなければ・・・・
俊哉は別れた夫で、付きまとわれたのも今回が初めてだって
二度とこのような事が無いように気を付けるって言わなきゃ
そして・・・
彼の頬の手当てをして・・・
それから・・・
ってちょっと待って!何でこの人はこんなに強いの?私は目をぱっちり開いてさっきの光景を思い出した
「柚彦君・・・あのね・・・」
「ああっ!もうこんな時間だ!鈴ちゃん!一緒に来て! 」
「え?・・・ 」
「はやく!はやく!本当は君を迎えに来たんだ 」