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「なに? もうねぇよ。うちの実家狭いんだから」
「じゃあさ、俺の制服、家から取って来るから!」
「くるから、何だよ」
「本格的に、しよ!」
「……なにをっ!?」
幾ヶ瀬の乳首を布越しにギュッとつねる。
「痛っ」と彼は顔をしかめたが、例によって懲りた様子はない。
「次は制服着てよ。もっとちゃんと設定つくって打ち合わせてからやろう! 今日はお互いに手探りだったし、どうにも噛みあわなかったし」
「幾ヶ瀬ぇ? レパートリーが増えたみたいに思ってんだろ」
「あはは。何言ってんの。ねぇ、有夏?」
声が少し低くなる。
身構えるように有夏の身体に力が入る。
「有夏、今日すごく感じたでしょ?」
「うっ……」
そんなふうに言われてキュンとお尻で感じたか、有夏が頬を染める。
「またしようね、学校編」
「編って……そんなじゃなくて、普通にすりゃいいだろが」
「何? 普通に俺に抱かれたい?」
「………………うん」
「でもなぁ、有夏がマンネリで嫌だって言ったから。だから、俺いろいろ考えて……」
「しつこっ!」
低い笑い声。
しばらく無言で抱き合っていたのだが、幾ヶ瀬がごそごそとゴーヤTシャツを引っ張るのに、有夏は怪訝そうに顔をあげた。
「脱いで、これ。下も」
「なに? またすんのかよ?」
言いながらも素直に両腕をあげて幾ヶ瀬にTシャツを脱がされる。
されるがままに、短パンも。
「ちょっと待ってね」
幾ヶ瀬は自分も全部脱ぐと、ゆっくり有夏を抱きしめた。
「どした? もっかいすんの?」
「違うよ。こうやってくっ付きたかっただけ」
「ん……」
コロリと横になって抱きしめ合う。
有夏の瞼がとろりと重くなってきたタイミングで、幾ヶ瀬が「あーあ」と明るい声を出した。
「いいな、旅行。あのTシャツは正直どうかと思うけど。お土産Tシャツシリーズのセンスは相当酷いと思うけど。でもなぁ、沖縄かぁ。いいなぁ」
「そぉ?」
「沖縄もいいけど、温泉とかどうだろう。ね、有夏。今度温泉に行こうよ」
「は? やだよ。どうせ有夏に浴衣着せてムラムラしたいだけだろが」
幾ヶ瀬、うっと怯む。
「よ、よく分かったね」
「長い付きあいじゃねぇの」
甘い笑い声。
そのまま有夏は目を閉じた。
やがて聞こえてきた寝息につられて、幾ヶ瀬も目を閉じる。
「焦らしたあげく禁断のラブロマンス、なんてプレイを」完
「有夏チャンのこっちのおクチはウソがつけない!?」につづく