あてんしょん
これは主の単なる妄想です。
fknb
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彼の手作りは美味しいんです。
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「はぁ……疲れた…」
「おつかれ、今日も残業してたの?」
「まぁそんな感じ……」
俺の彼氏はとある会社…いわゆるブラック企業という名が付く場所で働いている。
定時で帰れないのは当たり前。上司よりも先に帰れないのも当たり前。
最近だと24時ギリギリに帰ることが増えた。
「…ねぇふっか」
「ん?」
「…疲れてる時は甘いもの食べるといいんだよ」
「…甘いもの?」
「うんっ…俺ね、時間があったからクッキー作ってみたの。」
「えっ、なべクッキー作ったの!?」
「何その驚き様…」
「いや…なべが俺にお菓子なんてなかなか作らなかったからさ。珍しくて。」
「…久しぶりにしたから保証は無いけど…食べる?」
「もちろん食べる」
ー fk side ー
なべが久しぶりにお菓子を作ってくれた。
なべがお菓子…甘いものを作るのは約半年ぶりだろう。
半年前、俺の誕生日にケーキを作ってくれた以来だ。
「…すげぇ」
クッキーにはちょこがコーティングされていて、そのうえ、きらきらとしている飾りも付いていた。
「その飾りは食べれるヤツだよ」
「砂糖とかでできてるあれ、?」
「そうそう。でもこれはホワイトチョコのだから食べれる。」
「…詳しくなったね」
「まぁ…ふっかがお仕事忙しいじゃん?だから一人の時間多くて暇してるんだもん。」
「ははっ…じゃあこれからは融通の利く仕事場探すわ。笑」
「ん……」
俺はかわいた笑い声を出しながらなべの頭をくしゃくしゃに撫でる。
嫌そうな声を出す反面、その顔の口元は緩々になっていた。
「…じゃあ、いただきます。」
「ん、どうぞ召し上がれ。」
久しぶりに食べるチョコのコーティングをされたクッキーは
ほろ苦くて甘かった。
end
コメント
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わぉ、食べてぇ