テラーノベル
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温泉旅行から日が経った頃。
事務所のダンススタジオ。
夜。
人も少なくて静か。
音楽だけが流れてる中。
〇〇が一人で踊ってる。
真剣な表情。
何度も同じ振りを繰り返す。
曲が止まる。
〇〇「……はあ」
軽く息を吐く。
その時。
ガチャ。
慎太郎「お、いた」
〇〇「え、慎太郎?」
慎太郎「まだやってんの?」
〇〇「ちょっとね」
慎太郎「すげーなほんと」
笑いながら中に入ってくる。
〇〇「そっちは?」
慎太郎「仕事終わり」
慎太郎「なんか音してたから覗いた」
〇〇「なるほどね」
慎太郎は壁にもたれて座る。
慎太郎「てかさ」
慎太郎「ほんとストイックだよな」
〇〇「そうでもないよ」
慎太郎「いや、あるって」
〇〇は少し笑って、床に座る。
静かな空気。
でも居心地いい。
慎太郎「最近どう?」
〇〇「なにが」
慎太郎「仕事とか」
〇〇「普通」
慎太郎「絶対普通じゃないだろ」
〇〇「まあ忙しいけど」
慎太郎「だよなー」
少し雑談が続く。
仕事の話。
最近の趣味。
ちょっとしたくだらない話。
〇〇「慎太郎は?」
慎太郎「俺?」
慎太郎「最近は…」
少し考える。
慎太郎「ゲームと、あと筋トレ」
〇〇「出た笑」
慎太郎「なんだよ」
〇〇「らしいわ」
2人で笑う。
少し間。
慎太郎「……でさ」
〇〇「ん?」
慎太郎「恋愛は?」
急に振る。
〇〇「急だね」
慎太郎「いいじゃん」
〇〇「ないよ別に」
慎太郎「ほんとに?」
〇〇「うん」
慎太郎「気になる人とか」
〇〇「……」
少しだけ止まる。
慎太郎、見逃さない。
慎太郎「いるじゃん」
〇〇「いや」
少し視線を逸らす。
慎太郎「誰」
〇〇「別にそんなんじゃない」
慎太郎「出たそれ」
〇〇「ほんとに」
慎太郎「じゃあ名前」
〇〇「なんで言うの」
慎太郎「気になるから」
少し沈黙。
〇〇「……」
慎太郎「まさかさ」
慎太郎「この前言ってたやつ?」
〇〇「……」
慎太郎「高橋恭平?」
〇〇「……うん」
小さく認める。
慎太郎「やっぱりかー」
〇〇「いやでもさ」
すぐに続ける。
〇〇「好きとかじゃないよ?」
慎太郎「はいはい」
〇〇「ほんとに」
慎太郎「どこがいいの」
〇〇「え?」
慎太郎「恭平の」
〇〇「……」
少し考える。
〇〇「なんか」
〇〇「やっぱり一緒にいて楽」
慎太郎「へえ」
〇〇「あと」
〇〇「優しいし」
慎太郎「うん」
〇〇「変に気使わないでいられる」
慎太郎「……」
少しだけ反応が変わる。
慎太郎「それさ」
〇〇「なに」
慎太郎「他にもいるくない?」
〇〇「え?」
慎太郎「同じ感じのやつ」
〇〇「……?」
慎太郎は少しだけ笑う。
慎太郎「いや、なんでもない」
〇〇「なにそれ」
慎太郎「気にすんな」
でもその言葉が少し引っかかる。
〇〇「……でも」
慎太郎「ん?」
〇〇「なんかさ」
〇〇「分かんないんだよね」
慎太郎「何が」
〇〇「これが何なのか」
慎太郎「気になるってやつじゃん」
〇〇「そうなのかな」
慎太郎「そうだろ」
〇〇「でも」
少し間。
〇〇「ドキドキはしない」
慎太郎「……」
慎太郎「じゃあ違うな」
即答。
〇〇「でしょ?」
慎太郎「うん」
〇〇「なんか違うんだよね」
慎太郎は少しだけ視線を逸らす。
慎太郎「……ややこしいな」
小さく呟く。
〇〇「なにが」
慎太郎「いや別に」
ーーーーー
慎太郎side
でも内心では。
“それ、北斗じゃね?”って思ってる。
慎太郎「……」
何も言わない。
〇〇はまだ気づかない。
スタジオの空気は変わらない。
でも。
少しだけ。
見えない感情が動き始めてる。
事務所の外。
夜。
ーーーーーーーーー
慎太郎「帰る?」
〇〇「帰る!!」
慎太郎「じゃあ乗るか」
〇〇「うん」
タクシーに乗る。
ドアが閉まる。
慎太郎が行き先を伝える。
車が走り出す。
しばらく静か。
〇〇「……はあ」
シートに体預ける。
慎太郎「お疲れ」
〇〇「疲れた普通に」
慎太郎「そりゃあんだけ踊ってたらな」
〇〇「気になると止まらないんだよね」
慎太郎「職人かよ」
〇〇「でしょ」
少し笑う。
また少し静か。
慎太郎「……さっきの話」
〇〇「ん?」
慎太郎「恋愛の」
〇〇「あー」
少しだけ視線を外す。
慎太郎「恭平」
〇〇「……うん」
慎太郎「どうなの結局」
〇〇「どうって?」
慎太郎「好きなのかどうか」
〇〇「……」
少し考える。
〇〇「好きじゃないと思う」
慎太郎「“思う”ね」
〇〇「うるさい!!」
慎太郎「曖昧すぎるだろ」
〇〇「だって分かんないし」
慎太郎「どこがいいの?」
〇〇「え」
慎太郎「恭平の」
〇〇「……」
少し考える。
〇〇「やっぱ楽」
慎太郎「楽?」
〇〇「うん」
〇〇「一緒にいて気使わない」
慎太郎「へえ」
〇〇「あと優しいし」
慎太郎「……それだけ?」
〇〇「それだけってなに」
〇〇「てかさっきもこの話したじゃん」
慎太郎「いや」
慎太郎「なんか弱くない?」
〇〇「は?」
慎太郎「理由として」
〇〇「いや普通じゃない?」
慎太郎「普通だけどさ」
少し間。
慎太郎「それ、別に恭平じゃなくても当てはまるくない?」
〇〇「……え?」
慎太郎「同じこと言えるやつ、他にもいるだろ」
〇〇「……誰」
慎太郎は少しだけ笑う。
慎太郎「いるって」
〇〇「いない!」
慎太郎「いる!」
〇〇「だから誰」
慎太郎「言わない」
〇〇「なんで!」
慎太郎「気づいた方がいいから」
〇〇「なにそれ」
少しムッとする。
また静かになる。
車の中、街の光が流れる。
〇〇「……でも」
小さく呟く。
慎太郎「ん?」
〇〇「違うと思う」
慎太郎「そっか」
短く返す。
でもそのあと。
慎太郎「じゃあさ」
〇〇「なに」
慎太郎「ドキドキするやつ、ちゃんといる?」
〇〇「……」
止まる。
すぐには答えない。
慎太郎「いないなら」
慎太郎「まだ分かってないだけだろ」
〇〇「……」
外を見る。
少しだけ考える顔。
〇〇「……分かんない」
慎太郎「だろ」
また静かになる。
でも。
〇〇の中に、少し引っかかるもの。
“楽で落ち着く”
それって本当に恭平なのか。
でもまだ分からない。
慎太郎は何も言わない。
ただ少しだけ意味ありげに前を見てる。
静かな帰り道。
少しだけ、何かがズレ始めている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー次の日。🌙
夜。控室。
スマホスタンドとライトがセットされてる簡易スペース。
〇〇はソファに座ってスマホ見てる。
ドアが開く。
「おつかれー」
入ってくるのは 高橋恭平。
そう、私たちはこの度ドラマで共演をする。
〇〇「遅い!!」
恭平「いや5分前やって」
〇〇「体感15分」
恭平「知らんがな」
〇〇「待たせた側が言うな!」
恭平「待たせてないねんて」
〇〇「はいはい」
恭平「雑」
〇〇「どうでもいい」
恭平「ひど」
笑いながら〇〇の隣にドンって座る。
距離近い。
肩、軽くぶつかる。
〇〇「近い」
恭平「狭いねんここ」
〇〇「言い訳下手すぎ」
恭平「ほんまやって」
〇〇「はいはい」
恭平、わざともう一回肩当てる。
〇〇「やめて笑」
恭平「なんで」
〇〇「うざい」
恭平「うざい言うな」
軽く腕つつく。
〇〇「ちょ、やめて」
恭平「反応おもろい」
〇〇「最悪」
でもちょっと笑ってる。
恭平「今日インライやろ」
〇〇「うん」
恭平「絶対変なこと言うやん」
〇〇「言わない」
恭平「言う」
〇〇「言わない」
恭平「賭ける?」
〇〇「何賭けんの」
恭平「負けたら飯」
〇〇「いいよ」
恭平「よし決まり」
〇〇「後悔しないでね?」
恭平「それ俺のセリフな?」
笑う。
恭平がスマホの位置調整しに立ち上がる。
〇〇も立とうとして、
タイミング被る。
コツン
肩ぶつかる。
〇〇「ちょ、また」
恭平「お前が来たんやろ」
〇〇「そっちでしょ」
恭平「いや俺先」
〇〇「いや私」
恭平「じゃあ同時やな」
〇〇「意味わからん」
近い距離のまま少し見合って、
どっちからともなく笑う。
スタッフ「本番いきまーす」
〇〇「よし」
恭平「いくで」
配信スタート。
〇〇「こんばんは〜!」
恭平「どうもー!」
コメント一気に流れる。
〇〇「今日から新ドラマ始まります〜」
恭平「『子犬系男子に沼りました』です」
〇〇「タイトル強すぎ」
恭平「俺のことやからな」
〇〇「自分で言うな!!」
恭平「合ってるやろ」
〇〇「全然!」
恭平「どこがやねん」
〇〇「犬感ゼロ」
恭平「は??」
〇〇「猫」
恭平「なんでや」
〇〇「気分屋だから」
恭平「それ悪口やろ」
〇〇「事実」
恭平「ひどい先輩やわ」
〇〇「でも恭平の方が年上やろ」
恭平「あ、そうやった」
〇〇「忘れんな」
恭平「でも先輩やん」
〇〇「そこはちゃんとしろ?」
恭平「めんどくさ」
〇〇「聞こえてる」
2人で大笑い。
コメント欄「仲良すぎ」「距離近い」
恭平「“仲いいですか?”やって」
〇〇「いいよ普通に」
恭平「普通ってなんなん」
〇〇「え、だって楽だし」
恭平「出た」
〇〇「なに」
恭平「それ好きなやつの言い方」
〇〇「違う」
恭平「はや」
〇〇「違うって」
笑いながら否定。
恭平「じゃあ俺は?」
〇〇「なにが」
恭平「どういう存在なん」
〇〇「…犬じゃない人」
恭平「なんやそれ」
〇〇「わかるでしょ」
恭平「わからんわ」
〇〇、笑いながら軽く恭平の腕叩く。
恭平「痛っ!」
〇〇「大げさ」
恭平「ほんまに痛い」
〇〇「嘘つけ」
恭平「じゃあやり返すで」
〇〇「やめて」
恭平、軽く肩ぐいって寄せる。
〇〇「ちょ、やめろって」
恭平「逃げんなや」
〇〇「近いって!」
笑いながら軽く押し返す。
でも距離戻らない。
コメント欄「イチャイチャすな」「付き合ってる?」
〇〇「付き合ってないです」
恭平「即否定やめて」
〇〇「事実でしょ」
恭平「まあそうやけど」
〇〇「でしょ」
また笑う。
恭平「質問読むで」
〇〇「どうぞ」
恭平「“お互いの好きなところは?”」
〇〇「えー」
恭平「はよ」
〇〇「うるさい」
恭平「なんで悩むねん」
〇〇「え、いっぱいあるけど」
恭平「お、きた」
〇〇「楽」
恭平「またそれ」
〇〇「あと優しいし」
恭平「まあな」
〇〇「あと」
少しだけ考えて、
〇〇「一緒にいて楽!!」
恭平「それ一個目と一緒やん」
〇〇「いいの」
恭平「雑すぎるやろ」
〇〇、笑いながら恭平の肩に軽く寄りかかる。
〇〇「はい終わり」
恭平「終わらすな」
そのまま自然に近い距離。
恭平も少しだけ肩寄せる。
コメント欄さらに荒れる。
恭平「じゃあ俺も言うわ」
〇〇「なに」
恭平「ノリ合う」
〇〇「それはそう」
恭平「あとおもろい」
〇〇「ありがとう」
恭平「あと距離近い」
〇〇「それお前な」
恭平「いやお前もや」
〇〇「違う」
恭平「今もやん」
〇〇「…」
一瞬気づいて、
〇〇、少しだけ離れる。
〇〇「はい次」
恭平「逃げた」
〇〇「逃げてない」
恭平「顔赤いで」
〇〇「赤くない」
恭平「赤い」
〇〇「うるさい」
また笑い合う。
配信はそのままいい空気で進む。
ふざけて、触れて、笑って。
ずっと距離は近いまま。
ーーーーーーーーー
〇〇side
楽
ほんとに楽
でも、
一瞬だけよぎる。
ドキドキは、しない
でも顔には出さない。
いつも通り笑う。
「じゃあ最後告知いきまーす」
恭平「お願いします」
〇〇「木曜21時からです、ぜひ見てください」
恭平「お願いします!」
〇〇「ありがとうございました〜」
恭平「バイバーイ」
配信終了。
画面が暗くなる。
空気が、ほんの少しだけ変わる。
ーーーーーーー
北斗side
部屋。
静か。
照明もつけっぱなしのまま、ソファに座ってる。
テレビでもなく、パソコンでもなく、
北斗の手元にあるのはスマホ。
画面にはさっきまでのインスタライブのアーカイブ。
再生、止める。
また再生。
また止める。
同じところで。
〇〇が笑ってる。
その隣で、高橋恭平が笑ってる。
距離、近い。
近すぎるくらい。
「……はあ」
小さく息を吐く。
親指で画面を止めたまま、
そのまま動かない。
肩、ぶつかってたとこ。
腕、叩いてたとこ。
寄りかかってたとこ。
全部、焼き付いてる。
「……あいつ」
小さく呟く。
楽しそう。
普通に。
いつも通り。
それが一番きつい。
「楽、ね」
さっきの言葉、頭の中で繰り返す。
“楽だし”
“ノリ合う”
北斗、少しだけ笑う。
でも全然笑ってない。
「……それ、俺もだろ」
ぽつり。
〇〇にとって、
“楽でいられる存在”
それは別に、
特別じゃない。
メンバーの言葉みたいに、
“他にもいるやつ”。
北斗、スマホをテーブルに置く。
でもすぐまた手に取る。
再生。
「近いって!」
笑いながら押し返す〇〇。
でも完全には離れない距離。
北斗の視線、そこから動かない。
「……やめろって」
誰に言ってるのか分からない声。
胸の奥がじわっと重くなる。
嫉妬。
って言葉にするほど、
分かりやすくもない。
ただ、
気に食わない。
「……あいつも、普通に触るし」
低く呟く。
〇〇も避けない。
笑ってる。
受け入れてる。
それが全部、
現実。
北斗、頭を後ろに預ける。
天井を見る。
「……だる」
目を閉じる。
でもすぐ、
さっきの言葉が浮かぶ。
“ドキドキしない”
一瞬、止まる。
「……は?」
小さく目を開ける。
そこだけ、
引っかかる。
「……ドキドキ、しないのかよ」
少し考える。
あの距離で。
あのテンションで。
あれだけ触れてて。
それでも、しない。
北斗、ゆっくり起き上がる。
「……じゃあなんなんだよ」
“楽”
“ノリ合う”
それだけ。
「……それでいいのかよ」
誰に言ってるのか分からない。
でもその奥で、
別の感情が動く。
“じゃあ、まだだ”
完全に持っていかれてるわけじゃない。
北斗、スマホを見下ろす。
再生ボタン、押さない。
「……まだ、間に合うだろ」
小さく呟く。
でもその顔は、
全然余裕なんてなくて。
焦りと、
苛立ちと、
少しだけの希望。
全部混ざってる。
静かな部屋。
でも北斗の中だけ、
確実に
何かが動き始めてる。
ーーーーーーーーー
Xトレンド
「〇〇恭平」
「距離近すぎ」
「インライやばい」
「ほぼカップル」
「ドキドキしない発言」
――――――――――
【ファンの反応(X)】
「〇〇と恭平のインライ、ガチで距離バグってたんだが」
「肩ぶつけ合ってんの何???普通にイチャイチャ」
「寄りかかってたよね???見間違いじゃないよね??」
「“楽”って言い方リアルすぎて逆に無理」
「ドキドキしないって言われてんのにあの距離感なのやばい」
「恭平、距離詰めるのナチュラルすぎて怖い(好き)」
「〇〇も普通に受け入れてるのなんなん???」
「否定はするのに距離は離れないのずるい」
「これドラマ宣伝じゃなくてリアル見せられてる?」
「“付き合ってないです”の即答、逆に怪しいやつ」
「ドキドキしない=まだワンチャンあるってこと?」
「楽って一番危ないやつじゃない?」
「この2人、付き合ってない方が嘘だろ」
「いやでも〇〇、恋愛感情なさそうなのがリアル」
「恭平→〇〇はありそう、〇〇→恭平はまだな気がする」
「これから好きになるパターンでは??」
「距離近いのにドキドキしてないの逆に強い」
「〇〇ちゃん無自覚で人落とすタイプだよね絶対」
――――――――――
【ネットニュース記事】
《人気女優、timelesz姫野〇〇となにわ男子高橋恭平のインスタライブが話題沸騰 “距離感”にファン騒然》
新ドラマ『子犬系男子に沼りました』の放送を前に、主演の姫野〇〇と共演の高橋恭平が実施したインスタライブが、SNS上で大きな反響を呼んでいる。
配信中、2人は終始リラックスした様子でトークを展開。軽妙な掛け合いに加え、肩が触れ合うほどの距離感や自然なボディタッチが見られ、視聴者からは「本当に仲が良いのが伝わる」といった声が相次いだ。
特に注目を集めたのは、姫野が高橋に対し「一緒にいて楽」と語った場面。高橋も「ノリが合う」と返すなど、息の合ったやり取りを見せた。
一方で姫野は、関係性について「付き合ってないです」と明言。さらに「ドキドキはしない」と率直に語る場面もあり、ファンの間では「リアルすぎる距離感」「だからこそ逆に気になる」と様々な憶測を呼んでいる。
SNSでは「ほぼカップル」「距離が近すぎる」といったワードがトレンド入り。2人の関係性に注目が集まる中、ドラマ本編への期待も一層高まっている。
今後のプロモーションや共演シーンにも、さらなる注目が集まりそうだ。
――――――――――
夜。
家。
メイクも落として、ラフな格好でソファに座る〇〇。
テーブルの上にスマホ。
通知、めちゃくちゃ溜まってる。
〇〇「……なにこれ」
画面開く。
X。
トレンド。
「きょう〇〇」
「距離近すぎ」
「ほぼカップル」
〇〇「は?」
思わず声出る。
タップ。
タイムライン、一気に流れる。
「寄りかかってたよね?」
「距離やばい」
「付き合ってるでしょ」
「ドキドキしないって言ってるの逆にリアル」
〇〇「いやいやいや」
スクロール止まらない。
「楽って一番危ないやつ」
「これから好きになるパターン」
「〇〇無自覚で人落とすタイプ」
〇〇「……なにそれ」
少し眉ひそめる。
さらにスクロール。
「恭平→〇〇はありそう」
「〇〇→恭平はまだな気がする」
指、止まる。
〇〇「……」
無意識に、その一文をもう一回読む。
「……まだ、ってなに」
小さく呟く。
スマホ置く。
ソファに背中預ける。
天井見る。
今日のインライ、思い出す。
笑ってた。
普通に。
いつも通り。
肩ぶつかったり、腕触ったり。
近かった。
(……楽だった)
それは間違いない。
でも
やっぱり“ドキドキしない”
自分で言った言葉、浮かぶ。
〇〇「……」
慎太郎の声、重なる。
「それ、別に恭平じゃなくても当てはまるくない?」
〇〇、目を閉じる。
「……」
少しだけ考える。
恭平。
高橋恭平。
一緒にいて楽。
ノリ合う。
優しい。
でも
〇〇「……好きとは違う」
ぽつり。
即答できる。
そこは迷わない。
でも
〇〇「……じゃあなんで」
トレンドになるくらい、
あの距離で、
あの空気で、
自分は
“何も感じてない”のか。
ソファの上で少し丸くなる。
〇〇「……変なの」
もう一回スマホ手に取る。
今度はニュース記事。
《距離感にファン騒然》
〇〇「騒然って」
少し笑う。
でもそのまま、
スクロール止まる。
“リアルすぎる距離感”
〇〇「……リアル、ね」
その言葉、
妙に引っかかる。
リアルってなに。
“楽でいられる関係”
それって、
〇〇、少しだけ眉寄せる。
頭の中に
一瞬だけ浮かびかける。
別の人。
でも
〇〇「……違う」
すぐに打ち消す。
スマホ、画面消す。
静かな部屋。
〇〇「……」
小さく息吐く。
(分かんない)
それが一番しっくりくる。
でも
今日のあの時間。
楽しかったのは、事実。
〇〇「……まあいっか」
軽く流すみたいに呟く。
でも心の奥で
少しだけ、
ほんの少しだけ
何かが引っかかり続けてる。
まだ名前のつかない感情。
それに気づくのは
もう少し先。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日の夜。
個室のある店。
少し遅めの時間。
先に来てるのは 北斗……じゃなくて、
今日は
樹と慎太郎。
樹「今日メンツ珍しくね?」
慎太郎「確かに」
樹「北斗いないのも珍しいし」
慎太郎「まあ仕事じゃね?」
ガチャ
「おつかれー」
入ってくるのは 風磨。
風磨「はや」
樹「お前が遅い」
風磨「いや時間通りだろ」
慎太郎「体感な」
風磨「またそれかよ」
軽く笑う。
そのまま席に座る風磨。
風磨「〇〇は?」
慎太郎「まだ」
樹「珍しく遅いな」
そのタイミングで
ガチャ
〇〇「ごめん遅れた」
風磨「遅い」
〇〇「うるさい」
樹「珍しくね?」
〇〇「ちょっと押した」
慎太郎「お疲れ」
〇〇「疲れた普通に」
そのまま座る。
隣は慎太郎。
向かいに風磨と樹。
風磨「なんか今日テンション低くね?」
〇〇「普通」
樹「いやちょい低い」
〇〇「気のせい」
慎太郎、ちらっと見る。
少しだけ間。
樹「最近どうなの」
〇〇「なにが」
樹「ドラマ」
〇〇「あー」
〇〇「普通」
風磨「雑すぎるだろ」
〇〇「順調だよちゃんと」
風磨「ならよし」
注文して、料理待ち。
少しゆるい空気。
樹「インライ見たよ」
〇〇「……は?」
風磨「俺も見た」
慎太郎「俺も」
〇〇「なんで全員見てんの」
樹「流れてきた」
風磨「トレンド入ってたしな」
〇〇「最悪」
慎太郎、ちょっとだけ笑う。
樹「距離近すぎな」
〇〇「うるさい」
風磨「いや近いってあれは」
〇〇「狭かっただけ」
慎太郎「それ前も聞いた」
〇〇「ほんとだって」
樹「寄りかかってたけど」
〇〇「覚えてない」
風磨「嘘つけ」
〇〇「ほんと」
少しムキになる。
慎太郎、静かに見てる。
風磨「で?」
〇〇「なに」
風磨「どうなの」
〇〇「なにが」
樹「恭平」
〇〇「……」
一瞬だけ止まる。
〇〇「別に」
風磨「別に、ね」
樹「その言い方な」
〇〇「いやほんとに」
慎太郎「ドキドキは?」
〇〇「……」
ほんの少しだけ間。
〇〇「しない」
風磨「即答じゃん」
樹「じゃあ違うな」
〇〇「だから言ってるでしょ」
でも
慎太郎だけ、
少しだけ視線を外す。
慎太郎「楽なんだろ」
〇〇「……うん」
風磨「それ一番厄介なやつな」
〇〇「なにそれ」
樹「恋じゃないけど離れないやつ」
〇〇「いや離れるし」
風磨「ほんとか?」
〇〇「ほんと」
でも少しだけ言い切りが弱い。
慎太郎、ぽつり。
慎太郎「まあでも」
全員、見る。
慎太郎「それ恭平じゃなくても成立するけどな」
〇〇「……」
この前と同じ言葉。
〇〇「だからそれ何回も言うなって」
慎太郎「事実だし」
樹「他にいんの?」
〇〇「いない」
風磨「いるだろ絶対」
〇〇「いないって!」
少し強め。
空気、ほんの少しだけ変わる。
その時
料理が来る。
店員「お待たせしました」
一旦流れる空気。
風磨「とりあえず食うか」
樹「だな」
〇〇「いただきます」
普通に戻る。
でも
〇〇の中だけ、
少し引っかかったまま。
“他にもいる”
それを
否定しきれない自分。
隣で慎太郎が
何も言わずに食べてる。
でも
全部分かってる顔。
賑やかな夜。
笑って、話して、
いつも通りの空気。
なのに
〇〇の中だけ
少しずつ、
何かがズレていく。
ーーーーーーーーー
夜飯、終盤。
だいぶラフな空気。
樹「てか最近どうなん、そっち」
風磨「ライブ前でバタバタ」
〇〇「本当にね」
笑いながらも、ふと。
〇〇「……あ、そういえば」
風磨「なに」
〇〇「きょも最近会ってない」
樹「あー」
慎太郎「確かに」
〇〇「会いたいんだけど普通に」
めちゃくちゃ素直。
風磨「出た、きょも担」
〇〇「そうだけど?」
樹「隠さないの強いな」
〇〇「だって好きだもん」
慎太郎「ファン目線な」
〇〇「そうそう」
風磨「じゃあ呼ぶ?」
〇〇「え、呼べんの?」
慎太郎「今ならいけるかも」
〇〇「え、まじで?」
樹「電話してみれば」
〇〇「してして」
スマホを慎太郎に押し付ける。
慎太郎「自分でしろよ」
〇〇「無理」
慎太郎「なんでだよ」
〇〇「なんか無理」
風磨「ガチのファンじゃん」
〇〇「うるさい」
慎太郎、笑いながら発信。
相手は 京本大我。
コール。
〇〇、なぜか姿勢正す。
樹「なんで緊張してんの」
〇〇「してない」
風磨「してるって」
ピッ
きょも「もしもし?」
慎太郎「おー今なにしてる?」
きょも「今帰りー」
外っぽい音。
慎太郎「近く来れる?」
きょも「え、なんで?」
慎太郎「〇〇が会いたいって」
一瞬の間。
〇〇「ちょっ、言うなって!」
小声で叩く。
きょも「え、ほんと?」
慎太郎「うん」
〇〇「……(小声)やめてほんとに」
きょも、少し笑う気配。
きょも「今さ」
きょも「たまたま北斗と一緒なんだけど」
その瞬間。
〇〇「……え?」
樹と風磨も反応。
慎太郎「は?」
きょも「さっき偶然会ってさ、一緒に帰ってる」
つまり、
北斗も一緒。
一瞬、空気が変わる。
〇〇「……」
ほんの少しだけ止まる。
でもすぐ
〇〇「え、じゃあ来なよ」
普通のトーン。
慎太郎、ちらっと見る。
きょも「いいの?」
〇〇「いいよ」
風磨「むしろ来い」
樹「ちょうどいいしな」
慎太郎「店送るわ」
きょも「じゃあ行く」
通話終了。
数秒の沈黙。
風磨「展開おもろ」
樹「急に増えたな」
慎太郎は何も言わず、
〇〇を見る。
〇〇は普通に水飲んでる。
でも
ほんの少しだけ、
さっきより静か。
“北斗も来る”
その情報だけ、
心のどこかに残ってる。
〇〇「……別にいいよね」
ぽつり。
風磨「なにが」
〇〇「いや別に」
さっきまでと
ほんの少しだけ
空気が違うこと。
店の外。
夜。
2人が向かってくる。
偶然のはずなのに
やけにタイミングがいい再会。
中と外で、
少しずつ空気が動き始めてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
店の前。
ドアが開く。
「おつかれー」
風磨「おそ」
きょも「いや急に呼ぶからでしょ」
樹「まあ入れよ」
〇〇、ふっと顔上げる。
〇〇「おつかれ!!」
きょも「おつかれ」
北斗「……おつかれ」
一瞬だけ、目合う。
〇〇「……ん」
軽く返す。
ほんの一瞬だけ、
ちょっとだけ意識する。
でもそれだけ。
すぐいつも通り。
きょも「え、なにこのメンツ」
風磨「カオス」
慎太郎「お前らが来たからな」
樹「席どうする?」
テーブルは6人用。
今は4人で使ってたから、少し余裕ある配置。
樹「詰めればいけるな」
風磨「どう座る?」
一瞬の沈黙。
今の並び👇
〇〇 慎太郎
(テーブル)
風磨 樹
ーーーー
きょも「俺どこでもいいよ」
風磨「〇〇の隣空いてるけど」
ニヤッとする。
〇〇「え!」
きょも、迷わず来る。
きょも「じゃあここ」
〇〇の隣に座る。
〇〇「おー」
ちょっと嬉しそう。
その横、
もう一席。
全員の視線、なんとなく集まる。
北斗「……じゃあ俺ここで」
自然なトーンで、
〇〇の反対側、
慎太郎の隣に座る。
配置👇
〇〇 きょも 風磨
(テーブル)
慎太郎 北斗 樹
ーーーー
樹「バランスいいな」
風磨「いいのかそれで」
〇〇「なにが」
風磨「いや別に」
〇〇「うるさい」
きょも「なんの話?」
慎太郎「気にすんな」
北斗は静かに座る。
でも、
視線が一瞬だけ動く。
〇〇ときょも。
距離、近い。
普通に。
〇〇「ほんとに来ると思わなかった」
きょも「呼ばれたから来た」
〇〇「ありがとう」
きょも「そんなテンションなんだ」
〇〇「いや普通に嬉しい」
きょも、ちょっと笑う。
そのやりとり、
すぐ隣で聞こえてる。
北斗、箸取るふりして視線落とす。
「……」
でも顔には出さない。
風磨「飲む?」
全員で乾杯の流れ。
「おつかれー」
グラスが軽く当たる。
〇〇、普通に会話してる。
きょもと。
いつも通りのテンション。
北斗も普通に混ざる。
樹と話したり、風磨に返したり。
でも
ほんの一瞬だけ、
また目が合う。
〇〇と北斗。
〇〇「……なに」
北斗「別に」
〇〇「なら見んな」
北斗「見てねえよ」
〇〇「見てた」
北斗「気のせい」
〇〇「絶対」
一瞬の軽い言い合い。
風磨「はいはい」
樹「始まった」
慎太郎、ちょっとだけ笑う。
でもその空気、
重くはない。
むしろ
“いつも通り”。
〇〇の中でも
特別な感情はほぼない。
(……なんか久しぶり)
それくらい。
でも北斗の中は
そうじゃない。
昨日のインライ。
恭平との距離。
全部知ってる状態でのこの距離。
それでも
何も言わない。
ただ
いつも通りの顔で、
同じ空間にいる。
賑やかなテーブル。
笑い声。
会話。
でもそれぞれの中で
少しずつ違うものが動いてる。
まだ誰も、
はっきりとは気づいてないけど。
ーーーーー
料理も進んで、空気はだいぶゆるい。
グラスも何周目か。
樹「最近なんかハマってるもんある?」
風磨「急だな」
樹「いやなんとなく」
慎太郎「暇つぶしトークな」
きょも「いいじゃん」
風磨「〇〇は?」
〇〇「え、私?」
樹「そう」
〇〇、少し考えて
〇〇「音楽」
風磨「意外と普通」
〇〇「うるさい」
慎太郎「何聴いてんの」
〇〇「最近は…」
少し間。
〇〇「Waltz for Lily」
一瞬。
空気が、ほんの少しだけ止まる。
樹と風磨、
一瞬だけ目合わせる。
きょも「いい曲だよね」
〇〇「ね」
〇〇「なんか、ああいう系好き」
風磨「しんみり系?」
〇〇「うん」
〇〇「恋愛っぽいやつ」
慎太郎、静かに見る。
樹「珍しくね?」
〇〇「そう?」
風磨「お前どっちかっていうと明るい系じゃん」
〇〇「今はこっち」
軽く笑う。
北斗、黙ったまま聞いてる。
その曲。
永瀬廉と
吉川愛の映画の主題歌。
全員、分かってる。
〇〇と廉のことも。
今はもう、終わってる関係。
でも
“終わってるだけ”。
樹「映画のやつだよな」
〇〇「そうそう」
風磨「観た?」
〇〇「まだ」
慎太郎「じゃあなんでその曲」
〇〇「なんとなく流れてきて」
〇〇「普通に好きだった」
少しだけ視線落とす。
〇〇「歌詞がさ」
一瞬迷ってから
〇〇「なんか…いい」
曖昧な言い方。
でもそれで十分伝わる。
北斗、グラスに視線落としたまま。
何も言わない。
風磨「へえ」
樹「珍しいなほんとに」
〇〇「そう?」
きょも「でもわかるよ」
きょも「なんかああいうの刺さる時ある」
〇〇「ね」
少しだけ笑う。
でもその裏で
頭のどこかに浮かぶ。
あの声。
歌ってるのが
廉だからなのか、
それとも
歌詞そのものなのか。
分からない。
ただ、
どこかで
(……自分に向けられてるみたい)
そんな感覚が、
ほんの少しだけある。
すぐに打ち消すけど。
〇〇「まあ普通に曲がいいだけだけど」
軽く流す。
風磨「ほんとか?」
〇〇「ほんと」
でも少しだけ、
声が柔らかい。
慎太郎、それ見てる。
何も言わないけど、
全部分かってる顔。
北斗も、
黙ってる。
でも
その話題が出た時から
一度も〇〇を見てない。
見れない。
“過去”
なのに、まだ完全には終わってないもの。
それが
こうやって
普通の会話の中に出てくる。
賑やかな空気はそのまま。
樹「で、他なんかあんの?」
風磨「趣味?」
〇〇「音楽くらいかな」
きょも「さっきのやつ?」
〇〇「うん」
北斗、何も言わずに水飲む。
慎太郎、ふとスマホいじりながら
慎太郎「あ」
樹「なに」
慎太郎「これじゃね?」
画面、みんなに向ける。
「永瀬廉 インタビュー」
タイトルに
「Waltz for Lily」って出てる。
〇〇「……」
一瞬、止まる。
風磨「タイミング良」
樹「さすがアルゴリズム」
慎太郎「見る?」
〇〇「……別に」
そう言いながら
視線は画面から外さない。
きょも「どんな話してんの?」
慎太郎「曲についてっぽい」
北斗、動き止まる。
画面、まだ再生されてない。
サムネ。
廉の顔。
静かで、
少し柔らかい表情。
“運命の恋”をテーマにした曲。
風磨「押すぞ?」
〇〇「……」
ほんの一瞬だけ迷う。
でも
〇〇「いいよ」
短く。
慎太郎、再生ボタンに指かける。
その瞬間。
北斗、ふと視線上げる。
〇〇は普通の顔してる。
でも
ほんの少しだけ
静か。
樹と風磨、きょもは
何も言わない。
慎太郎「じゃあいくよ」
指が、タップする直前で止まる。
一瞬の沈黙。
誰も止めない。
でも
止めたい人はいる。
北斗。
何も言わないけど。
ただ、見てる。
〇〇を。
〇〇は気づいてない。
視線はずっと画面。
再生ボタンが押される――直前。
空気が、
ほんの少しだけ
重くなる。
next→♡
コメント
2件
来ましたー!!! 神確定ドラマ‼️ ((楽しみにしてます…^^

❤️❤️❤️❤️