この学園 、この世界で一番恐ろしく
一番怒らせてはいけない人 。
みんなそろって 、それは
善法寺伊作と応えた
『…おやまぁ 、先輩は良い人なのに』
「そうだよねっ、?そうだよね!!
僕は滅多に怒らないもん〜」
ふにゃりと笑いながら 、薬草を集めるのは
張本人である善法寺伊作先輩 。
そんな彼は僕の恋仲であった
いつも優しく 、怒ることのない先輩で
穴に落ちても叱ることなく 、寧ろ褒めてくれた
そんな先輩に次第に興味が湧いて 、
僕は先輩にちょっかいをかけていた
すると今度は僕自身が 、
伊作先輩の懐から抜け出せなくなった 。
最初は戸惑ったが 、次第に見えてくる
男の伊作先輩や普段からは見えないくらい
かっこいい姿の伊作先輩など 、
沢山の伊作先輩を知っていった
そこで僕は沢山の先輩を好きになった
穴の中で苦笑いをする先輩
僕のおかしな発言に思いっきり笑う先輩
時には僕に悪戯をして揶揄う先輩
体調を崩せば心配そうに傍を離れない先輩
夜には逞しい姿を見せる先輩
どんな先輩も好きだけど 、
もっと好きなのは_____
「あはは 、そんなに見られると
恥ずかしいよ 。喜八郎 。」
『…無自覚でした 。すいません 。』
ん?とさっきまで眺めていた横顔が
チラッとこちらを向き 、流し目で僕を見つめた
その後は 、上記のように照れくさそうに
作業に戻る伊作先輩だった 。
そんな日常が 、僕は好きだった
その日 、四年生はある実習の日だった
それは 、房中の術 。すなわち色の実習だった
その任務は 、町へ出て 。
己の童貞を捨ててこいという
なんともいたたまれない課題なのだ 。
そんな僕も 、当時は頭を悩ませながらも 、
最終的にはそこら辺の町の女性と致したのだった
そんな僕の恋人は四年生で 、
同じく .. 房中の術を習いに町へ出ていった
恋人が他の女性とするなんて
考えるだけで寒気がする 。
それでも 、僕がやっていけていた理由は
「僕の全ては伊作先輩のものです
だから 、お願いがあるのです 。
なので 、伊作先輩 。
この実習から帰った僕を 、どうか 。
どうか慰めてくれませんか」
可愛い恋人にそんなことを言われてしまえば
彼の童貞など減るものじゃなかった 。
それに 、彼は既に 。
女ひとり満足に抱けない体なのだからね
そう思い 、今夜帰ってくる喜八郎の為に
媚薬を作ってあげていた 。
喜八郎と一緒に採った薬草をドバっと入れて
それなのに 、何故だろうか 。
頬を赤らめながらも 、ほかの四年生は
とっくに帰ってきていたであろう 。
それに 、彼は優秀ない組だ 。
女性ひとりに戸惑う程のやつじゃないはず
きっと 、何かに巻き込まれたに違いない
そう思い僕はすぐさま長屋を飛び出し
出門表にサインをした
しくじった
僕が声をかけた女性は女装をしていた忍者で
年は僕と然程変わらなくて
でも僕よりよっぽど力が強くて
僕は呆気なく下の立場となった 。
別に 、僕は上でも下でもどうでもよかった
こんな授業をさっさと終わらせて 、
はやく学園に戻って 、伊作先輩に逢いたい
逢って 、上書きをして貰いたい 。
慰めて褒めてもらいたい
男の元気なそれが 、僕の中に入っていく
……気持ちが悪い 。
いつも伊作先輩は 、ゆっくり .. 優しく
その大きなものを僕に入れて 、
僕を不安にさせないよう一生懸命に
僕を支えてくれていた
それが今どうだろう 、乱暴に入れられて 。
ろくに慣らされずに諸にそれが入っていった
ズキンと腰に痛みが走る
奥に 、奥に入っていく
こんなの … こんなところまでいったことなくて
痛くて 、怖くて 、涙が出た
それでも男は動きを止めず 、
不敵な笑みを浮かべて
ゴリュ….ゴリュ….と痛々しい音を響かせた
はやく 、はやく終われ 。
そう思っていた 。
すると 、ごぽっという音で
動きが静止した 。
『うそ……中に出したの?』
「はっ、よく言うよ 。
処女だと思って手を出してみたら 、
とんだ遊女じゃねぇか」
「ま、男にしちゃあ
随分と可愛い鳴き声だったな」
そういい男は 、さっきの女装 。
ではなく 、軍服に瞬時に着替えて去っていった
気付けば僕は 、実習の事など忘れて
河川へと走っていっていた 。
汚い 、汚い 。
こんなの 、伊作先輩に知られたくない
汚い 、穢れた僕を見て欲しくない
立花先輩からのお下がりだった
大切な大切なお着物だって 、
今ではどこの誰だか知らない忍者の
白くどろっとしたもので汚れていた
この着物は 、もう着れないなぁ
そう思いながら 、着物を着た状態で
僕は川に飛び込んだ 。
今季節の川でも 、
辺りがすっかり暗くなった夜では
とてつもなく冷たくて 、下手すれば
凍傷してしまうかもしれない 。
それでも僕は 、手を止めなかった 。
何度も何度もお腹を叩いて 、押して 。
それを入れられた穴を口を 、全て
全てに水を含み 、洗い 。
だめ 、これじゃあだめ ….
もっと綺麗にしなくちゃ 、そう思いながら
僕はまた拳を振り上げた 。
その瞬間 ___
ガシッと強い力が加わり 、
僕の拳が中に浮いていた
「何やってんだよこの馬鹿ッ!!!!!」
目の前には 、今いちばん逢いたくて
いちばんあいたくなかった貴方が居た 。
どうやってお前を見つけだしたかなんて
この際もうどうでもよかった
あんなに大切に 、大事にしてた
仙蔵からの貰い物だった私服の着物が
無惨にクシャクシャになっていて 。
微かに粘り気があったのを見逃さなかった
そして 、彼は何度も自身の腹を殴り …
中から何かを炙り出していた 。
その正体を 、彼が口を開くよりもずっと前に
理解をした 。理解をせざるを得なかった
「……房中の術 、成功したんだ」
「…..まぁ 、」
『…….ねぇ 、喜八郎』
駄目だ 、抑えろ ….. 辞めろ
絶対口にするな 。そう胸に誓った
そう、誓ったのに
『…..その男とは 、良かったかい?』
「…..え 、」
良いわけがない 。そんなの 、先程までの
喜八郎を見ていれば一目瞭然だったと言うのに
怒りが込み上げ 、それすら通り越し ..
つい口が動いてしまう
ふと 、冷静さを取り戻し 。
喜八郎に目をやってみる …
そこで僕は目を疑った
あの 、喜八郎の目は潤っていて 、
一筋の涙が零れていった
嗚咽混じりの涙を流す喜八郎を僕は
優しく 、陶器を扱うかのように
ゆっくりと繊細に抱き締めた 。
「….ぃ….は…ぁの….捨……..か? 」
『……ごめん 、、もう一度言ってはくれない?』
「伊作先輩は 、女性を装った男性に
まんまと犯されて 、穢れた恋人を捨てますか?」
なんとも予想外な質問が飛んできた 。
そんなわけないだろう
そんな考えと共に 、
とてつもない怒りが湧いてくるのがわかる
犯された 。
穢れた恋人 。
喜八郎にそんなことをして 、そんな思いにさせた
ヤツをこの手で殺さねば気がすまなかった
思わず抱きしめる力が強くなってしまった 。
「….伊作せんぱい 、強いですよぉ」
『…..仕方がないだろう?』
『こうでもして 、捕まえて置かないと …
君は僕から離れてしまうだろう 。』
「……先輩のためですから 。」
『僕はそんな事望んでなんかないよ』
喜八郎の目が見開くのがわかる
互いに一定数見つめあった後 、
川の音で掻き消されてしまったが ..
生々しい音が僕たち二人には聞こえてて
衛生的に良くないとわかっていたけれど 、
抑制が効かず 、欲望を優先してしまった
「き〜は〜ち〜ろ〜〜!!!!!!」
『うげぇ 、伊作先輩 。』
「こら!!逃げない!!
大人しく僕に看病されなさ〜い!」
『誰のせいでこうなってると思いですかッ』
「僕だけど!!とりあえず止まってよ〜!」
もう!!怒ったからね!!
そう言いながら 、僕に飛び乗り。
僕を姫抱きしてきた 。
『..恥ずかしいです。』
「聞こえな〜い」
『…..先輩きらいです』
「…..怒るよ」
『….すき』
「はぁぁあぁ、、、可愛いよ…!!僕も大好き!」
ちょろいなぁと思いながらも 、
遠くから僕と伊作先輩を眺めている五年生に
目線を飛ばした 。
『ねぇ 、勘ちゃん 。』
「なぁに 、兵助」
『綾部が助けを求めてる』
「あはは本当だ 、ほらハチ出番」
「うえ!?俺なの?!
いや、、無理だろっ…!!」
「八左ヱ門ってば伊作先輩くらいなら
勝てるってこの間まで
舐め腐ってたじゃん 。どうしたの??」
「舐め腐ってたって笑笑
まぁ確かに気になるな?」
「いや!!違うんだよ 、この間 …
喜八郎が小屋の目の前で穴を掘るから少し
罰を与えたんだ 、そしたら … 」
「 「 「 「 そしたら ? 」 」 」 」
「気付けば背後に 、、伊作先輩がいて …
……..ブルルッ、、あれは地獄そのものだった」
「へ〜、ハチがそんなになるなんてね」
「六年生を甘く見てるからだよ」
『綾部の事になると余計だよ..』
「綾部に何かしたら 、立花先輩と伊作先輩が
黙っちゃいねぇからな〜〜」
「はーあ!俺も喜八郎みたいな
可愛い彼女欲しいなぁーー」
そう勘右衛門が呟いたあと 、
俺たち五年生にある矢羽根が飛んだ 。
“お前らに伊作がただならぬ殺気を放っている”
“ここは私と留三郎で食い止めてやる”
“貸ひとつだぞ”
下級生にバレないように行う
あの七松先輩を越える
本当の地獄の鬼ごっこが始まった
コメント
4件
伊作先輩怖w
最後面白すぎてハートいっぱいおさせていただきました‼︎