テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「……」
勝己は悩んでいた。それは幼馴染兼忌み嫌ってる緑谷出久の存在である。
物心つく前から幼馴染とはよく遊んでおり、もともと親同士で交流があったので仲良くなるのは必然だった。
しかしある一件からこの幼馴染との関係はドロドロに拗れていく。
最初に意地悪をしたのは、その件の翌日。出久だけ遊びに誘わなかった。
出久は泣いた。ぎゃんぎゃんと地面に水たまりをつけるほどに。
「なんで僕も誘ってくれないの?」「僕もヒーローごっこしたかったよ」
そんな出久を見て勝己はなんとも言えない高揚感に襲われた。当時は「何故か気分がいい」と思っていたが、今は加虐心が満たされたのだとわかる。
そう、勝己と出久の関係はここから徐々に拗れていった。
話を戻して、勝己は最近になって「出久に加虐心がある」ことについて悩んでいた。
それに出久に対してだけという限定的な状況を更にストレスを生む。薄々、前々から勘づいていたが見ないフリをしていた。
もういっその事、幼馴染を殺してしまおうか。なんてヒーロー志望、いや普通の人間でも思ってはいけない考えにまで達したことが何回もある、がなんとか理性で保っている。
ここまで考えて勝己は思考をやめた。無個性が雄英に入れるわけないのだ。どうせ高校進学したらもう分かれ道。
勝己はツレとカラオケに行く約束をしたことを思い出し、少し急いで家を出た。
だが、常に脳内では
「デク」
「デク」
「デク」
「デク」
「デク」
幼馴染でいっぱいであった。
もしかしたら勝己と緑谷が同じ年で生まれた瞬間から、もう勝己の人生は詰んでいたのかもいれない。