「リバティ・トラストの教団は、困っている同胞に対して、できるだけのことはしますよ、さぁ、まずは一緒にお祈りしましょう」
俊哉が祭壇に向かって口を開いた
「天にまします我らが父よ・・・我らの心の主よ・・・我らに光をお与えたまえ・・・どれほど悪しき者が我らを襲うとも、あなたのお示になる道を歩んでいけますように・・・そして・・・」
美子は必死で祈った、彼の祈りの言葉は美子の心にしみわたり、自然と涙が溢れてくる、ここに来ると本当に心が浄化されるようだ
本当にこの教団に出会ってよかったと心から思った
「それではお座りください、神の前では何も心配いりませんよ、さぁ、胸の内をお話しください 」
「高橋統括地区長・・・私・・・あの、あなたの体験談を読みました、それで・・・その本当に私感動して・・・やだ・・涙が・・・ 」
美子は自分では小さすぎると悩んでいる目から溢れる涙を拭った、物心ついたころから整形手術を考えていたのだが、勇気がなく、この年まで来てしまった
自分がブスの部類に入っていることは、自分でも自覚していた
故に婚約者に逃げられても、自分の容姿なら仕方がないとあきらめがついていた
しかし・・・信じられなかった、彼の体験談を読んで、これほどのハンサムなこの男性をさんざん苦しめてゴミのように捨てる女性がこの世にいるなんて
彼が微笑みかける
「あなたは天使のように美しい心をお持ちだ・・・こんな私のために泣いてくださるなんて 」
美子とは名前負けしている女は、ハンカチを噛んで首を振った
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