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「いいえ!高橋統括地区長・・・あの・・・教えてください、どうやって元のあんな悪妻に傷つけられてボロボロになっても、そんなに穏やかな心で生きて行けるのでしょう?」
彼は淡々と語った
「そりゃぁ・・・私も人間ですから初めは・・・鈴子・・・ああ・・・すいません、元妻の名前ですが、彼女からの酷い仕打ちを受けてとても傷つきましたよ、彼女はとても我がままで女性不信になったほどでした・・・」
切なそうにため息をついて、祭壇を見つめる・・・
美子は胸がキュンとなった
ああ・・・お慰めしてあげたい
少し平均より背が低く、髪型もやぼったい、それにエラが張り過ぎてて、ベースボールの様な輪郭のこの女性に向かって、彼は黒い瞳を潤ませて言った
「でも・・・この教団に出会ってからは・・・私は気づいたのです、人生には時々神がご用意した試練があると・・・私はその試練に気づいたのです、私がここに到着するには、彼女とのことはやはりなくてはならなかったことだと・・・ 」
俊哉は気楽な穏やかな口調で彼女に言った
「今では色々あったけど私はとても幸せなんですよ、憎しみとは無縁の世界で生きています、別れた妻も・・・・今では彼女にも同じ神の子なのですから、幸せになってもらいたいと思っています 」
彼女はハンカチを持つ手を震わせた
「なんてお素晴らしい・・・それに比べて私は・・・ 」
俊哉が女性の手をぎゅっと握った