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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「おはようございます、アウルムさん」

「おはよう、フルク」


挨拶を交わし、さっそく外出。

半年も満たない小屋生活ではあったが、おかげで身体を完治した。医者にも挨拶を済ませ、俺はフルクと共に黒き森へ向かった。


「この先の『ネムス』という森の奥にある遺跡にEXダンジョンが出現するそうです」

「森の奥……そんな所に遺跡が? 聞いた事がないが」

「ええ、魔王が倒されると召喚されるようです」


そういう条件か。納得。

どんどん先を急ぎ、歩いて行く。

フルクは思ったよりも体力があるようで、余裕そうだった。


「……よし、森に入った。俺がこの森に入るのは半年ぶり。確かオークが潜んでいるよな」

「ええ。わたしは書物で読んだ程度ですが、この辺りはオークの巣があるそうですね。アウルムさん、例の【レベル投げ】で対処してください。わたしはヒールとかします」


どうやら、フルクはヒーラーらしい。

そりゃ回復アイテムいらずで助かるな。

だが、不思議とオークとエンカウントする気配はなかった。……おかしいな、以前は数百体から襲われたけどな。



「……どういう事だ?」


首を傾げていると、フルクが手を鳴らす。


「そうでした!」

「どうした!?」


「わたし、運がいいのでモンスターの忌避能力があるんです! だから、オーク程度なら向こうから逃げちゃうっていうか……遭遇しなくなるんです」


「えぇ」


運ってそういう効果もあるんだ。

だが、おかげで森の奥へすんなりやって来れた。……お、あそこが遺跡出現ポイントらしい。


「此処か」

「ええ、ポイントです。まだ現れていませんね」


森の奥地に明らかに雑草一本も生えていないフィールドがあった。なるほど、確かに地下に何かありそうな雰囲気だ。



――その時。


ドンっと押し上げるような衝撃が……地震が起きた。どうやら魔王が倒されたらしい。だから、これから『EXダンジョン』が召喚されるってワケだ。


「おぉぉ――――!」


フィールドが崩落し、地下から遺跡が生えてきた。大きな大きな遺跡だ。あれが……EXダンジョンか。すげぇ……こんな事ってあるんだ。


ついに出現したダンジョン。

通常ダンジョンではない『EXダンジョン』……つまり隠しダンジョンとかそういう類。レアアイテムなど通常では手に入らない武具が眠る。


もし、ここを占領出来れば……



「俺は最強じゃないか……!」

「アウルムさん、ダンジョンの召喚が完了されました。早くしないと第二勇者のギルドが来ちゃいます! 所有権をゲットしてください」



「ゲットしろって言われても、どうやって?」

「遺跡の中へ入るんです。急いで!!」



ダッシュして遺跡の中を目指す。

そうだ、急げ俺。

ここでダンジョンを取り逃せば……終わりだ!!



「うぉぉぉぉぉ……」



だが、フルクと距離が離れていく。


「わ、わたしの事は気にしないで! いいからダンジョンを優先してください。そうでなければ、ここまでが無駄になってしまいますから!」


そうだな、フルクの想いの為にも俺は!

ただひたすらに走りまくる。全力疾走。全力前進。……やがて、空から目映い光が落ちて来る。まずい、第二勇者のギルドがワープしに来たらしい。



「アウルムさん、急いで!! 彼らが来ます!!」

「こうなりゃあ……【レベル投げ】の爆発を推進力に使う!!」


俺は地面に【レベル投げ】を落とす。


すると大爆発を起こし……!

俺はその爆風で飛び、加速した。



「うあああああああッ!!」



ちょっと怖いが後ちょっと!


後ちょっとだ!


背後には、第二勇者・セクンドスとかつての仲間、弓使いのルードスと女賢者のオリエンス。そして、ハルバード使いの巨漢ドワーフ・インゲルス。



「ここがEXダンジョンか……む?」

「ちょ、おい。あれって……!」

「第一勇者のアウルム・キルクルスじゃない!?」

「おいおい、アイツまさか……!」



「「「「EXダンジョンの所有権を!?」」」」



察する四人。

だが、もう遅い……!!!



俺はもう遺跡の出入り口に到達していた。


それを見た彼らは――




「アウルム・キルクルスてめぇ……」

「ふざけんなああああ!!」

「そこは私たちのダンジョンよ!!」

「還せよ、このバカヤロウ!!」



あぁ……聞こえる。


雑音が。



「……このEXダンジョンの所有権は戴いた!! ここは俺のモノだ!! よって、お前達を追放する!!!」



昨晩、フルクから聞いた。

ダンジョンを入手した者には、外敵とかを追放する権利が与えられると! つまり、現時点をもって、あの四人は完全な部外者であり、不法侵入者。


四人が鬼の形相で迫って来る。


「このふざけんな!!」

「誰が魔王を倒したと思ってる!!」

「還しなさいよ!! 役立たず!!」

「そうだ、お前が魔王を倒したわけじゃないだろ!!」



あと少しの所で俺はヤツ等から攻撃を受けていただろう。だが、その前に『追放』が発動し、四人をどこかへと飛ばした。



「……やった…………やったぞ。ついにEXダンジョンを手に入れた。本来ならヤツ等が魔王を倒して、エンディング後に優雅に攻略するはずだったダンジョンをこの俺が……!!!」



最高の気分だぜ!!!

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

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