E5バーガーで店員達と談笑していた時、突然ひらめいた。日頃の感謝を込めて青井にプレゼントをしようと。
「椎名さんアンケートだ。貰って嬉しい物ってなんだ?」
「なんかくれんの?ヤニ。」
「いや違う、椎名さんにじゃない。一般的にだ。」
「貰って嬉しい物?真面目に?」
「もちろん。」
「嬉しい物かぁ関係値によるんじゃない?」
「関係値…大事なヤツ?」
「じゃあなんか身に着ける物じゃない?アクセサリーとか時計とか。」
「なんで俺には聞かないんすか。貰って嬉しいものといえばやっぱりヤクでしょ。」
「タラタラオに聞いたって碌な答え返って来ねぇのは分かってんだよ。椎名さんサンキュ、助かったぜ!」
一応候補にガチャを買って店を出た。警察業務をこなしつつプレゼント探しに勤しむ。
「食いもんはいつもあげてるしなぁ…身に着けるもん…アクセサリーは着けないよな、じゃあ時計か?もうちょい誰かに聞くか。」
他署員にも犯人にも飲食店でも、行く先々で会った人達に聞いていくが中々これという物が決まらない。
「いやーどうすっかな…あ、まるんまるん。アンケートだ。貰って嬉しい物ってなんだ?」
「プレゼント?車とかヘリとか?」
「いやそんなデカいもんじゃなくて、なんかこう些細な感じの…」
「じゃあ花は?俺お花屋さんだよ。」
「花か…花…花良いな!買わせてくれ!」
「オッケー行こうぜ。車乗れーぃ。」
まるんはできる男だ、頼りがいがあるぜと感謝しつつ花屋に到着した。
「そういや花屋初めて来たな。」
「いらっしゃいませー。らだお先輩にあげるの?」
「ああそうだ、オススメはどれだ?」
「花束が種類あってね、それぞれ意味があるんだけど。えーとそれだと『ありがとう 』『大切な人へ 』『最愛のあなたに』辺りが良いかな。」
「うーん…じゃあ『大切な人へ』にするわ!」
「オッケー1つで良い?」
「あーアオセン無くしそうだしな、5個くれ!」
「りょうかーい。なんか記念日とか?」
「いや、特になんも無いけど急に思い付いた。」
「へぇ。つぼ浦って意外とロマンチストなんだな。サプライズなんてらだお先輩絶対喜ぶじゃん。」
「だと良いな。サンキューまるん、助かったぜ!」
「いいえ毎度ありー。」
無事プレゼントが用意できて後は渡すだけだとソワソワしながら待っていたが、青井が中々起きて来ない。
「来ねーなー今日1日寝てるとか言ってたか?…来ないならこっちから行くか!」
鼻歌混じりに青井の家へ車を走らせた。
「うーっすアオセン!」
「えっつぼ浦!?急にどうした!?連絡した?」
「連絡は忘れた!そんな事よりこれを渡しに来たぜ!」
後ろ手に隠していた花束を目の前に差し出した。やけに勢いがあるのは照れくささを隠す為だ。
「えっ!?花束!?ありがとう。…なんで?」
「俺があげたくなったからだ!じゃまた!」
「お、おぉ…いやいやちょい待て?」
「なんだ?返品は受け付けてないすよ?」
「いや違う違う、どういう風の吹き回し?」
「いや別に、思いついたから。アオセン喜ぶかなって。」
「まじで?唐突すぎるだろ…めっっっちゃ嬉しい。ありがとう。」
そう言うとつぼ浦は得意げな、とても満足そうな顔をした。
「俺も嬉しいぜ!じゃあまだ仕事中だからまたな!」
「今度改めてお礼するから、ありがとなまた明日。……はぁぁぁ゙ぁ゙ーーまじで愛おしすぎる…これ無自覚なのまじでやってんな…」
花束と一緒に添えられたメッセージカードには『アオセンいつもサンキューな!これからもよろしく!』と綴られていた。
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