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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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前回の続き。



日菜の後ろで七々は絶望した顔をしていた。

「日菜、さまっ…!ごめ、ごめんなさいっ」

七々は日菜に必死に謝っていた。

そんな七々に日菜は向き合った。

「ひ、日菜様…?」

そして日菜は七々に強烈なビンタを食らわせた。

ばしんっ

辺り一帯に響き渡る手打ちの音。

僕と七々は一体なにが起こったのか分からなかった。

そして数秒経って僕と七々は日菜が七々にビンタを食らわせたのだと理解出来た。

「え、あ、日菜様…?」

七々は痛みと恐怖と戸惑いで何も分かっていなかった。

「七々、貴方は縁を切ります。二度と私の前に現れないで。」

日菜は厳しくも七々にその言葉を浴びせた。

すると七々は取り乱し、日菜の袖に掴みかかっていた。

「ひ、日菜様!!嫌です!すみませんでした!もう一切このようなことは致しません!お許し下さい!」

日菜は真剣に訴えていた。

だが、

「話しかけないで。貴方はこのようなことを何度も犯しています。流石の私も看過出来ない。」

と厳しく拒絶していた。

その日から七々は学校に来なくなった。

元々明るく人気者だったらしく、学校中の噂になっていた。

「ねぇねぇ聞いた?七々ちゃん。噂だと日菜ちゃんに嫌われたから休んでるらしいよ」

「そうなの?私は連続殺人鬼に殺されたからって聞いたよ?」

学校中ではうわさが出回っていた。

殺人鬼に殺されたとか、日菜に嫌われたからだとか、闇組織のボスだったからとか。捕まったとか。

あることないこと噂になっていた。

「ねぇ、七々のことは良いの?」

僕はある日日菜にそう問いた。

すると日菜は。

「良いの。今は自宅謹慎させてるんだ。そうでもしないとあの子、反省しないから…大丈夫だよ、あともうちょっとしたら解禁する予定だから」

「そっか」

僕は思った。あれは日菜がほんとに怒っていたのではなく、七々に反省してもらう為にわざと怒ったのだと。

1週間後には七々は復帰した。



今日は今月1回目の人を殺す日。

今日のターゲットは七々の母親。

元々、七々は3人家族で、幸せに暮らしていたらしい。

だが、ある日父親が性犯罪を犯し、捕まった。

その事をきっかけに七々は虐められるようになり、母親は仕事三昧だったらしい。

そして、虐めが原因で色々と病んでいた七々を心配した母親は仲の良い親戚である日菜の家に七々を預けた。

それが6年前だという。

昨日、七々から相談されたのだ。

「ねぇ、私、貴方の正体を誰にも言わない。だから、その代わりにお母さんを助けてあげて」

そう言われた。

勿論僕は戸惑った。

「どういうこと?」

僕が聞くと七々は

「私のお母さん、最近再婚したらしいの。でもね、その再婚相手が酷い人らしくて…」

「良く、あるでしょ…?結婚してから性格が豹変したみたいな話…それでお母さん毎日暴力振るわれてて、それでいて男の人の方はお母さんの稼ぎで毎日ギャンブルしてて…」

その話を聞いて僕はいてもたってもいられなくなった。

「わかったよ。その依頼。受ける、男の方を殺せばいいんだよね?」

すると彼女は首を振って「違う」と言ってきた。

「殺して欲しいのはお母さんなの。お母さんをこの世という地獄から解放してあげて」

そして僕は今、七々の母親の前に立っている。


「こんにちは。紅木 七々のお母様で合っていますか?」

「え、えぇ。そうです。何故娘の名前を…?」

「僕は七々さんの友人です。」

「友人…」

七々のお母さんは友人という言葉を聞いて涙ぐんでいた。

「そう、あの子、やっとお友達が…良かった泣」

僕は七々のお母さんが泣き止むまで待ってから言った。

「僕は七々さんに貴方を殺して、この世界から解放させてあげてくれと依頼を受け、ここに来ました」

「そうなの。それで貴方は?」

「僕は心臓抜き出し殺人事件の犯人です。」

「そう。知っているわ。」

七々のお母さんは続けた。

「あの子、私の所に毎日手紙を送っているのよ。そしてこのことをあの子に聞いたわ。やっぱり私の子ね。何処が鈍いけど鋭い。」

「ありがとう。殺してくれると助かるわ。」

よく見ると七々のお母さんの顔は疲れ果てていて、隈が凄かった。

「それでは。睡眠薬を飲んでください。寝ている間に殺りますので。」

「分かりました。それと、この手紙を七々ちゃんへ、渡しておいてもらえるかしら?」

「承りました」


ザシュッ

紅木 真矢。

僕が今日殺した。真矢さんの心臓は娘を愛する母親の味がした。


翌日、七々に手紙を渡した。

その手紙を読んだ後に七々は泣いていた。

そして、その様子を日菜が悲しい目で眺めていた。




これは僕が日菜の心臓を食べるまでの物語

僕が君の心臓を食べるまで

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