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宗親さんが、あんまりにも大切に大切に私の身体をほぐしてくださるから、私は本当に彼に愛されているのではないかと勘違いしてしまいそうになる。
キスだって私、こんなに丁寧に慈しむような口づけをされたことがない。
宗親さんからの、私の反応を窺うように進められるキスは元カレから受けていたキスとは全然違っていて。
こうちゃんのはもっともっと性急で、ただただ自分本位に私の口の中をかき回していただけだったんだと、今更のように気が付いた。
キスって……本来はこんな風に相手の気持ちいいところを探るように進められるものなのね。
それは、もしかしたらただ単に経験値の差なのかも知れない。
こうちゃんだって、あと数年もしたら宗親さんのような相手を労れるキスが出来るようになったのかも?
その思いは、宗親さんが私の身体に触れるときにも感じさせられて。
私が濡れてこないことに苛立つようにいつもローションを使っていたこうちゃんとは違って、宗親さんはそんなもの必要ないのだと私に自信を与えてくださる。
「あ、ぁっ、……んっ」
ゆるゆると無理なく拡げられていく隘路は、宗親さんが内壁を探るように擦るたびに甘く切ない刺激をもたらすから、その度に小さな声が漏れて……。
私は自分のその反応にただただ驚かされて羞恥心を掻き立てられ、さらに高みへ昇らされてしまう。
指一本だってしんどいと思っていたはずの入り口が、気が付けば宗親さんの大きくて長い指を何本も受け入れていて。
彼が手を動かすたびにクチュクチュと恥ずかしいぐらいの水音を響かせた。
「あ、あのっ……私っ……」
それが信じられなくて熱に浮かされたように宗親さんを見上げたら、宗親さんが「もう大丈夫かな」って私の額に掛かった髪の毛を払いのけて、額に優しくキスをしてくださった。
その瞬間、「好き」がぶわりと膨らんだ私の下腹部はキュンと疼いて、宗親さんの指をギュッと締め付けてしまう。
その感触が、恥ずかしいくらいに自分にも分かってしまった。
(私、宗親さんにキスされるの、大好きです)
身体全体がそう叫んでいるみたいで、それが宗親さんに伝わってしまいそうでにわかに恥ずかしくなる。
「春凪は本当に感じやすい身体をしているね」
そんなこと、言われたことなかった。
いつも真逆のことを言われて責められ続けていた私なのに――。
「私……不感症じゃ、ない?」
恐る恐る問いかけたらクスッと笑われてしまう。
「僕のこの手を見てもそんなこと言える?」
言葉と同時、今まで私の中を満たしていた宗親さんの指が、わざとある一点を引っ掻くようにして一気に抜き取られて。
「あぁぁんっ!」
私はその刺激に思わずビクッと身体を跳ねさせて嬌声を上げた。
膣内に与えられた刺激自体はほんの一瞬だったのに、下腹部が小刻みに痙攣するのを止められない。
身体が気怠くて、目の前がチカチカした。
「春凪、今回も中で上手に達けたね」
言われて、前にも一度、こんなことがあったとぼんやり思って。
その時は宗親さん、最後までしてくださらなかったのを思い出した。
今日こそはちゃんと?
そんなことを思う私を、宗親さんが満足そうに見下ろすと、目の前に濡れそぼった手指をかざしてきて。
私は宗親さんのその手を見て、物凄く恥ずかしくなる。
なのに自由のきかない身体はそこから目をそらせることさえ億劫なの。
宗親さんの手、指だけじゃなくて手全体が濡れ光っているように見えるの、気のせいだよね?
何なら手首を過ぎた辺りまでぐっしょり濡らされているように見えるけど、まだ私、目がチカチカしてるから……きっとそのせいでそう見えているだけに違いないの――。
「ねぇ、春凪。キミの中に埋めていた僕の手はこんなにグショグショに濡れてるよ? 何より僕の刺激で達けた春凪が、不感症なわけないよね?」
言って、宗親さんが腕を伝う愛液をペロリと舐め取ってみせたからたまらない。
「ダメッ!」
悲鳴に似た声を上げて、気怠い身体に鞭打って宗親さんの手を力なく握って彼を見上げたら、「美味しいのに」とか……。
「腹黒ドSモードをこんなところで発揮しなくていいです! 宗親さんのバカぁ!」
真っ赤になる私を嬉しそうに見下ろしながらクスクス笑うと、宗親さんが「ね、バカな僕だけど……もう春凪の中に挿入ていいかな? そろそろ限界なんだ」とささやいていらして。
私はパニックのあまりそれが何のことを指しているのか一瞬分からなくてキョトンとしてしまう。
「春凪の中、きっといま物凄く敏感になってると思うんだ。もちろん、しっかりほぐれているし、今ならきっと僕のが挿入っても痛くないと思う。だから、ね、春凪。――いいよって言って僕を受け入れて?」
言うと同時、濡れたままの手で入り口上部の気持ちいい突起をこすられた私は、思わず「んっ」って小さく喘いで身体を跳ねさせた。
「約束通りここもちゃんと春凪のお望み通りだよ?」
「ひゃぁっ」
言われて胸の先端にチュッと吸いつかれた私は、痺れるような刺激が気持ち良過ぎて、どうしていいか分からなくなる。
見るとはなしに視線を向けた膨らみの先、普段は決して顔を出さない胸の頂がツン、と天を向いて誇らしげに存在を主張していて。
「胸……」
思わずつぶやいたら「うん、僕にだけ反応してくれる春凪の胸、最高に可愛いね」って褒められた。
宗親さんに、コンプレックスだった胸を、最高に可愛いって言ってもらえた。
しかも、宗親さんはどうやら彼の愛撫でしか勃ち上がらならない私の胸がいたく気に入っているみたいで――。
物心がついてから初めて。
私、こんな風に人とは違った外観の、頑固で可愛くない胸のことを誇らしく思うことが出来た。