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しばらくして。
「あ。」
「あ゛??」
奇しくもトレーニング施設で再会した2人。「杖女か。」
「呼び方はともかく、顔は覚えててくれたんだね。」
「短時間で4人倒すヤツ、中々いねーからな。丁度いいや、お前ちょっと付き合えや。」
指をポキポキ鳴らして挑発するように笑う。
「楽しいデート。じゃないのは確かね。」
2人は戦闘訓練用の部屋に入る。領子はいつも持ち歩くケースから小太刀と大太刀を取り出す。
「杖だけじゃないんだな。」
「1芸だけじゃ務まらないでしょ。」
「じゃ、どっちかが降参するまでな。」
バトルスタート。
「壁は正面だけじゃねぇな。」
爆破を起こしながら、領子の頭上を飛び越え背後につく。領子はカバーが追いつかず爆破の衝撃でバランスを崩す。
「絶対領域!!」
小太刀で壁を作り、立て直す。大太刀を壁の境目から突きだすと、爆豪は距離をとった。
「武器の長さで、壁の範囲が変わるな。」
「そうよ。」
「耐久力はどんだけあるんだ??」
今度は、ひたすら壁を攻撃し始める。思わず刀どおしの頭をくっつけ壁の範囲を広げるが。
「その挑発に、のるかぁっ!!」
負傷覚悟で個性を解き、胸の前で腕をクロスさせ、パンチの衝撃を受け止める。
「今度は私が攻めるよ!!」
独特な構えから、攻撃に入る。
「独特な剣術だな。」
「二天一流よ。」
「中々やるじゃねぇか!!」
とさっきよりも、加速度をあげる。
「(うそうそウソ!?まだ速くなるの!?それに!!)」
威力の上がった衝撃を受け流すたび、握力が落ちていく。
「“もうダメ”って顔に出てるぞ。」
「気のせいじゃない??」
嘘は通用しないらしく、たたみかけてくる。
「(落ち着け私!!)」
雑念のこもった斬撃はたちまち弾かれ、個性を出す間もなく領子は吹っ飛んだ。
「~っ!!」
拘束を解こうとするが、がっちりと掴まれた腕から逃れようもなく。
「オレの勝ちだな。」
「わ、わかったから離れてっ!!」
解かれた腕から無意識に個性が発動し、爆豪は壁にぶつかり、よろめく。
「ご、ごめんなさい!!そういうつもりじゃ!!」
駆け寄ろうとすると、再び個性が。
「わーったから、近づくな!!」
そこへたまたま、緑谷が入ってきた。
「おい、デク!!こいつ医務室連れてってくれ!!」
「??わかった。壁谷さん、行こうか。」
緑谷には個性が発動しない。
「んで、俺にだけ発動してんだ!!」
「壁谷さん、かっちゃんになにかされた??」
「いやぁ、かくかく然々…」
と、戦闘訓練は爆豪の勝利で幕を閉じた。