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あれ以来プライベート、任務中に関わらず爆豪に会うたび領子の絶対領域は発動される。今日はたまたま、街中で。
「ごめんなさい、本当に…。」
「もう慣れたわ。」
「まだ原因わかんないの??」
爆豪と一緒にいる瀬呂が言う。
「うん…。困ったもんで。」
「え!?なに、おわっ!?」
爆豪はおもむろに、瀬呂を領子の前に突きだした。やはり、個性は発動しない。
「ちっ!!お前もかよ。」
「…ははーん。もしかしたら…。」
「んだよ…」
瀬呂は爆豪の肩を組み、領子に背を向け。
「爆豪が、壁谷ちゃんのこと好きって言えば解決するかもな??」
「ばっ!!」
「どうしたの??」
領子に気づかれまいと、小声で。
「んな、ベタな話あるか!!舐めとんか!!」
「あー。オレ用事思い出したから先帰るわー。」
対称的に瀬呂は、棒読みでわざとらしく大声を出してその場から離れてった。
「待てやこらぁっ!!」
「爆豪君!!ひと、人!!」
こちらを見る通行人をひと睨みして、歩き出す。領子も後ろを歩く。
「で、壁女。てめえはどこ行くんだ??」
「先生の所に、剣術の練習を。」
「スマホ出せ。」
「うん…??」
「◯INE開いてQRコード!!」
「はいぃっ!!」
爆豪は自分の連絡先を入れて。
「終わったら連絡しろ。」
「え!?うん。わかった。みっちり2時間はすると思うから。準備運動がてらちょっと走って行くわ!!」
と走り出す領子に。
「前みて走れバカ。」
と一喝するのだった。
ほどなくして、指定されたカフェに向かうと、爆豪は読者に耽っていた。
「お待たせ…。」
机があるおかげで個性が発動しない。領子は向かいに座る。
「何、読んでるの??」
領子の問いに、背表紙を見せる。
「居合道、興味あるの??」
「二天一流が気になってよ。」
「どう??面白いでしょ。」
「文字と写真だけじゃイマイチだけどな。」
「やっぱ実践するのが1番だね。」
「お前、こういうのもすんのか??」
と藁切りをしているページを見せる。
「するよ。やってみたい??」
「…まぁ。お前がやるくらいならな。」
「今度先生にお願いしてみる。」
「おう。それより、何か頼んでこいよ。」
「そうねぇ。お腹空いたー。」
「なんなら、メシいくか。」
「…爆豪君。私なんかといないといけないくらい暇なの??」
「ちっ…がわねぇけど!!塩顔に今日の予定すっぽかされたんだよ!!」
「あぁ。」
「で、行くんか!?」
「行きます!!」
先行く爆豪に追いつこうとつい、距離が詰まり…。
「ってぇな!!近づき過ぎんな!!」
「ごめんなさいっ!!」
「で、何食いたい??」
「ラーメン!!」
あまりに女子らしくない答えに思わず吹き出しそうになる爆豪。
「せっかくだから、旨いところ調べるか。」
「うん!!」
2人は適度な距離を保ちつつ、この後の予定を楽しんだ。