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『別に、泣いてないし。』
rzli
ほんの些細なこと。
ロゼが冗談で言った一言。
「らいとってほんとすぐ拗ねるよね。」
いつもなら笑って言い返す。
でも今日は、ちょっとだけタイミングが悪かった。
「……拗ねとらんし。」
声、少しだけ低い。
ロゼは気づかないまま続ける。
「ほら今も。」
沈黙。
らいとの指先がぎゅっと握られる。
「……もういい。」
小さく言って、立ち上がる。
ロゼ、やっと違和感に気づく。
「え、ちょっと。怒った?」
「怒っとらん。」
でも背中が少し震えてる。
部屋の端まで歩いて、壁向いたまま動かない。
ロゼが近づく。
「らいと?」
「来んな。」
いつもより弱い拒否。
ロゼが回り込むと、
らいとの目が少し赤い。
「……なんでそんな顔。」
「なんでもない。」
目逸らす。
でもまつ毛が少し湿ってる。
「拗ねるって言われるの、嫌やった。」
ぽつり。
「俺、ちゃんと我慢しとるつもりやし。」
ロゼの胸がきゅっとする。
「でもロゼはすぐ子ども扱いするやん。」
声、震える。
「俺だって、ちゃんと…」
言葉が途切れる。
ぐっと唇噛む。
泣きたくない。
泣いたら負け。
そういう顔。
ロゼがそっと両手を伸ばす。
「らいと。」
「触んな。」
言うくせに、逃げない。
ロゼが優しく抱き寄せる。
最初は腕を押し返そうとする。
でも力弱い。
「……泣いてないし。」
「うん。」
「ちょっと目があったかいだけやし。」
「うん。」
「ロゼのせいとかじゃないし。」
「うん。」
沈黙。
次の瞬間。
らいとの額が、ロゼの胸にこつんと当たる。
「……ちょっとだけ、やけん。」
小さな声。
ロゼは何も言わずに、背中をゆっくり撫でる。
数秒後。
ぴと。
完全にしがみつく。
「……俺、拗ねとるん?」
「ちょっとだけ。」
「やっぱり。」
くしゃっと笑うけど、目はまだ赤い。
「ロゼが悪いけん。」
「うん、ごめん。」
即謝る。
らいと、少し驚く。
「……そんな素直なん。」
「らいと泣きそうだったから。」
「泣いとらん!」
でも腕の力が強くなる。
「……でも、子ども扱いは嫌や。」
「じゃあどう扱えばいい?」
少し考えてから。
「……特別扱い。」
小声。
ロゼ、笑う。
「それずるくない?」
「知らん。」
でも顔真っ赤。
ロゼが頬に手を添える。
「らいとは拗ねても可愛いし、我慢しても可愛いし、泣きそうでも可愛い。」
フリーズ。
「やめろ。」
「好きだよ。」
完全停止。
らいとの顔が一気に熱くなる。
「そういうとこがずるい…」
でも今度は自分からぎゅっと抱きつく。
「……ちょっとだけ甘える。」
「うん。」
「今日だけやけん。」
「うんうん。」
「明日は強いけん。」
「はいはい。」
数秒後。
「……ロゼ。」
「なに?」
「もうちょっと撫でて。」
さっきまでの意地どこ行った。
ロゼは優しく髪を撫でる。
らいとの呼吸がゆっくり落ち着いていく。
「……泣いてないけど。」
「うん。」
「でも、ちょっとだけ寂しかった。」
小さな本音。
ロゼはらいとの唇にそっとキスを沈める。
「寂しくさせてごめんね。」
らいとは目閉じて、ロゼの胸に顔埋める。
「今日は特別扱いの日やけん。」
liくんってなんでこんなに可愛いんだろうね🫰
コメント
2件
最高です…😿 拗ねちゃうツンデレliくん好きだ…