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それから1ヶ月、何事もなく学校生活を送っていた。
僕にも大勢ではないけれど、数人友達ができた。
「おーい、優。飯食おーぜ」
「ごめん。ちょっと先生に呼ばれてるんだ」
僕はお弁当を机に置いて、教室を去った。
「すぐ戻って来いよー」
「失礼しました」
職員室を出て、教室に戻ろうとした時だった。
人通りの少ない廊下から、微かに声が聞こえてきた。
女子の声だ。
「あの夢望って、絶対可愛子ぶってるよね?」
「絶対そうだよ!男子に色目使ってるらしいよ」
「まじ?最低じゃん」
「昨日も男子と一緒に帰ったらしいよ」
「え!だれだれ?」
彼女の陰口だった。
僕は友達が待っているのを思い出して、その場を後にした。
「あ、おかえり」
「ただいま」
「遅かったじゃねーかよ」
「ごめん、先生の話が長くてさ」
嘘だ。
「腹減ったー」
「…いただきます」
お弁当を広げたその時だった。
彼女が教室に入ってくる。
明らかに表情が暗かった。
泣いていたのだ。