『貴方ノ為ならどんな罪モ犯ス』〜桃の花は赤く散る〜
第3輪 誰ノ為ノ報復カ?
『え?ユーハンが?』
『はい。グロバナー家から直々にユーハンさんへ依頼があったみたいです。それで今屋敷には不在です。』
『そう…なんだ。』
(なに…?なんなの?このモヤモヤは。)
『…ユーハンさんが心配ですか?』
『!う、ううん。ただなんで私に言って行かなかったのかな…って。』
『ユーハンさん、主様に伝えなかったんですか?』
『え?う、うん。私が昼ご飯を食べている時にはもう居なかったし…。』
『きっと急ぎの依頼だったのでしょう。それで主様に伝えられなかったのでしょうかね。』
『それならいいんだけど…。』
(逆にそう出なきゃ困る。私に言えない理由があると考えてしまう。)
一方その頃――。
バタンっ!
『失礼致します。トゥルージュ・サクリアさんの御自宅でよろしいですね?』
『なっ!なんだお前は!』
『おや…私の顔を覚えてないですか?』
『お前は、悪魔執事の…!』
『あなた、この人は…?』
『っ、子供たちを連れて上に行け。』
『え?』
『いいから早く!』
『は、はい。リン、アン、行くわよ。』
『…おやおや。可愛らしいお子さんですね。』
『なんでお前がここにいる!』
『私の主様を穢したので御礼参り…ですかね。』
『は…?』
『あの方は私にとって命より大事な方です。そのお方を貴方は侮辱しののしり、穢した。その罪は重いですよ。ですからこうして家まで出向いた訳です。』
『っ、妻と子供は関係ないだろ!』
『いいえ。主様を穢す危険分子は排除します。大人しく来てくれますね?』
『っ、お前、こんなことしてタダで済むと…!』
ガッ!
私は剣の鞘で首を叩き気絶させた。
『…タダで済まないのは貴方方ですよ。さて、貴方の大切な奥様とご子息、ご息女を探しに行きますか。』
『お母様、お父様は大丈夫なの…?』
『怖いよお母様…。』
『大丈夫よ、私が守るから。』
私は子供を2人を抱き締めて机の下に隠れる。
コツコツ…。
ガチャッ。
『…ここにいるんですよね。』
『……。』
『私も無粋なことはしたくないので…出てきてくれませんか?』
『私はこれでも元少佐でして、隠れたやからを見つけるのは得意なんです。』
ドカッ!
私は机を蹴り飛ばす。
『見つけました…ここにいたんですね。』
『サラマリ・トゥルージュさん。そして、双子のアンさん、リンさん。』
『どうして私たちの名前…っ。』
『ふふっ。貴方達みたいな可愛い子供にまで手を挙げるなんて胸が痛みますが…恨むならお父様を恨んでくださいね。』
ガッ!私は3人を気絶させて手足を縛る。
『…さて。貴方達をどうやって運びましょうか…。』
私は庭の小屋に止めてある馬車に目をやる。
『お借りしますよ。』
私は馬車の荷台に4人を乗せて森の中を走る。
『確か…この森の奥に…あぁありました。』
小さな家を見つけてその前に馬車を止める。
『良かったです、誰も住んでなさそうですね。ではこの家にします。』
(さて、忙しくなりますね…。)
私は4人を運び出し作業に取り掛かる。
『ふふっ。あはっ。』
(トゥルージュ家は捕獲完了です。後少しです。主様。)
惨劇まで残り5日――。
その頃のデビルズパレス。
『最近は物騒ですね…。』
『ナック?どうしたの?』
新聞を読みながらオランジェットを食べているナックに声をかける。
『あ、主様。いえ、主様のお目汚しになるかと…。』
ナックは新聞を後ろに隠す。
『気になるから見せて。』
バサッ
『トゥルージュ家失踪…。』
(トゥルージュ家?どっかで聞いたような…。)
『グロバナー家の傘下の貴族です。そんな方が家族揃って失踪だなんて…。良からぬ者の犯行でしょうか。』
『……。』
(トゥルージュ家…どこかで…。)
『ん…。っ!ここは…って…なんだこれは!』
縛り付けられ、天井から吊るされていた。
『お目覚めですか。』
『お前悪魔執事!こんなことしてタダで済むと思うなよ!』
『元気な口ですね。タダ済まないのは貴方ですよ?』
私は男の隣を指さす。
『…?サラマリ!アン!リン!』
同じく隣で縛り付けられて眠っている。
『あははっ!私を怒らせたら大切な奥様と子供がどうなっても知りませんよ…?』
『貴様…っ!』
『おっと…。あんまり動いて落ちても知りませんよ?』
『落ちる…?』
私は下を見る。
『ひっ……!!』
箱の中に沢山の針が敷きつめられていた。
『貴方は針に刺されて死ぬ。奥様は酸により融けて死ぬ。子供2人は猛毒により蠍と蜈蚣で毒殺です。』
『お前…狂ってる…っ。』
『貴方が誰を敵に回したか…。ちゃんと後悔してから逝ってくださいね♪』
次回
第4輪 始まるノは狂キノ拷モン
コメント
4件
ユーハン怖すぎる:(´◦ω◦`):でも魅力的♡(๑♡ᴗ♡๑)
めちゃ怖くなる予定だから覚悟しときや(謎の関西弁)
ひゃー!怖いっ怖すぎるっ!でも気になる~!!続きまってます♪