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「何しようとしてんの?」
不意に上から声がした。驚いた私はフェンスから飛び降りてしまった。
「えっと…あ…の…」
「まぁ無理して言わなくてもいいけど。見たらわかるし。」
誰だろうこの人…?でもなんだか聞いたことのある声だ。少し…落ち着くような暖かい声。下履を見る限り同じ1年生だけど,私は知らないから違うクラスの人だろう。
「あの…黙っていて貰ってもいいですか?」
「何を?ああ,〇殺しようとしてたこと?別にいいけどさ…」
何とか黙っていて貰えることになった。良かった…親に心配をかけさせる訳にはいかないし。
「それで?あんたはどうしたかったの?」
「え?」
急に聞かれて私は戸惑ってしまった。私がどうしたかったか,か…
「どうしたかったんでしょうね。」
「は?」
私はその人に全てを打ち明けた。エブシンを理由にいじめられていること,日々いじめはエスカレートしていること,誰にも言えなかったこと,たった1人の友達だと思っていた子に突き落とされたこと,知らず知らずのうちに悪者にされていたこと。話している最中に涙が出てきた。
「辛かったな。苦しかっただろ。」
そう言って貰った時,今まで我慢していた何かが溢れてもっと泣いてしまった。私が落ち着いたあと,その人は
「また辛いことあったら僕に言いに来な。いつでもここで待っててやるからさ。」
と言ってくれた。頼もしかった。嬉しかった。
「あーあと,ちょっとお願いがあるんだけど…」
「なんですか?」
「エブシンしてるんでしょ?1曲歌ってくれない?」
「まぁ…そのくらいなら」
私は1番お気に入りの曲のサビ部分を歌い始めた。
「♪〜♪〜♪〜」
「え…?」
なんだか慌てている。どうしたんだろう?
「まさかさ,きみのエブシンのユーザー名ってAki?」
「なんで知ってるの?」
びっくりした。私,教えてないのに…
「まじか…えーと,ごめん。僕のユーザー名見てくれる?」
え?この人もエブシンしてるの?知り合いかな…
差し出された画面を見た瞬間,目に入った文字は私のエブシンでの友達,すとろーだった。
「…え?」
「まさか同じ学校とか…思わねぇよ…」
嘘でしょ…終わった…