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体育館はとても広い。すでに、半分ほどクラスが来ているのに広く感じるのだから。
歌蓮達の列は左側の一番端で止まった。そしてそこに座った。司と歌蓮は遠かった。そのため司は少し不安な気持ちがあった。
数分が経ち始業式が始まった。国歌や校歌を歌ったり、校長先生の話を聞いたり……担任の発表まで長かった。
「続いて、担任発表です」と言われるまでは。そう言った途端体育館中はざわざわと話し声が聞こえた。前に校長先生が立ち、二年生から順に呼ばれる。
「四年生」
そういった途端、歌蓮の胸はドキドキだった。
「四年一組・近藤正和(こんどうまさかず)先生」
さっき、教室に来た先生だ。と歌蓮は思った。
「四年二組…」
歌蓮のクラスは二組。胸が高鳴る。
「四年二組・後藤翼先生」
そう校長先生が言った瞬間歌蓮は心の中で「やったー!!!」と叫んだ。その後も次々と担任が呼ばれたものの歌蓮の記憶にはなかった。いつの間にか教室に戻っていたのだった。
「歌蓮ちゃん。よかったね!後藤先生だよ!」
司の声が聞こえて歌蓮は現実に戻った。
「うん!もう今年の運使い果たしたかもw」
「でも三組は宮倉先生だって。三組じゃなくてよかった〜」
「ええ〜宮倉先生か〜確かによかった」
ここで初めて三組の担任を歌蓮は聞いたのだった。
宮倉桃子。もう何年もこの学校に勤めているベテラン教師。だが、評判はあまり良くない。
この日は三時間だったためすぐに帰れた。
歌蓮と司は一緒に家まで帰ったのだった。