この病名は

‪💚side

佐久間が離れていくことを想像する。

想像しただけで涙が止まらないのはどうして？

どんなことをしてでも、この関係を続けていきたい。

佐久間を愛してるから。

こんな共依存気味た関係でまともな、正しい道へ戻れるのだろうか。

出来れば、普通の恋人の関係に戻りたい。

普通の誰もが幸せだと思えるような関係に…。

🩷side

俺と阿部ちゃんは運命の赤い糸が固結びで繋がっている。

別れたらお互いのことを気にせず楽になれるけど、別れたくないからこの恋を続けて自ら苦しんでいる。

その苦しさを、俺はずっと見て見ぬフリをしている。

俺は、多分阿部ちゃんもだろう。

虚しさ、苦しみをそっと覆って楽になりたかった。

なのに、求めているのはお互いの温もりだ。

お互いの温もりじゃないと孤独感を癒せなかった。

俺らは病的な恋をしていた。

相手がいないとお互いに生きていけないほどに。

美しい恋愛を夢見て、矛盾した気持ちのまま関係を続けているのだろう。

恋の病で、2人一緒に死ぬ。

あぁ、その事さえもフィナーレのように美しく思ってしまう。

「阿部ちゃん。」

「正しい道に戻ろうとか考えなくてもいいんだよ？」

「だって、今が俺らの中での正しい道だもん♡」

NOside

恋に悩んでボロボロになった2人は死んだ。

今は、お互いを愛すことだけを考えればいいだけ。

共依存の恋愛に囚われた2人は、死ぬまで幸せだろう。

2人を知ってる者は言う。

「この世で、1番幸せそうな顔をしていた。」

……と。

それは病的な愛のせいだった。