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5月12日 桜も舞い散った後、木の葉が鮮やかな緑に変化していく、そんな季節の変わり目に物語の主人公モブは何を思うか
それは至って率直な感想…
「今日、僕誕生日だ」
そう本日5月12日はモブの誕生日である
ピピピッ
甲高いアラーム音が部屋に響き渡る…
「ん…うるさいなぁ…」
嫌々しく僕は目を覚ました
ふわぁ…欠伸を1つこぼすと、手を上に上げおもいっきり背伸びをする
ふと目を横にそらすと今日の予定が書かれたカレンダーが映った
「そうだ今日は師匠たちが僕の誕生日祝いしてくれるんだっけ?」
それを見て微かに心が踊った気がした
待たせちゃ悪いし早く向かわなきゃ
クローゼットからお気に入りの服を乱暴に引っ張り出しウキウキとした気分で身につける
いつもなら布団を丁寧に畳んでから行くが今日はそんな事どうでもよかった
みんなが待ってる、そんな事が僕の行動を早めた
階段を急いで駆け降り、踵が潰れたままの靴を履く
「行ってきまーす!」元気な声でリビングにいる、母と父に言った
そう言うとリビングの扉があき、中から母が出てきた
「行ってらっしゃい」そう優しく語りかけるように、背中を押してくれるように…
モブはふふっと笑って玄関のドアを開けた
待ち合わせ場所は「霊とか相談所」だったよな…
肉体改造部で鍛えた体力を使ってモブは走った
はっ、はっん、ふっ…
苦しい…でも今はそんな苦しさが心地よかった向かい風が気持ちいい
みんなが待ってる…師匠、律、芹沢さん、花澤くん、トメさん…それにエクボも
着いた…あとは階段を登るだけ
なんかすごく緊張してきちゃった…
ど、どうしよう、こんなとこでモタモタしてちゃダメなのに、、
ん…?で、電話?こんな時に誰だろう
あ、師匠からだ…
「はい、師匠どうしました?」
「おーモブ、いまどこいる?」
「い、いまは相談所の階段のとこです」
「なんだよ…まぁいいや、早く上がってこいよみんな待ってるぜ」
…切れてしまった
こ、ここは意を決して行くしか…
階段を2段登る、緊張でお、お腹が…
階段を…いま何段目だ…?
鳥肌が絶えない…心なしか天気も悪くなってきた気がする、
え、ええい!もういいや!一気に登っちゃおうドアの中から人の声がする…みんなかな?
どうせなら驚かしちゃおうかな…
ガチャ
あ、あれ?みんな居ないし
電気もついてない…
「あ、あれ?し、ししょお…?、エクボ?」
とクラッカーが弾ける音がした
「ひゃッ!!?」
え、え?…サプライズってやつ…?
嬉しさと驚きで心臓がはち切れそうだ
「あ、あぇ…」
「モブ誕生日おめっとさん!」
「師匠…ありがとうございます!」
各々が僕に誕生日おめでとうと言ってくれた、それにケーキまで、
とても嬉しい…
あれ?…そういえば
「エクボは…?居なくないですか?」
「エクボか?あー…そういや見てねぇな」
みんなエクボの行方を知らないようで
「んー…」と唸っていた
「モブ、探してこいよ!頼んだぞ」
「え?僕、ですか?」
「わかりました、探してきます」
エクボの行方も知りたかったしすぐに承諾した
エクボどこ行っちゃったんだろう…
ドアを開け、階段を降りるとそこには
薔薇の花束を持って照れ臭そうにしている
エクボがいた
「し、シゲオ15の誕生日おめでとう、よかったらなんだがこれ受け取ってくれ…」
そう言ってエクボは花束を突き出してきた
「エクボ…これって、僕に?」
エクボは照れているのか言葉は発さずにコクっと頷いた
「ーーーッ!!」顔が熱い
僕はその熱を治めるように花束を突き出して待っているエクボにおもっきりジャンプして抱きついた
「お!おい、シゲオ!」
「ありがとう、ありがとうエクボ…僕すっっごく嬉しいんだ…」
エクボの耳元でそっと囁くようにして言った
エクボの熱が伝わる、多分僕の熱も
耳まで赤いだろう、きっとでも今はそれでいい
「ったく…ませたガキだぜ」
エクボはそっと、ギュッと抱き返してきた
(おまけ) 「ねぇ、エクボ」
『どうしたよ、シゲオ』
「さっきみんながサプライズしてくれたんだ、凄い嬉しかった」
『あーありゃ、霊幻が計画したんだ』
「そうなんだ…でも薔薇の花束の方が正直嬉しいや」
『定番すぎて、すんげぇ照れ臭かったよ、でもシゲオが喜んでくれんならいいや』
「でもなんで11本なの?」
『それはな…花言葉があってな』
「花言葉?どういう意味なの?」
『照れくさいんだがお前にだから言ってやる』
エクボはそう言うと僕の手のひらにキスをした