寝室には、前に見た黒いモヤのような穴が人1人やっと通れるだけの小ささでそこにあった。
💚「翔太!早く!!」
💙「うんっ」
俺は阿部ちゃんの言うままに、穴に飛び込んだ。阿部ちゃんも続こうとした。
したんだけど……。
💙「阿部ちゃん!!!やだよ!!来て!!!」
阿部ちゃんと手が離れてしまい、そのまま俺だけが暗闇の中をどこかへと運ばれて行く。
💙「阿部ちゃん!阿部ちゃん!阿部ちゃん!」
姿の見えない阿部ちゃんのいた方向を見ながら、俺は繰り返し、阿部ちゃんの名を叫び続けた……。
目が覚めると。
そこは俺の部屋だった。俺の家のベッドに、俺はいた。
周りには誰もいない。
俺は、阿部ちゃんに電話をかけようとした…が、阿部ちゃんの連絡先が携帯に入っていない。
慌てて涼太に電話をかけた。
💙「もしもし!?」
❤️『随分早いね、どうかした?』
💙「阿部ちゃんの携帯番号教えてくれよ」
すると、涼太はしばらく無言になって
❤️『阿部って…ダレ?』
と聞いてきた。
💙「は?メンバーの阿部だよ!阿部亮平!!知ってるだろ?」
❤️『………知らない』
俺は要領を得ない電話を切り、家の中を見回した。ふと、思いついて、CDラックを漁る。ここには確か俺たちのCDがあるはずだ。
見つけて、ジャケットを見る。
💙「………!!!」
そこには、Snow Manと書かれてはいるが、メンバー写真は8人だった。
阿部ちゃんが。
大好きな阿部ちゃんがいない…。
ここはここで、また違う並行世界なのか。
それとも、阿部ちゃんが戻って来れなかったせいで、阿部ちゃんの存在自体が消滅してしまったのかわからない。
俺は、泣いた。
最後の阿部ちゃんの微笑み。
穴の内側と外側で見た、阿部ちゃんの最後の顔。
💙「やだ。やだよ…阿部ちゃん……」
俺は力無くその場に座り込んでしまった。
コメント
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あべちゃんがぁ…😭