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以前はまっていた事のある乙女ゲームが、スマホアプリとして新作を出したらしい。
キャラも一新されていて、ぱっと見好みのキャラがいなかったのでスルーしていた。
ところが突然自体が変わった。
どうやら以前のキャラの新規シナリオが、イベントとして登場したようだった。
今後のイベントに推していたキャラが登場する可能性を考え、今から少し触っておこうかなとインストールをした。
🌸「久しぶりに新しくスマホゲーやろうと思って」
夕食後に2人でのんびりしている時に、ふと思い出して話の種にしてみる。
🍷「ぇなにやんの」
🌸「これー」
そういってアプリを開いてみせる。
好みがいないってだけで、イラストはとても綺麗なんだよね。
今はガチャ用の石貯めるだけのつもりだけど、それでもモチベの為に少しでも好みに近いキャラを選びたい。
🍷「……どんなゲーム?」
イケメンばっか並んでない?と訝しげに聞かれた。
🌸「乙女ゲーム。イケメンと疑似恋愛するやつ」
🍷「…、へぇ~」
返ってきた返事は、先程より明らかに温度が下がっている。
その声に反射的に隣を見ると、不機嫌そうに目を細める奏斗と視線がぶつかった。
急な態度の変わりように心臓がざわりとする。
🌸「なに………?」
🍷「んー?楽しそうにしてるなーって思って」
🌸「…前にはまってたシリーズの新作だしね」
🍷「懐かしいからってこと?」
🌸「それはだいぶ大きいけど」
🍷「じゃあイケメンばっかいるから?」
…何だろう、聞き方にいちいち棘を感じる。
いつもより声が低いし、微笑んでるけど目が笑ってないというか。
些細な言葉選びすら間違えたら危ない気がする。
🍷「ねー?」
🌸「…イケメンばっかだからってか、乙女ゲームするなら少なくとも好みのキャラがいるに越したことは無いと思う…」
🍷「何?好みのキャラいたの?」
🌸「ぱっと見は別に」
🍷「ちゃんと見たらいたの?」
物理的にも心理的にもじわじわと責められている。
私の大好きな声で、穏やかな話し方で、微笑んでいるはずなのに若干仄暗ささえ感じる表情で。
そんなにまずい内容の話だっただろうか?
一瞬の戸惑いが滲むと、答えを急かすようにまた身体ごと近づかれる。
🍷「ねぇ、🌸」
🌸「…っゲーム内でスチル見たら立ち絵だけよりはってだけで」
思わず顔を背けながら答えると、体勢的に限界だったせいでソファに倒れ込んでしまった。
奏斗はそれを追いかけるように覆い被さってくると、両手を私の顔の横へついた。
🍷「俺の顔好き?」
🌸「ぇ…うん」
🍷「声は好き?」
🌸「大好き」
🍷「踊ってるとこは?」
🌸「いちばん好き」
出来るだけ間を開けないように、聞かれた事に即答していく。
奏斗の表情も声色も変わらないし、私の心臓もずっとばくばくしている。
🍷「…俺の事、好きだよね?」
🌸「うん、全部大好き」
奏斗の手がするりと頬を撫でる。
🍷「なのに俺以外と恋愛すんの?」
🌸「ぃゃ………ゲームだよ?」
🍷「でも恋愛するって事でしょ?」
🌸「…そう…だね」
大きくため息をついて、頬を撫でる手が止まる。
結局のところ、この言動は嫉妬、と結論付けていいのだろうか。
相手は違う次元の存在なわけだけど。
🍷「優しくしたいと思ってるし、どうしたら喜んでくれるかなって考えてやってきたけどまだ足りなかったのかなぁ」
🌸「ちがぅ…」
🍷「でも満足してない部分もあったからだよね?はぁ、もっと頑張らないと」
私が言葉を発する前に噛み付くようなキスをしてきた。
遠慮が一切無いと分かるほど、今までとは違う。
口内の弱いところばかりを執拗に責められ、息が絶えだえになる。
酸素を求めて離れようとしてもすぐにまた塞がれた。
🌸「ま……って」
🍷「…は、だーめ」
今の状態で待ってくれる筈も無く、何度も何度も深いところまで責められ続けているうちに、それでも僅かに続けていた抵抗すらする気力も無くなってしまった。
🍷「…ん、いいこになったね」
そこで漸くまともに息をつくことを許された。
深呼吸を繰り返す唇の周りは、2人分の唾液がべったりと付いている。
流れてしまいそうだったところをべろりと舐め取って、そのままもう一度、今度は息が出来る程度の深さでキスを続けてきた。
これっていつまで続くのかな。
いまだ頭に酸素の回りきっていないままで、与えられ続ける快感に涙が止まらない。
🍷「ふ…、ねぇ、俺だけだよね?」
🌸「んぁ……?」
🍷「俺以外となんて恋愛しないもんね?」
🌸「し…ない……」
🍷「ゲームもだめだかんね?」
🌸「…うん、もうしない」
私の返事に、奏斗はやっと満足そうな表情を浮かべた。
だってしたらまたこうなるんでしょ?
いや、乙女ゲームやる”かも”って言っただけでこれなら、寧ろもっとどうにかなってしまうのかな。
ぼーっとしたまま奏斗を見上げていると、それを見透かしたようにふ、と息を溢した。
🍷「やりたいならやっていいよ?そしたらもっと頑張る羽目になるけどね」
この“頑張る”は私がか。
次なんてどう考えても身が持たないのは分かりきっている。
この人に愛されている。
大切にされている。
自惚れではない事実として、それはたしか。
でもそれ以上に暗い感情が奏斗の中にあったなんて初めて知った。
どこかが歪んでいるんだと思う。
そんな感情を向けられていると知って、怖いとか嫌どころか優越感を覚えてしまった私自身がいちばん歪んでいる。
🍷「…あぁ、寧ろやってくれたほうが俺の罪悪感減るから都合はいいか」
…やっぱり同じくらい歪んでるかもな。
奏斗のこの歪んだ愛を向けられるのも受け止められるのも、自分だけでありたいと願う。
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どうしてもヤンデレ系書いてみたくてだいぶ
捻り出した…難しい