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ボクは元知能天使のナナ。
今はお気に入りの執事3人と黒猫と一緒に旅をしています。
昨日、邪魔者が私たちの邪魔をしなくなった。
悩みが消えて喜んでいた矢先…また新しい悩みができてしまった。
ボクは…ベレンさんのことが、好きみたい。
その気持ちに気づいたのもちょうど昨日。
ノクアのクナイで槍が弾き飛ばされ、ピンチになった時、ベレンさんが助けてくれた。
その姿にドキドキして、今もベレンさんを思うと鼓動が早くなっている。
『はぁ…どうしよう』
以前はスローンさんに恋をしていた身だが、人間に恋をするのは初めてで、どうすればいいのか分からない。
もっとも、スローンさんに思いを伝えたことはないのだが。
すると、コンコンとドアを叩く音が聞こえた。
『どうぞ』
部屋に入ってきたのは、ベリアンだった。
…ん?ベリアン?
そういえば…ベリアンはベレンの弟のような存在。
つまり、ベレンを誰よりも知っている!
「主様?どうされたのですか?」
首を傾げてこちらを見るベリアン。
『あ、あの…えっと…』
どう話を切り出そうかで頭はぐるぐると回っている。
ベレンさんはどんな人がタイプですか?
ベレンさんは好きな人がいるのですか?
そもそもベレンさんは恋愛をするのですか…?
「大丈夫ですよ。ゆっくり話してくださいね」
背中を一定の速さでさするベリアン。
そのリズムに安心し、勇気を出して口を開いた。
『あ、あの…ベレンさんはボクのことが好きなの、でしょうか?』
あ〜!!ボクのバカやろ!なんでよりによって「ボクのこと 」って言っちゃうかな!?
これじゃボクがベレンさんのことが好きだって分かっちゃうじゃん!
「ふふっ、あっははははっ…」
上品に笑うベリアン。
『笑い事じゃないよ!ほんとに…ベレンさんのことが…』
「申し訳ありません主様…ほんとに、可愛らしくて…」
そう言ってもベリアンはしばらく笑っていた。
数分後…。
「うーんそうですね…私も、ベレンが誰かに恋をしているようなところは見かけてないんです」
長生きしているベレンさんだが、恋をしたことはないらしい。
『つまり…好きなタイプいないってことじゃ…』
「そ、そんなことはないと思います!」
まるで、攻略できてない迷宮をさまよっているようだ。
「あ、ですが…」
頭の電球が光ったように、ベリアンが微笑みながら話してくれた。
「今のベレンは主様…ナナ様のことが好きなんだと思います」
耳元で言うのでドキッとした。
え、というか…まって。
ベレンは、ボクのことが…好き?
『ほ、ほんとですか?』
問い詰めると、うんうんと頷いた。
「ナナ様の旅に最初からずーっと一緒にいて支えてくれていましたよね?ナナ様のことが大好きなんですよ」
それに、ナナ様のことをナナちゃんなどと読んでいますからねと、付け加える。
ベリアンが背中を押してくれている。
その事実だけでも、嬉しい。
『ありがと、ベリアン』
「いえいえ、屋敷にいた時からナナ様のことを支えてきたのも私ですから」
髪を愛おしそうに撫でるベリアンのある感情が見え隠れしているのを感じ取ってしまった。
『もしかして、ベリアン…ボクのこと、好き?』
そう言うと、図星をつかれたのか目を見開いて下を向いてしまった。
「…そう、ですね。少しだけ、恋情を抱いていました」
それを聞いた時、何故かベリアンのことを抱きしめていた。
そりゃベリアンにも嫉妬の感情も少しは入っているのだろう。
でも、優しいベリアンだから、嫉妬の感情を表に出したりしない。
…本当に、ベリアンは優しい。
『…ごめんね、ベリアン』
「いえ、もう…大丈夫です。整理は、ついてます…」
耳にはベリアンのすすり泣く声が儚く宙に舞っていった。
ベリアンが私の部屋を出ると同時に、ベレンさんがボクの部屋に入ってきた。
「…ごめんね、最初から最後まで聞いちゃった」
いつまで経ってもベレンの微笑みはお兄ちゃんのように優しく見えた。
『ベレンさん、その、最初からって…』
恥ずかしいからか、そっぽを向いてしまう。
「ん?ナナちゃんが、俺のことが好きなの?って質問したとこから」
ほぼ最初からだった。
『え、え?え!?もう、バレちゃったじゃないですか…』
今度は先程のベリアンのように下を向いてしまった。
「おやおや、大丈夫?」
よしよし、と甘く囁いてボクの頭を撫でてくれる。
『ベレンさんはいつもボクのことを甘やかしてくれますよね。どうしてなんですか?』
ふと、頭の中に残った疑問を問いかけてみる。
…照れ隠しのため、なのかもしれない。
「そうだね…ナナちゃんのことが大好きだから、かな?」
そう言い、体勢を変えた。
正面からベレンさんの顔を確認出来る体勢になる。
「1人の男として、ナナちゃんのこと愛してるよ」
一瞬、頭の中が真っ白になった。
ベレンさんが、こんな自分に口付けを交わしてくれた。
『へ、?ベレン、さん?』
「ふふっ、可愛いね。俺の未来のお嫁さんは」
『えぇぇぇぇっ!?!?』
ぎゅーっと優しく抱きしめる。
ベレンさんの吐息が耳にかかって落ち着かない。
「…で、いつまでそこで覗き見してるの?シロ、ムー」
ガチャ、とドアの音が聞こえ、入ってきたのは無言でこちらを見つめるシロとすっごく照れてるムーだった。
『え、ムーちゃん!?シロさん!?どうしてここに!?』
「あわわわ、僕はなにも見てないです!ほんとですよ!」
「しっかり見ていただろう」
ベレンさんの方を見て変なオーラを漂わせていて…怖い。
「もしかして、シロもナナちゃんとちゅーしたかったの?」
「黙れ」
今日のシロはいつにも増して恐ろしかった。
「…ごめんけどナナちゃんは俺のって予約してるから」
「勝手にしろ。奪い取ったりはせぬ」
ムーちゃんと一緒にどこかに行ってしまった。
シロさんも、ボクのことが好きだったんだろうか。
それは本人に聞かないと分からないことだったが…
ボクには聞く勇気が足りなかった。