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一瞬にして十人が倒され、一億円に目がくらんだ極星会の面々もさすがに戦意を喪失した。
床になぎ倒され肉が引き裂かれる音。そして悲鳴。うめき声――
逃げられないように陛下はドアを背に戦っている。一部の者は外に面した窓ガラスに体当たりしたが、防弾仕様になっているようでビクともしなかった。
「あはははははは! おまえたちの地獄は余の天国だ! 泣け! 喚け! もっともっと余を喜ばせてくれ!」
たぶんもう仲間が銃撃されて負傷したことに対する復讐という当初の目的を忘れて処刑を楽しんでいる。
陛下に切り刻まれて立ち上がった者はいない。一人ずつ確実に瀕死の重傷を負わせている。
誰もが命乞いしたが、誰一人として陛下に許された者はいなかった。ただ陛下は死の一歩手前で攻撃をやめているようだ。
もちろんそれは慈悲とか同情とか、そういうたぐいの話ではない。死ねばそれ以上苦しませることはできないからだ。陛下は激しい痛みと死の恐怖でのたうち回る敗北者たちを見てあざ笑うのが好きなのだ。
どうせ狩られるくらいならと立ち向かう者も少しはいたが、陛下のサディズムをいくらか満足させるだけの結果しかもたらさなかった。陛下に不遜な態度を取り続けた虎丸の兄も、そうして潔く散っていった。