「うーん…もう朝…?」
寝起きで重い体を動かしながら、目覚まし時計を止める。
私は都宮シズ今日から新しい高校に通う、高校2年生。
だけど私には、絶対に誰にも言えない事がある。
それは、私の目がオッドアイの事だ。
ある日、幼稚園からずっと一緒だった幼馴染が私と同じクラスの皆に向かって…
「オッドアイってさ〜、呪われてるんだって!」
その瞬間、私のオッドアイを綺麗だって言ってくれた友達はみんな怖いものを見るような目で私を見てきた。当時流行っていた子供向け番組にオッドアイの味方がいたが、実は呪われているという設定が公開されたらしい。
そのせいで、私はその日から皆に差別されるようになった。
だから今はお面をつけて、オッドアイって事がバレないようにしてる。だってきっと、また差別されるから…。
「お母さん!そろそろ学校行ってくるね!」
「えぇ!朝ごはんはちゃんと食べなさいよ〜」
「分かってるって、うるさいなぁ〜」
制服に着替え終わった後、鞄とお面を待って家を出た。
ようやく学校について、教室の前で待機する。
先生が合図をした時に教室に入れ、と事前に説明を受けているので、その間にそっとお面をつけた。
「はーい、みんな静かに!今日は転校生が来ます!」
先生がこちらを見て合図を送ってきたので、
私は扉を開けて、教室に入っていく。
「じゃぁ、簡単な自己紹介をお願いね」
「転校してきました、都宮シズです。よろしくお願いします」
近くから、ざわざわと声が聞こえてくる。
まぁ、普通に転校生がお面をつけていたら怖いかも…でもオッドアイを隠すためだし、仕方ない…
自分に言い聞かせて、先生が指差した席に座る。
「ねーねー転校生ちゃん!なんでお面付けてんの?」
「…まず名前教えて?」
「僕は丕守リオン!」
丕守とか、珍しい苗字だなぁ…。
それに、なんかチャラい雰囲気だし…ちょっと怖いなぁ。
「そ、れ、でっ!お面つけてる理由は?」
「言わないっ!」
「えぇ〜〜〜っっっ!!??」
物凄い大声が教室に響く。クラスメイト中には、耳を塞いでいる人や眉間にシワを寄せている人もいた。
転校初日から不安すぎる学校生活、開幕!?
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