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#異能力
ここと🌹🫶 @低浮
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#異能力バトル
名無の男2
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「キラリン、おっは〜☀️ えっやば笑、今日、目の下めっちゃクマじゃん! 寝不足的な?」
「おはよう、六道さん。 寝不足っつーか、オレの場合は慢性的な不眠症でな……」
教室に入ってすぐ、オレの席に座って雑談中のクラスメイトと挨拶を交わした。
昨日の夜は……、夏休みぶりに夢を見た。
でも、不思議と夢の内容を憶えていない。
夢を憶えていないってのは普通のことなのかもしれないが、今までこんなことはなかった。
白黒の夢を見た日の朝は、必ずその全容を思い出せた。
というか、何千回も見ているから思い出したくもないのに、勝手に頭が再生し始めてしまう。その度に頭痛に悩まされ、目のクマは深くなり、悩まされていたというのに……。
そんな陰鬱を吹き飛ばすが如きパワフルを放つ女生徒がオレの前にいる。
彼女は、六道紫明布。
キラキラネームすぎて、彼女のことは転入して最初に憶えた。
キャラ物のピンバッジなんかが沢山付けられた崩し着の制服に、紫のインナーとラインが入ったロングヘア。
存在感のある開いたまつ毛に、鮮やかな桃色のカラーコンタクト。
そう、彼女は……、俗に言うギャルだ。
「おっとっと、勝手に椅子使っちゃっててごめんね。 今どきますゆえ〜!💦」
「ヒーローキラ! グッド朝モーニング、ダネ! おはようおはようデス〜!」
「メレンゲもおはよう、秀次郎も」
「……なぁんだ煌クンか、ハローヒーロー」
「なんだとは何だ」
何の因果か、知り合いばかりがクラスの端の席にアサインされていた。
窓際最後列のオレの席を中心に、前にメレンゲ、彼女の横に御山。オレの隣の席は……、
「……やあ煌。 今日も忌まわしいほどに理想に満ち満ちた顔だ」
「野崎。 毎朝毎朝、嫌味を言うのはやめろ」
「野崎ちゃんはキラリンのこと、ヒーローって呼ばないんだね🤔」
どうやら六道さんは、オレがヒーローと呼ばれていることを不思議がっているようだ。
あれはジョン・ドゥが勝手に呼び出したニックネームでー……、っていちいち説明するワケにもいかないし、なんと言って納得させるべきか……
「どうしてクラスメイトのことをヒーローだなんて呼び方しなくてはならない? 煌は煌だ。 そこの二人が何故そんな呼び名を使っているのかは知らないし興味もないし私には関係ないね」
「僕は、知り合いがそう呼んでたから。 なんかダサくて面白いから皮肉込めて真似してただけ。 いつもは煌クンって呼んでるし。 てか、呼び方なんて何でも良くない?」
「エッ! ソーなのシュージロ! 私、本名だと思ってマシタヨ!? カンナヅキ・ヒーロー・キラじゃナイのデスカ!?」
「ンなワケねぇだろがッ!?」
「えー‼️ なんかめっちゃ仲良いねみんな。 良いなー、私もヒーローって呼んでい?😎」
「快諾すると思ったか!? 良いワケがねえだろ!」
「あはははは! なんかすっごいツッコミ笑 超面白い〜☺️」
前の学校から転入してきて……、事態はより一層、混沌としていた。
なんなのだ、この関係は?
世間を賑わすテロリストグループ『少数派』の一員に、その分派たる『廃棄物』のメンバーが二人。
ラヴェンダーの一件で状況報告をしたことで、両者共に相手が対抗組織の構成員であることを把握している。
それでもドンパチが起きないのは、『少数派』の野崎はオレの監視に徹底していることでアクションを起こせず、『廃棄物』側には敵意はあれど戦意がないからという、奇妙にも関係のバランスが保たれているからだ。
その合間に板挟まれるオレ。
狭間の立場は辛え。
まあ自分から選んでこの立場にいるから文句は言えねえし、文句を言う相手もいないんだが……
「シュージロ、その髪カラー大丈夫ナノ? ジャパンのスクールはヘアデザインのルールたくさんありますカラ、違反したら切腹と聞きましたヨ? 死にたいノ?」
「うん、大丈夫。 もし僕がダメなら、シャンプーチャンなんて切腹どころか市中引き回しの上に打首獄門でしょ」
「キャーーーー! ノーウェイ! シャンプーダメだよ、今すぐ全部ジュージューしないとグルグルジャリジャリのあとシャキーンスパーンになってしまうデスヨ!?」
「ジュージューって何、怖いんだけど😨 この学校はさ、他の高校と比べてめっちゃ校則甘いんだよね〜。 自由な校風が売りですから😊」
六道さんの会話を切って、校鐘が鳴り響く。
それをきっかけに、クラス中がワラワラと自席へ戻っていく。
「あちゃーもう鳴っちゃった。 あたしさー、髪は大丈夫なんだけどね? たまーに遅刻とかやらかしちゃってて、霧山センセに目ぇつけられちゃってんだよね🥲 だから怒られる前に座っときますよ。 刺され、更生アピール! じゃっ、またねー✋」
メレンゲで小さく手を振りあってから、短いスカートを振りながら小走りで自席へ。
六道さんが着席してからしばらくして、教室の扉がゴロゴロゴロ、と開かれた。
廊下からやって来たのはクラス担任。
折れた跡の残る白衣を着た、眼鏡にロン毛の男性教諭。
霧山一途先生。
「席に着けー……、出席取るぞ」
この学校に転入して数日間、この先生は気怠気にしている所しか見たことがない。
本日も例に漏れず、面倒そうな顔で出席簿を開いて点呼をしていく。
「六道、いるか?」
「はぁーい、いますよ🙋♀️」
「よし、今日は全員いるな。 じゃあクラス長、後は頼んだ。 俺は寝る」
「はいっ、分かりましたよ霧山先生っ! ではここからは私、押金燕ちゃんが進行させていただきますよ! 霧山先生の睡眠時間を確保するためにっ!」
担任とバトンタッチで教卓に飛び出してきた女生徒が、声高らかに仕切り始める。
彼女がクラス長だというのは初めて知った。
低い背に、クマさんパンツでも履いていそうなお子様体型。目を惹くのは、その頭に載っけられた花冠。生えているのはきっと造花だ。
オシャレの一環なのだろうか。
それにしても、どうして学校に花冠を……?
「本日も晴天なりー! 皆さんおはよーございます! 本日のホームルームですが、なんと! 霧山先生から何も伝えられていないため特にありません!! ですが朝一番の挨拶というこの大役……! 私、先生に失望されないように頑張ります!! では皆さん、まずは朝のアイスブレイクとして、一人ずつモーニングルーティーンを発表していきましょう! 他の人の朝活を見ることってなかなかないですからね、生活習慣の見直しにもなりますよ! さあ、最初は誰からスタートしましょうか! ……うん、では私から始めましょう!! 私は今朝、6時に起床しましてね!」
押金さんの進行、朝からとてつもなく重ぇ……!
クラスの雰囲気も「あぁ、始まった……」と言わんばかりにドンヨリし始める。
そして教室端の椅子で仮眠を取る担任。
誰かがこの状況を止めに入るわけもなく、鈍重な時間が流れていく。
数日間、新しい学生生活を送って分かったことがひとつ。
この学校は……、自由すぎる。
個性豊かな生徒に、それを長所として伸ばそうとする教師陣、学校設備、制度。
それらが合わさった結果、この学校は……、前の高校と比べてかなりハチャメチャだ。
オレはとんでもない所へ転入させられてしまったのかもしれない。
「はぁ…………」
頬杖と溜息。
次の鐘が鳴るまで窓外の白雲を眺め、
ただただ、時間を潰した。
コメント
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読了しました。第65話、お疲れさまです! 六道さんのギャル口調と圧倒的パワフルさがもう面白くて。あのノリで「ヒーロー」呼びに加わろうとする流れ、笑いました。一方でクラス長・押金さんの朝のアイスブレイク進行とか、担任の霧山先生が早々に寝る自由っぷりとか、日常描写に散りばめられた緩さが心地いいですね。ただ、オレ(煌)の慢性的な不眠やら「白黒の夢」の伏線がチラつくところが気になります。あの記憶に残らない夢の意味、気になるなあ。この学校、自由すぎて逆に何か起きそうな予感が……!