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あんにん
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飴玉
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文化祭から一年。
ライは高校二年生。
マナは中学三年生になった。
今度はマナが受験生だった。
⸻
「はぁ……」
マナは机に突っ伏した。
数学の問題集を開いているが、全く進まない。
窓の外を見る。
隣の家の明かりがついていた。
ライも部屋にいるのだろう。
そう思うだけで少し安心する。
「現実逃避してるな」
自分で自分にツッコミを入れる。
受験生なのだから勉強しなければならない。
それなのに頭に浮かぶのはライのことばかりだった。
⸻
その頃。
ライもまた自室でため息をついていた。
「また見てる」
スマホの画面。
そこにはマナとのトーク画面が表示されていた。
最後のやり取りは数時間前。
それなのにまた見てしまう。
「重症だな……」
高校生になっても。
二年生になっても。
好きな気持ちは消えなかった。
むしろ大きくなっている。
⸻
翌日。
学校。
昼休みにライが購買へ向かうと、赤城ウェンと小柳ロウがいた。
「ライ」
「ん?」
「そろそろどうなんだ」
ウェンが聞く。
「何が」
「マナ」
ライが固まった。
ロウが吹き出す。
「分かりやす」
「お前らな……」
昔から隠していたつもりだった。
だが二人には完全にバレている。
「何年好きなんだっけ」
「小二から」
「長っ!」
ロウが大笑いした。
「一途すぎるだろ」
「うるさい」
⸻
ウェンが真面目な顔になる。
「でもさ」
「?」
「マナも絶対ライのこと好きだろ」
ライは目を瞬かせた。
「……ないだろ」
「ある」
「ある」
二人とも即答だった。
「文化祭の時なんかめちゃくちゃ嫉妬してたぞ」
「見てて面白かった」
「お前ら最低だな」
そう言いながらも。
心のどこかで期待してしまう自分がいた。
⸻
その日の夜。
ライは珍しくマナに連絡した。
『勉強どう?』
数分後。
『死にそう』
思わず笑う。
『頑張れ受験生』
『ライも言ってたじゃん』
『言ってたな』
やり取りはそれだけ。
それだけなのに嬉しかった。
⸻
一方のマナ。
スマホを見ながら顔を伏せる。
「好きだなあ……」
今さらだった。
認めてから何年も経っている。
ライを見るたび好きになる。
優しいところも。
少し不器用なところも。
全部。
⸻
秋。
模試の帰り道。
マナは偶然ライと会った。
「お疲れ」
「ライ」
並んで歩く。
昔みたいだった。
「どうだった?」
「微妙」
「正直でよろしい」
ライが笑う。
マナもつられて笑った。
⸻
しばらく歩いた後。
ライが言う。
「受験終わったらさ」
「うん?」
「どっか行くか」
マナは目を丸くした。
「二人で?」
「嫌ならいいけど」
「嫌じゃない!」
思わず大きな声が出る。
ライが少し笑った。
「じゃあ決まり」
その笑顔に胸が苦しくなる。
⸻
その日の夜。
マナは眠れなかった。
二人で出かける。
それだけなのに。
嬉しくて仕方なかった。
⸻
一方。
ライも眠れずにいた。
ベッドの上で天井を見つめる。
受験が終わったら。
高校三年生になる前に。
伝えたい。
もう何年も隠してきた気持ちを。
⸻
数日後。
ライは放課後、ウェンとロウに呼び止められた。
「決めたか?」
ウェンが聞く。
ライは少しだけ考えて。
そして頷いた。
「うん」
「お」
「マナの受験終わったら言う」
ロウが笑う。
「ついにか」
「長かったな」
本当に長かった。
小学二年生の春から始まった片想い。
もう何年も経っている。
それでも。
後悔だけはしたくなかった。
⸻
その夜。
ライは窓を開けた。
隣の家の灯りが見える。
昔から変わらない景色。
昔から変わらない距離。
でも。
このままではいたくなかった。
隣のお兄ちゃん。
幼なじみ。
それだけじゃなくなりたい。
⸻
「好きだ」
小さく呟く。
誰にも聞こえない声で。
受験が終わったら伝える。
今度こそ。
逃げずに。
⸻
そして隣の家では。
同じように窓の外を見ながら、マナがライのことを考えていた。
二人とも同じ気持ちを抱えたまま。
長い片想いは、ついに終わりへ向かおうとしていた。
コメント
1件
ああああもう! この距離感がたまらんのよ!!😭💕 お互い窓の向こうの灯りを見ながら同じこと考えてるとかズルすぎるでしょ〜!! ウェンとロウの「あるある」連打も最高に効くし、ライの『好きだ』呟きシーンは声出して叫びそうになったよ…! 受験終わったらついに告白か〜! 二人の片思いがどう着地するか、第8話が待ちきれない!!🌸✨