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「そりゃ余裕ないよ。誰にも美桜の事取られたくなくないからな。でも……お前に取られる心配なんてしてないけどな」

「っつ……んんっ……」


隆ちゃんに全身を抱きしめられると、瞬時に顎をクイッとあげられ唇が重なる。


(ちょっ、池澤くんが見てるのに!? でも……気持ちいい……)


人に見られているのに、会社の人に見られるかもしれないのに、舌を絡ませ唾液を飲み干し、官能的なキス。ゆっくりと離れていく唇が切なく、もっと欲しくなってしまう。


「ほらな、美桜を女に出来るのは俺だけだから。これ以上は美桜の可愛い顔見せてやらねぇよ。じゃあまた明日、お疲れ様でした」


「っつ……会社の時とキャラ違い過ぎだろッ、くそッ……」


立ち尽くす池澤くんを置き去りにし足速に会社を出た。きっと私は今とてもだらしない顔をしているに違いない。この日程傘をさしていて良かったと思えた日はない。なるべく俯いてすれ違う人々に顔を見られないように、この熱く火照り欲情している顔を見られないように、足速な隆ちゃんの後を着いていく。バチャバチャと足に跳ねる雨水なんて気にせずに、早く、早く、家に帰りたい。


三階まで登るエレベーターの中、密室空間がいやに妖艶で濃厚な空気に感じ、息をするのも苦しい。けれどお互い無言で手をしっかりと握り合う。手と手の間の汗がじっとりとしても、決して離さずに。

エレベーターに乗っていたのはほんの数分だったのに、物凄く長く感じた。チンッと三階に着いた瞬間、扉が開き隆ちゃんに手を引かれながら部屋までの真っ直ぐな通路を足速に歩く。

乱雑に玄関を開け、引っ張られるように玄関に入る。それはもう猛獣に捕らわれたかのような勢いで。


「隆ちゃんッ……んんぅ……はっ……っん」


バタンと玄関ドアが閉まったと同時に私の背はドアに預けられ押し潰されそうなほどに激しいキス。たまにガチッと歯が当たるくらいに激しく口の中の全てを舐め尽くされお互いの唾液が口の横からツゥっと漏れる。流れた唾液を舌で掬われそのまま唇も丹念に舐められた。それが余りにも気持ちよくて身体の力が抜けそうになる。


「っつ……何なんだよアイツ。美桜にあんなに近づいて」


「っはぁ……りゅちゃん……お、怒ってるの?」


返事はなく、荒い息遣いが静かな玄関に響く。


「隆ちゃん……あぁっ、ちょっと待ってッ!」


左手でガシッと胸を掴まれ、器用に右指で私のブラウスのボタンを外していく。


「やっ、汗もかいてるし、ほら脚も雨でびちょびちょだからさっ……んぅっ」


ボタンは外され露わになった肌にチクッと痛みが走る。くっきりと胸元に示された赤黒いキスマークが目立つ。


「美桜は俺のなんだから……誰にも触れさせない」


私を見る目は熱く真っ直ぐで真剣な瞳。それが嬉しくて涙が出そうになる。


「あぁっ……やっ、隆ちゃん……んんぅ」


壁に押し付けられるようにキスをし、胸を揉まれる。


「んんっ……ふぅ……んっーっ」


「美桜、好きだよ。俺だけの美桜っ……」


両胸を傍から揉み寄せられてチュウっと思い切り両方の乳首を吸う。ダブルの衝撃に快楽に酔いしれる声がとめどなく溢れる。


「ああぁあっ、やぁん……はっ、りゅちゃんッ……ァアぁっ」


「こんな美桜を見れるのも夫の俺だけだ」


「やっ、もうダメってば、恥ずかしいよ」


舌が離れ今度は首筋を下から舐め上げられる。ザラとした舌の感覚に身体が捩れる。


「はぁ……アイツの言う通り俺余裕ないんだよ。美桜の事を誰かにとられたらと思うと気が気じゃない」


彼の艶めいた声が耳に響く。それだけで達してしまいそうになるくらい、いい声で、嬉しい言葉を並べられる。


「隆ちゃん……好きだよ。好き、好き……ひゃあっん」


ぎゅうっと彼を抱きしめて何度も好きと囁いた。彼の指が私の中を激しく掻き回す。


「あぁっ、あっ、あっ、んぁアッ……」


もう少しで頭の先まで真っ白な世界に達しそうになった時にぬぽっと私の中から彼の指が抜き取られ、なんとも切なくお腹の奥がキュウッとした。


「美桜、スカート自分で持ってて」


徐に私のプリーツスカートを捲り上げ下着をズルっと下に引きずり下ろした。ねっとりと濡れた下着が脱がされ空気が触れてひんやりと感じる。


「んぅっ……りゅちゃんッ、あぁんっ、ダメッ、やぁあ……だ、だめぇ……はっ……」


彼は私の脚の間に顔を埋める。何かに捕まっていないと脚から崩れ落ちそうで彼の頭を掴みながら必死で立ちながら襲いくる快感に耐えた。


「あぁっ……もうだめ……き、気持ち良すぎ、て……ァアっっ」


小さな刺激の連続に身体が捩れもっともっと、と欲しがってしまう。


「はぁ、んぁあ、隆ちゃん……も、もうイかせて……はっ、もうどうにかなっちゃいそうだよ……んぅあ」


「じゃあ俺の舌に集中して、イかしてやるから」


喋るたびに吐息が当たり、その微弱な刺激でさえ敏感に感じてしまう。より一層からの舌の動きがねっとりと、重点的に秘核を舐め、ジュウっと一気に吸われる。ビリっと一本の電流が頭の先まで勢いよく流れた。


「あぁぁあっ、はっ、やぁ……やぁ……」

「やっ、すご、い……あんっ……きもちよすぎる……」


なんだかくらくらしてきた時、舌が抜かれた。


「んぁぁあっ……はっ、はっ、はっあぁあんんッッ」


抜かれた舌はすぐに秘核をクルクルと舐め回し、一気に身体が浮き上がるような感覚。


「ぁあ、それだめっ、やぁっ、はっ……ンぁあアッ……」


頭が真っ白になりそうな時トドメを刺すようにチュゥゥっと吸い上げられ、身体の力がガクンと抜け真っ白な世界が頭の中に広がった。

彼にもたりかかり震える身体を彼に預ける。

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