痛い……
頭が割れるような痛み。尋常じゃない苦痛におかしくなりそうだ。
あれ……何か、頭に映像が……
これは、夢、なのか。
……!
ーー
僕がいじめられて、泣きじゃくってて、帰りのことを覚えていないというあの記憶が、急激によみがえった。
そうだ……あの、日は。
ーー
[うわあああああん!クッ…ヒック…!うぇぇぇ!]
とにかく無様になき散らして、喚いて。
なんともみっともない僕に、声をかけてくれたんだ。
[雨は、お好き?]
[ヒッ…ウック…!きら、いだ!雨なんか…嫌いだ!]
[なら、私が雨の世界へつれていってあげる!]
彼女はそういって、僕の腕をとる。
そして、回転をするのだ。
[どう?雨の下で回転するのって、楽しいでしょう!]
[うっ…うん……!たの、しい]
[私はね、雨が好きなんだ!それと、雨が嫌いな人に雨を好きになってもらうのも、好き!]
[そう、なんだ…]
[そういえば、君1人?もう、6時近くだよ。親御さん心配するんじゃない?]
[……心配、するね…]
[一緒に帰りましょ!ほら、この手をとって!]
僕は、弱々しく手を握る。少女の手はとても暖かい。
その温もりが確かに肌に絡み付いたのに。
数秒後、思ってもみないことがおきたんだ。
コメント
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おぉ!やっぱり書くの上手! はやく次も見たい(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク