テラーノベル
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目を覚ましたとき、世界が変わっていた。窓から差し込む光がやけにやわらかくて、肌にまとわりつく毛布がぬるいくらいにあたたかい。
それ以上に――
🎼☔️(……なつくんの匂い、すご……)
すぐ隣に寝ているなつくんの身体から放たれる、濃密なαの匂い。
噛まれた首筋が、じんじんと痛んで、そこが“番の証”なんだと嫌でもわかる。
🎼🍍「……起きた?」
ぼそ、と。耳元で声がした。
こさめがビクリと反応すると、なつくんが笑う。
完全に寝起きのはずなのに、どこか余裕があって……まるで捕らえた獲物を見下ろす猛獣だった。
🎼🍍「よく眠れた? 昨日、壊れるくらい啼いてたけど」
🎼🍍「っ……なつくんの、せいでしょ……」
🎼🍍「俺のせいじゃないよ。
番になっただけ。――お前が、俺のものになったってだけ」
🎼☔️「…………」
こさめはうつ伏せのまま、布団に顔を埋めた。
身体がずしりと重い。昨夜の記憶が、熱を含んで何度も押し寄せてくる。
――何度も何度も、なつくんに名前を呼ばれて。
――首筋を噛まれて、全部奪われて。
🎼☔️(……ほんとに、なっちゃったんだ。こさめ、番に……)
🎼🍍「こさめ、こっち向いて」
布団を少し引かれて、顔だけを横に向けさせられる。
その視線の先には、小さな――黒いレザーの首輪があった。
🎼☔️「……なに、これ……」
🎼🍍「番の印だよ。 今日から、お前は表じゃ“アイドル”、裏じゃ“俺の番”。 誰にも手出しされないように、わかりやすくしとかないとね」
🎼☔️「……冗談でしょ……」
🎼🍍「冗談で噛んだと思ってんの?」
なつくんはやわらかく笑ったまま、こさめのうなじに指を這わせた。
反射的にびくっと震えると、少しだけ嬉しそうな顔をされたのが、癪にさわる。
🎼☔️「……そんなの、撮影とか……外に出られなくなっちゃうじゃん……っ」
🎼🍍「安心して。これは撮影の時は外す用。
でもそれ以外のときは、ちゃんと着けといてね」
🎼☔️「……ほんとに、“飼い主”気取り……」
🎼🍍「気取りじゃないよ、本物だろ?」
こさめの手首をつかんで、唇をそっと重ねられる。
優しいキスだった。でも、支配の香りが強すぎて――胸が苦しくなった。
⸻
その日からこさめは、
“なつの番”であることを隠したまま、アイドルとしての活動に戻ることになる。
メンバーやスタッフに隠れて、
こっそりと抑制香をまぶして、
首輪の代わりにチョーカーを巻いて、
時には撮影中にも――身体の奥で、なつくんの名残が疼く。
それでもこさめは、アイドルであろうとした。
けれど。
🎼☔️(……いつか、この“番の匂い”が……バレちゃうんじゃないかな)
それが、何よりもこわかった。
そんな不安を抱えたまま、
ある日、撮影現場で――“事件”は起こる
コメント
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隙あればきすをする🎼🍍 ❤️くんw 事件?!何が起こるんだ…