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今更ですが、この作品は
・妖はじ二次創作ですが、オリキャラが現在大量発生しています
・実際の宗教(仏教や神道など)や神話等とは直接の関係はありません
歴史小説みたいに、あくまで名前や人物関係などを使っているだけのフィク
ションなのだと考えてください。
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“彼”がやって来てから20年ほどが経過し──
【現在 閻魔の執務室にて】
都市王「で、今度は何をやらかしたのです?」
閻魔「今回はホントに何もしてないからね!?」
都市王「……」
閻魔「僕も成長したんだってば ( -`ω-)✧ドヤッ」
都市王「信用できっかよ」
閻魔大王は都市王の上司(?)であり、十王のトップである。
が、悲しいことに、信用はあまりされていない。
まあ、約1年前に“あれ”があったのだ。当然十王は閻魔大王を簡単に信用することなどできないであろう。
【約1年前 十王の会議の場にて】
平等王「閻魔様、何故私達を集めたのですか?」
閻魔は黙ったまま。要件を口にしなかった。しかも顔は下を向き、明らかに何か隠している。
秦広王「黙らないでほしいぞ?」
初江王「もう貴方が何かしらやらかすことに、こちとら慣れてるんですよ〜?
今更何やらかしても驚かない自信ありますし、正直に言ってくれてもいいんじゃないですか〜?」
安心させようとしているのか、それとも貶してるのか分からない。
閻魔「酷い言われよう……」
平等王「この間“あの秘密”を“アイツ”教えたのは誰でした?」
閻魔「……あれは……、その……──」
視線を明らかに平等王からそらす閻魔。
五道転輪王「……話ズレ始めてるよ」
平等王「……すみません」
平等王〔……お前が言うな〕
五道転輪王「んで、何をやらかしたの?」
閻魔「それが……──」
意を決したのか、閻魔は顔を上げる。
閻魔「泰君、この間、言ってたよね。地獄にいた亡者が明らかに減ってるって。」
泰山王「え、あ、はい。閻魔様は、『原因調べるから待ってて』と。」
閻魔「うん、それなんだけど。」
泰山王「原因が分かったのですか!?」
閻魔「あー、まー、うん。」
はっきりしないような態度に、他の十王は顔をしかめる。
泰山王「その、原因は何だったのですか?」
閻魔「……じ、実はさ……」
泰山王「?」
また、閻魔の顔が下を向く。
閻魔「……──ました。」
閻魔はらしくない小声で言う。
平等王「え、っと……?」
五道転輪王「何て?」
都市王「分からん」
宋帝王「聞こえたか?」
五官王「いいや」
閻魔から離れた席に座る宋帝王・五官王・平等王・都市王・五道転輪王には聞こえなかったようだ。
秦広王「……は?」
初江王「あ゙?」
変成王「え、えぇぇぇ!?」
泰山王「意味が分かりません」
閻魔の近くに座っていた秦広王・初江王・変成王・泰山王は驚きと怒りを隠しきれていない様子。
五道転輪王「……怒らない……と思うから、はっきり言って?」
閻魔「……」
五道転輪王「黙るなっ!」
都市王「既に怒ってるやん」
五道転輪王「んなツッコミいらないから!都市ちゃんは黙ってろっ!」
都市王「……すいません」
必要以上に大きな声で怒鳴られてビビる都市王。
変成王「ってことで俺が、閻魔の代わりに言おう!」
侍女「……“ってことで”?(小声)」
誰かが呟いたが、五道転輪王に睨まれる。
その一方で、
閻魔「……え、ちょ、成君?」
閻魔が驚くが、変成王は気にせず大声で告げる。
変成王「実は!閻魔が!亡者を!ミスって!地獄から逃がしちゃった!らしい!」
シーン……
訪れる沈黙。
五道転輪王「……よし、」
沈黙を破る五道転輪王の声。
五道転輪王「テメェら今日はバーベキューだ!コイツをこんがり焼いて、今日のご馳走にするのだ!」
秦広王「輪ちゃん、それは流石にやめておいた方がいいぞ!」
都市王「冗談に決まってるでしょ……。コイツら大丈夫か?」
なんていつものうるさい奴らは頑張って明るく振る舞っているが、
平等王「……ヤバいですね……」
五官王「嗚呼、大変なことになってしまった……」
変成王「おっさん、気をしっかり持て!」
年配組、特に五官王は気が動転してしまっている。だが大変なことになっているのは事実。
泰山王「でもこのままでは、人道はたちまち地獄道に……。あ、」
泰山王には閻魔の意図が読み取れたようだ。
さっすが泰山王、“私”の最推s(((“ナレーター”が出しゃばるな
泰山王「……それで現世に我々を派遣して、収拾を図ろうと?」
閻魔「そう、……もはや君達だけが頼りだ」
泰山王の問いに答える閻魔の顔はいつになく真剣だった。
閻魔「十王の名にかけて、必ずや連れ戻して来てくれ
……私の逃した、108の業を……」
いつになく真剣な声色。いつになく真剣な口調。
みんなは静かにため息をつき、閻魔の頼みを了承したのであった。
【そして現在 閻魔の執務室にて】
閻魔「あはは、そんなこともあったねぇ……──」
都市王「なーにが、そんなこともあったねぇ、ですか。」
閻魔「ごめんごめん」
軽口を叩く閻魔は相変わらず。
一方、都市王達他の十王は、地獄から閻魔が逃がしてしまった亡者を追う日々である。
これがなかなか大変なのだ。
閻魔「話を戻すけど、都市ちゃん。追加の司令です」
都市王「……は?」
ただでさえ亡者を追うのも大変だと言うのに……。
閻魔「百鬼学園は知ってるよね?」
都市王「……はぁ……。あの妖怪まみれのクソみたいな学校ですよね」
閻魔「そう、それ」
苦笑しながらも閻魔は話を続ける。
閻魔「都市ちゃんには今からそこに潜入調査に行ってもらいます」
都市王「は?」
閻魔「あ、こっちの事情で、生徒として潜入してもらうよ」
都市王「……」
勝手にポンポンと話を進める閻魔。都市王は絶句。
閻魔「報酬は……潜入調査中は給料2倍にするとかは──」
都市王「お金で人を釣ろうとしないでください」
閻魔「僕達は人じゃなくて仏だから──」
都市王「そういうことやないねん」
都市王〔コイツ、マジで何なん?正直殴りたい……〕
閻魔「あ、あはは……まあ、とにかく頼むよ(人∀・)タノム」
都市王「顔文字使わないでくださいよ。普通に腹立つので」
閻魔「えー……」
都市王〔……もういいや……〕
都市王「……はぁ……、分かりましたよ」
閻魔「よっしゃ、じゃあよろしく!手続きとかは済ませてるから」
都市王「それ……うちが断ってたらどうするつもりだったんですか?」
閻魔「大丈夫、断られないって分かってたから。都市ちゃんって案外義理堅くて、こういうの断ったりしないって」
都市王「……」
都市王はその後すぐに部屋を立ち去ろうとしたが、気になったことがあった。
都市王「……“あちらさん”に先を越されないように急いでるんですか?」
都市王〔もしそうだとしたら、……閻魔も本当に成長したんだな──〕
閻魔「いや……もうあちらが先に潜入調査してるみたい」
これを聞き、都市王は心の底から呆れた。
都市王「いい加減さぁ……──」
閻魔「ごめんごめん」
閻魔が急いでいるのは“こちら”に抜かされないようにするためだと思ったが、違ったようだ。
閻魔「あ、そうそう。都市ちゃんは付喪神を名乗ってね」
都市王「元からそのつもりです」
そこでもう1つ、気になることが。
都市王「なんでうちなんですか?」
閻魔「今代の十王って、バカとアホとクソガキだらけの面子だよ?官おじは生徒として学園に行くには無理があるしね。」
都市王「……泰の“あの能力”がなければな……」
閻魔「なければ、都市ちゃんはこんな仕事任されることはなかっただろうね」
都市王は少しだけ、泰山王が嫌いになった。
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長文お疲れ様でした!できるだけ読みやすいようにした……つもりです^^;
チャットノベル版よりも少し伏線(?)を増やしてみたり……?
チャットノベル版でいただいてたコメントの一部「あちらって神様かな…?」……さあどうだろ?←怪しい
てか今まで登場したキャラ14人のうち、9人がオリキャラなんだが。
ちなみに元々は平等王を主人公にする予定でした。なんで都市王に変更したかというと、……分かりません。
途中から下書きの主人公名がなんか都市王になってたから変更しました。まあ玖番目って何かいいよね。
……てかナレーターっ!!!ちゃんとしてくれっ!!!「さっすが泰山王」じゃねーよ!!!泰山王好きな
んは分かるけど!!!
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【キャラ紹介】
※全員は無理なので、特にこの後登場する予定が多いオリキャラのみ
※閻魔・秦広王・宋帝王は既存キャラなので省略
※都市王は次の回で紹介
泰山王(今代)
心優しく、かつ常識人な、十王の清涼剤。“彼”の過去に関わる人物の1人。平等王の甥ではあるものの、年が近く、小さな頃はよく遊んだ仲。ちなみにオッドアイ。髪で隠している方の目は、彼の“とある能力”の力の源となっている。妖怪肯定派。
五道転輪王(今代)
閻魔とは幼馴染であり、よき相談相手(というより姉?)。十王の中の参馬鹿のリーダー格。あとの2人は泰山王と都市王だが、両方とばっちり。妖怪否定派だが猫妖怪だけは好き。というか猫大好き。五徳猫のだいふくをよく連れている。ちなみに部下の獄卒の名前は雪深(ゆきみ)で、雪深の名前は五道転輪王がつけた。多分図ってるね。
平等王(今代)
おとなしく冷静──に見せかけて案外ドジ。若く見えるが、実は今代の十王の中で五官王に次いで高齢。……とは言っても、平等王に年が近いのは五官王より若年層組。妖怪否定派。何処ぞの誰かのせいで最近寝不足なのが悩み。
コメント
2件
なんかチャットよりめっちゃ伏線あっておもろい(チャットもおもろかったけど) 神様説を私はおす😌